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Rist staff interview 千布大暉(プロジェクトマネージャ)

千布 大暉 2019年8月 中途入社
京都大学 工学部 都市社会工学専攻 卒業

Deep Inspectionチーム・PMスペシャリスト
大学卒業後、大手重工業メーカーへ新卒で入社。現在はRistのDeep Inspectionチームのプロジェクトマネージャ(以下、PM)として活躍している。

今回はRistのDeep Inspection チーム PMの千布さんにインタビューをお受けいただきます。
面白いお話がたくさん聞けるのではと期待しています!まずは、AI業界を選んだ理由、Ristに入社した理由をお聞かせください。

千布:「AIの業界に興味を持った」という理由が第一ではなく、Rist創業者の遠野さんに誘われたのが理由です。
・ITをやっている→風土としてリテラシーが高いはずで、学びがありキャリアを積める
・ベンチャーのスピード感・自由度の高さ
・給料がいい
など、前職よりも魅力を感じたのが転職の理由です。前職が国や自治体がお客様になるような業種だったので「エンドユーザーの顔が見えない」というところにやりがいを感じられていなかった点もあると思います。to B か to Cかは問題ではなく、会社が提供する製品やサービスを受け取ったお客様が価値を感じる様を見られる環境が良く、RistがたまたまAIを使っていただけ、という感覚です。

では、Ristにおける役割を教えてください。

千布:PMとして採用されました。入社前は機械学習もほぼ初めて聞いたに等しいことはお伝えしていたので、そうではないところでパフォーマンスを出してもらおうというのはマッチした上で決まりました。プログラムを書くコーディング以外のところは割となんでもやりますといった感じです。

前職でもPMをされていたのですか?

千布:PMという役職名ではなかったですが、スケジュール管理を行う部署で仕事をしていました。一つのプロジェクトを2年〜5年ほどかけて行うものだったので、PM1人でできるレベルのスケジュール管理ではなかったため、PMとは別にスケジュールを司る部署ができ、面白そうだと思い希望して入りました。

RistでのPMの仕事内容について教えてください。

千布:お客様の要件を聞き、それをタスクにして実行したりスケジュール管理をします。お客様の要求に対しても全てOKとするのではなく、できることもできないこともあるだろうし、できるけどお金がかかることを果たしてやるのかの判断、トラブル時の対応の判断もします。トラブル時は、もちろん役員にアラートをあげるべしみたいなのは最初にあったりしますが、お客様との折衝から社内調整などかなり自由度の高い判断を迫られます。

そういった部分は得意なところですか?

千布:どちらかと言えば得意だと思います。ただ、やはりネックになるのがその業務知識と経験値です。様々なプロジェクトで様々なトラブルに遭ってきていると、解決してきたその歴史を知っているので、そこから引っ張ってこれるのですが、それがない場合に自分で考えないといけないのが難しいところではあります。
苦手なところでいうと、バシッと断言するのが苦手なので、メンバーの合意を取ったり全員の意見を聞いたり丸くおさめるところがあります。良く出る時もあるし悪く出る時もあるので、そこは出力の仕方かなと思います。

千布さんの考えるPMの存在意義

PMの仕事をする上で意識していることはありますか?

千布:PMの仕事の1つとしてメンバーのモチベートがあると思っています。 メンバーが気持ちよく動ける方法を考えます。それはタスクを整理することかもしれないし、分かりやすい依頼の仕方をすることかもしれないし、メンタルコントロールのような会話をすることかもしれません。手段は無限にあると思うんですけど、相手の人となりとか、特徴、強みをできるだけ理解して、その人が苦手なことはできる限りしてもらわないで済むように意識しています。
具体例で言うと、エンジニアが技術的な仕様書を書かなければならないとします。そのエンジニアが資料作成が苦手な場合、技術的なエッセンスだけを箇条書きでもいいから書いてもらって、そのあとの成形や文章化は僕がやる。お客さんへの説明や事務作業なども場合によっては巻き取ります。
職務分担という意味では分けなければなりませんが、個人個人の向き不向きや個性がある中で、不向きなことをさせることはプロジェクトのためにならないと思っているので、能力的に適切か、得意かどうかを重視します。
どうしても相手が苦手なことをお願いする場合は、苦手だというのを理解した上で依頼するとか、納期を少し長めに設定する、叩き台を作るなど、できるだけ事前のフォローと、アフターフォローをします。逆に言うと、僕にはそれしかできないと思っているので。

実際私は仕事で千布さんと関わることは少ないですが、それ以外の部分で質問や相談をすると、どんな小さいことに対してもきちんと考えて答えてくださっているのを感じます。個人的に千布さんはご自身に対しても、相手に対してもメンタルコントロールが上手ですよね。

千布:メンタルコントロールに関しては、僕自身のターニングポイントにも関係しています。2018年頃に、意識高いと言われる系のオンラインコミュニティを運営している人のYoutubeラジオを聴いて、そのコミュニティに入ったんです。ラジオの内容は今でこそ良くあるかもしれませんが、例えば激務でメンタルが弱っていたり、自己肯定感の低い人たちに向けて、タスク管理とか毎日少しずつこうしていけば何かが変わるかもしれないよね、といったボトムアップ的なものを発信しているものでした。
それがいわゆるカルチャーショックでした。今でも、自分が見えている世界よりも外側にいる人たちの存在を検知すると、パラダイムシフトが起こる感覚があります。いざ自分を見てみたら、なんて狭いところで過ごしているんだとギャップに衝撃を受けました。
そしてそれがRistへの転職に繋がりました。 当時は転職はしたい気持ちはありつつ、なかなか動くところまで出来ずにいたのですが、このままではいけないという思いがどんどん強くなりました。もう一気に具体化されたみたいな感覚です。

なるほど。実は千布さんのメンタル強いエピソードを聞いたことがあったのですが。(笑)

千布:あ〜(笑)ランチの時にもこの話になったことがあって、ストレスを溜めないコツはありますかっていう質問がありましたね。
僕が言った回答としては、PMの使命としてプロジェクトの達成責任を持つみたいなところはあって、それは言われるまでもなく当たり前ですが、「責任を持つ」一方で「責任を持たない」ことも重要だと思っています。
理由としては、やむを得ない事情で辞めざるを得なくなる場合って起こりうるじゃないですか。そうなった時にそのプロジェクトを僕が命に変えて守るほどのことではないと思っているんですね。最終的には役員がいると思っています。
じゃあその線引きって何っていうのは、0でも1でもなくて、「責任を持つ」のと「責任を持たない」と思うのを同居させているイメージです。無理なことは無理くらいに思って必要以上に抱え込まないようなところですかね。 プライベートでも仕事のことを考えちゃう人は、比重の問題で「責任を持つ」が重くなってしまっているパターンなんですかね。

確かに、ありがたいことにRistって役員に任せやすい会社じゃないですか。相談もしやすいし。役員としても会社全体としても、色々な線引きをちゃんとしましょうっていう文化がしっかりしていて、「これはあなたのタスクじゃないですよね」っていうのがあれば、気づいたメンバーが言ってくれたり、自分に合った働き方をしやすい環境ですよね。
ストレスを溜めないためにもプライベートでは仕事のことを考えないのは大事だと思いますが、プライベートはどのように過ごされているんですか?

千布:結構多趣味でボルダリングやダイビング、麻雀やボードゲームなど、アウトドアもインドアも幅広くアクティブに動いています。あと水族館に2ヶ月に1回ぐらい行きます。京都水族館は年パスを持っていて2か月経ったら行きたくなります。

多いですね。私は数年に1回とかです。

千布:ね、普通そうですよね。

どういうところが好きなんですか?

千布:静かな空間でリラックスできるところですね。 自分のペースで回れるのと暗い空間で落ち着きます。生き物がゆっくり動いているので、 自分もゆっくりその流れに合わせるじゃないですけど。今の世の中は流れが早かったりとか分刻みのスケジュールで動いている感覚があります。実際には分刻みのスケジュールになっているかどうかというよりは意識の問題ですが、なんとなくタスクに追われてるような感覚があるので、水族館に行くとそこが良い意味で遅くできるというか、ある意味ぼやけるというか。

千布さんらしい理由ですね。確かに、時間についての感覚が仕事の軸に合わせられていた気がします。水族館に行ってリセットしてこようと思います。

では次に、千布さんの思うRistのいいところはどこですか?

千布:まず役員の「対応が早い」、「理解力が高くて速い」、「言語化能力が高い」、「融通が利く」、「遊び心がある」といったところです。マネジメントとプレイングのバランスがいいです。
他には、心理的安全性が高い・メンバー1人1人で心理的安全性を維持している。例えば、役員に対して一般的に言いにくいことを言っていける雰囲気、多少の遠慮はあれど有休をどんどん取っていいという空気感、要求や提案が真摯に検討されるためダメ元でも意見を言う心理的ハードルが低いです。あとは休みが多いこと。
そして、自由がある、スピード感がある、向上心があって、初めてのことに対する挑戦、知らないことを知ろうとする姿勢などです。

初めてのことに対する挑戦に関して印象的なものってありますか?

千布:Deep Learningでいうと、Kagglerの方とかは今年出た新しいモデルを案件に使ってみることが新鮮ですごいなと思いました。今は慣れましたけど。
僕はどちらかと言えば、今ある確実なものを使うという思想なんですね。ドキュメントだったり作業手順書みたいなものが好きなので、新しいものをどんどん取り入れるっていう思想自体がすごいなと思います。
とりあえずやってみるっていうベンチャー精神がもう5年目、6年目になる今でも未だに残っているのはいいことだなと思います。

遊び心をもって一見無駄と思えることをやる

確かにそうですね。そんなRistにはどういう人が向いていると思いますか?

千布:一つ目に「自立している人」です。会社にしろチームリーダーにしろ、依存意識が強い人は向いていないと思います。これは僕自身の体験談ですが、極端な話、入社1週間で商談や展示会にほっぽり出されたとして、うまく立ち回れないにしても、その後危機感を持って素早くキャッチアップする動きを見せられるくらいじゃないと厳しいと思います。
二つ目は「人に頼れる」人です。一つ目と矛盾するようですが、これは両立できます。Ristには優秀なメンバーが多いので、「自分がやるよりAさんがやった方が早い」ということはいくらでもあります。その中で人に頼らず自分だけでやろうとすることは、会社全体の生産性低下につながります。
みんな忙しそうにしていますが、「だから自分で抱える」は悪手です。その人に教えてほしいことは積極的に質問したり、依頼したいことは依頼する。その割り切りができることは不可欠です。
三つ目は「遊び心がある人」です。一つ目に近いです。Ristはまだまだ確固たるビジネスモデルを確立できていないベンチャー企業だと思っています。その中でRistメンバーに求められるのは「思いつき」です。「これやったらいいんじゃない?」という思いつきが本当にサービスになることも大いにあります。決められたことをただやるだけじゃなく、遊び心をもって一見無駄と思えることをやっていくのが重要だと考えます。そのためにも、そのような動きを否定してはいけないと思います。「しょうもないことやってないで仕事やれよ」などと言ったが最後、その人からアイディアは一生出ないと思っています。まぁこの「思いつき」が、僕は苦手なんですけど。

千布さんは「整理すること」に長けていらっしゃいますよね。slackでも有益な情報をまとめて教えてくださることも多いですし。

千布:得意な方ではあると思います。「社内LTを活発にしたい」「案件情報の整理と透明化を進めたい」「Googleドライブを整理したい」「情報共有ツールを整理したい」「オフィスを整理整頓したい」とかの今あるものを整える方向で今後やりたいことは多いですね。

自分が満足する行動や生き方を知って、それを自分に与える

仕事関係なく今後してみたいことはありますか?

千布:今年は富士山に登ります。あとは個人でKindleに本を出版したいです。意識高い系の。

面白そうですね。それだけ好奇心旺盛に色々なことに挑戦してみたいという意識は、どうやって保てるのでしょうか?

千布:多分、 自分を知ることがまず大事だと思っていて、自分は何がモチベーションで動く人間なのかを知っておくことが大事だと思っています。僕のモチベーションの一つが、「かっこいい自分でありたい」です。自分の美意識の中には「珍しい経験をしている」ということも含まれます。だから経験するモチベーションがあります。そのうちの一つとして、茨城県の龍神バンジーで100m跳んだことが挙げられます。バンジージャンプ飛んだと言ったら、「すごい」って言われるのが目に見えてるんですよ。だからその経験を知った人間になる、っていうモチベーションなんですよね。
エゴが自分にとって満足度が高いということを自分で理解しているから、それを自分に与えてあげるっていう感覚ですね。
だから、自分にとってどういう行動や生き方が自分が満足するのかというのを知っていれば、それをするだけです。そういうふうに人生を設計していくことですかね。
それをしないのは今日も昨日と同じことをするっていうことになって、多分未来が変わらなくて、人生は変わらない気がします。なので、1日とかちょっとずつで変えていくのがいいのかなと思います。なんかすごい偉そうに語ってるみたいになってませんか?大丈夫ですか?(笑)

全然大丈夫です(笑)思考や自己分析もそうですけど、 それだけじゃなくてやっぱり物事の本質を捉えて整理することがすごく上手だからこそ、自分が次に何をすれば良いのかがきちんと出せるのではないかと思いました。

では最後に、AIと社会の関わりで今後どういうことを期待していているのかを教えてください。

千布:「人がやらなくていいことをやっている」はまだまだ社会に溢れています。それに対して人は慣れてしまっているので、課題意識を持っている人が5%いるかどうか、それに対してAIというソリューションを手段として知っている人となると1%程度になる気がしています。
人がやらなくていいことをどんどんAIに代替させて、人はもっと遊べばいいと思います。「遊ぶ」の代表例がアートですが、無駄なこと・面白いことをどんどんやっていい社会になればいいなと思います。

ありがとうございます。インタビューを通して改めて千布さんの素敵な一面をたくさん見れました。おもしろいお話、勉強になるお話がたくさんあったのですが、この記事に収まりきらなかったことも多いので、また社内LT会などでも色々お話を聞かせてください。

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