キャリアの「偶然」を自分のものに。ラクスル グループCFOが語る成長を加速する環境と、「Why」から始めるキャリア論【セミナーレポート】
「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンのもと、印刷、広告、物流といった多様な領域で事業を展開しているラクスル。
本レポートは、ラクスル グループCFOとラクスルバンクCEOを兼任する杉山 賢氏が登壇したキャリアセミナーの内容をお届けします。ゴールドマン・サックス証券からラクスルグループ CFOキャリアへ進んだ杉山氏が語る、End-to-Endで中小企業の経営課題を解決する壮大なミッションと、キャリア選択の軸、そして新卒への期待について発信します。
登壇者プロフィール
ラクスル株式会社 上級執行役員 グループCFO
ファイナンス&サステナビリティ本部 本部長
ラクスルバンク株式会社 代表取締役CEO
杉山 賢
Sugiyama Masaru
早稲田大学を卒業後、ゴールドマン・サックス証券株式会社に入社。投資調査部門にて、セルサイドアナリスト業務に従事。
2020年に株式会社サイカへ転職。取締役CFO兼コーポレート本部長としてコーポレート機能拡大を統括したのち、2023年11月にラクスル株式会社に入社。
現在はグループCFOとして企業価値向上を牽引するとともに、ラクスルバンク株式会社の代表取締役CEOとして、中小企業向けネット銀行サービス等金融サービス事業を展開。
「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」BtoBプラットフォームを目指すラクスル
──ラクスルはどのようなサービスを展開している会社ですか?
「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンを掲げ、BtoB領域を中心に多様なサービスを展開しています。ベンチマークとしているのは、Amazonや楽天といったプラットフォーム企業です。彼らがBtoC領域で成長を遂げてきたように、私達はBtoB領域でお客様の経営課題をワンストップで解決できる「BtoBプラットフォーム」となることを目指しています。
※2025年3月時点のサービス図
──これまでどんな事業を展開してきたのでしょうか?
これまでデジタル化が進んでいない伝統的な業界にインターネットを持ち込み、産業構造の変革に取り組んできました。祖業である印刷・集客支援のプラットフォーム「ラクスル」をはじめ、マーケティングのプラットフォーム「ノバセル」、物流のプラットフォーム「ハコベル」、ITデバイスとSaaS統合管理サービスの「ジョーシス」など内製での事業立ち上げと連続的なM&Aによって、事業と顧客の領域を拡張させながら、独自の強みを有するポートフォリオカンパニーへと成長しています。
元ゴールドマン・サックスのアナリストから経営者へ。キャリアの礎となった「Why」の探求
──新卒でゴールドマン・サックス証券に入社された後、スタートアップを経てラクスルへ。それぞれのキャリアストーリーを教えてください。
ゴールドマン・サックス証券に新卒入社
早稲田大学卒業後、新卒でゴールドマン・サックス証券に入社しました。配属先は投資調査部門で、セルサイドアナリスト業務に従事しました。
担当セクターには、ゲームやインターネットといった業界があり、その中で企業の成長戦略を深く分析しました。特に魅力に感じたのは、投資のアイディアをさまざまな会社と話しながら作り、実現させていく「アイディアを作る仕事」という点でした。若いうちから、分析に基づいた企業価値のストーリーを構築し、世界中の機関投資家に対して企業をピッチするという、貴重でスケールの大きな経験を積むことができました。しかし数年が経ち、「人の会社の話をしている」状態から、「自分の会社を経営してみたい」「自分で数字の責任を見てみたい」という思いが強くなり、事業会社への転職を決意しました。
株式会社サイカで経営の挑戦
ゴールドマン・サックスの次の転職先に選んだのが、当時一番興味があったデータサイエンスと広告の領域で急成長していたスタートアップの株式会社サイカです。ここでは取締役CFO兼コーポレート本部長として、コーポレート機能の立ち上げと拡大を統括しました。金融機関の視点から一転、会社の資源を最適に分配し成長を作る「経営の面白さ」を強く肌で感じることができました。同時に「0から1を生み出す人というより、掛け算をする方が得意」だと気づきました。
ラクスル株式会社へCFOとして新たな挑戦
学生時代から創業者の松本さんと縁があり、ラクスルの存在は元々知っていたのですが、組織再編でCFOのポジションが空いたことがきっかけとなりました。
参画を決めた最大の理由の一つは、ラクスルが持つ独自の魅力と将来性に強く惹かれたことです。
アナリスト時代から、まだ小さな会社で、300万を超える企業のアカウントをこの規模で集めているという点が、非常にすごいと感じていました 。
そして、印刷・広告・物流など、「日本の伝統的な産業にインターネットを持ち込み仕組み化していく」という当時の事業の方向性も、面白いと思っていました 。ただ一方で、多方面の領域に事業が分散してしまっているので、なかなか評価されていないところに何かできるんじゃないかなど、いろいろなアイディアがあって、ラクスルに入社しました。
入社した今でも、ラクスルがBtoB領域でこれほどの流通総額(トレーディングボリューム)を持っているeコマース企業は、日本で数社しかなく、その中でも新しい事業領域に踏み出す大きなポテンシャルがあると感じています 。だからこそ、この会社で自身のキャリアを懸けたいと決断しました。
──現在、杉山さんがグループCFOとラクスルバンクCEOとして担うミッション、そして事業立ち上げの経緯について教えてください。
現在のミッションは大きく2つです。
1つはグループCFOとして企業価値の最大化にコミットすることです。CFOの仕事とは、最終的な結果としての「企業価値の最大化」を達成するため、経営資源を最適に配分することに尽きます。具体的には、どの事業に人材を配置し、どの事業に資金を投資すべきか、各事業がどんな利益を出すべきかをコントロールします。また、バランスシートを管理し、短期・長期の業績をしっかりコントロールすることで、投資家の期待値とすり合わせていくという役割を担っています。
そしてもう1つは、ラクスルバンクの代表取締役CEOを担っています。BtoCの世界では、楽天カードが事例として、「売り場を持っている会社が、その売り場で一番使いやすい支払手段を提供する」という金融モデル・クレジットカード会社が成功しています。
一方で、BtoBの商取引においては、高額な取引が多いため、お金を受け取る側が手数料を負担するクレジットカード決済は適していません。
この課題を解決するべく、BtoBプラットフォーマーであるラクスルが、取引の基盤となる決済手段を提供する「銀行機能」として、ラクスルバンクを立ち上げ、現在「日本で1番使いやすくて安くて安全なネット銀行」のサービスを目指して取り組んでいます。
※セミナー実施時はラクスルバンクサービスローンチ前。
──ラクスルバンクの立ち上げ経緯や、目指すビジョン、そして実現に向けての現在の手応えについて教えてください。
実はこのラクスルバンクの構想は、ラクスル入社時のワークサンプル選考で「金融のような事業に必ず進出した方がいい」と提案していた内容だったんです。あのとき提案したことを今、まさに実行し、「日本で1番使いやすくて安くて安全なネット銀行」を作るために、志を同じくする仲間と日々邁進しています。
いざ銀行を作るとなると通常非常に大変ですが、学生時代の友人の縁から、他の銀行のライセンスとインフラを借りるBaaS(Banking as a Service)という手法で銀行を作れることがわかりました。
今年の終わり頃にはサービスローンチを目指しており、自分が「こんなことできたらいいな」と思っていたことを実際にできているというのは楽しいし幸せだなと日々感じています。
※セミナー実施時はラクスルバンクサービスローンチ前。
※ワークサンプル:会社の選考プロセスとして導入している施策。社員と共に実際の業務のテーマに取り組み・ディスカッションすることで物事に対する考え方やスキルがフィットしているかを確認します。
「Why」から始めよう。ラーニングカーブの高い環境が成長を加速させる
──これから社会に出る学生に向けて、ファーストキャリアの選択で大切にしてほしいことを教えてください。
大きく分けて3つあります。
1. 「Why」から始めよう。ラーニングカーブの高い場所が全て。
キャリアを考える上で、サイモン・シネック氏の『START WITH WHY』という本で紹介されている、「なぜ(Why)それをやるのか」という問いから始めるのはとても重要です。この本を知ったのは、私がゴールドマン・サックス在籍時に「これから何しよう」と悩んだ際に、当時の上司にすすめられたのがきっかけです。
この「Why」、つまり自分の存在意義や働く意味を問う問いは、時間とともに発展していくものだと考えています。
皆さんは今、大学で多くのことを吸収していると思いますが、そこで生まれた「ご自身の意義や成し遂げたい世界」は、社会人になってからのラーニングカーブの高さによって、きっと驚くほど発展していくでしょう。学生時代には不可能だと思っていたことも、「こんな考え方ができるんだ」と気づくことで可能になります。だからこそ、まだ20代の、すごく学べる時期に、とにかく沢山のものを吸収すべきです。質の高い経験を通して「Why」は変わり、より良い、働く意味に気づくことができるはずです。
そして最初の会社に入って5年や10年経つと、「自分は何のために仕事をしているんだろう」と真剣に悩むタイミングが必ず来ます。そのタイミングで、より良い答えが生まれるような、質の高い経験を最初の5年10年でできる場所を選ぶといいと思います。単なる業務をこなすのではなく、社会的なインパクトのある大きな課題解決に挑むことで、自身の働く意義を深く掘り下げられる環境を選ぶことが、将来のキャリアの土台を強くします。
2. ラーニングカーブが高い環境の見極め方
ラーニングカーブの高い環境を見極める軸は、「この仕事は誰と向き合ってるのか」、そして「規模がある仕事なのか」を見て欲しいと思っています。特に「規模」は重要です。規模というのは皆さんのビジネス経験に対して掛け算になると思っているからです。
ラクスルのように300万IDという巨大なBtoB基盤を持つ環境で挑戦することは、小さな規模で挑戦するよりも、経験の質と量を圧倒的に増やすことに繋がり、結果として将来のキャリアの選択肢を増やすことにも直結すると考えています。
3. バットを振る回数を増やし、キャリアの「偶然」を自分のものに
私は学生時代のビジネスコンテストでの優勝経験を語ることで、ゴールドマン・サックスに入社することができました。実はそのコンテストの運営メンバーの一員がラクスルの創業者・松本だったのですが、私のキャリアはこのような「偶然」でできています。
しかし、この「偶然」はバットを振らないと生まれません。さまざまなところで多くの打席に立つ機会を増やし続けることが、キャリアの選択において大事なことだと思っています。そして、最初に選ぶ仕事の「規模」こそが、その打席の数を増やすことに繋がります。大きな事業の責任を若いうちから持つチャンスが多いラクスルは、皆さんが挑戦できる「打席」の質と量を保証する場所だと言えます。行動量を増やし、質の高い環境で挑戦を続けることで、キャリアを飛躍させる「偶然」の機会を能動的に引き寄せてください。
新卒がラクスルにもたらす、未来のカルチャー創造
──新卒にとってラクスルの最も大きな魅力や機会提供は何でしょうか。
ラクスル最大の魅力は、「仕組みを変えれば、世界がもっと良くなる」を本気で信じている人たちの集合体であり、テクノロジーとビジネスのリソースが両方揃っているこの時代に完璧なセットアップ環境があることです。
そして、End-to-Endで中小企業の経営課題を解決し、日本の伝統的な産業構造に挑む、ユニークでスケールの大きな挑戦を、キャリアの初めから経験できることです。これは、自身の成長速度を極めて高く加速できる機会に他なりません。
──ラクスルは新卒社員にどのような役割と期待を担っていますか。また、中途入社の即戦力社員が多い中で、「新卒で入社して、肩を並べて活躍できるだろうか」という不安や懸念を抱く学生に向けて、メッセージをお願いします。
就職活動をしているときに、「会社の中にいる人が優秀だと言われれば言われるほど、自分は大丈夫なんだろうか?」と思う気持ち、すごくよくわかります。
それぞれにの業界で秀でたエキスパートが集まり、たくさんのアセットを持って参入しているラクスルを見て、「席が埋まってしまっているのではないか」、「そういった方々と同等に肩を並べて頑張っていけるのかな」という不安を持つのは当然です。私自身も新卒で入った会社に対して同じことを思っていました。
ただ、会社側から見ると、新卒の方には非常に意味があります。
新卒で入ってくれる社員に対しては、社員皆が同じ方向を向く特徴があり、新卒社員を育てるために一生懸命時間を使います。「どうやったらもっと早く育ってくれるだろうか」「どうやったらウェルカムな気持ちになってくれるだろうか」と、真剣に考え、この育てるプロセスこそが、会社のカルチャーを作り、チームワークを醸成する上ですごく大事だと私たちは考えています。
そして、この環境の中に皆さんのようなラーニングカーブが非常に高い方が来ると、我々の能力やチームワーク、組織としての力を引き上げてくれる存在になってくれるだろうと確信しています。皆さんは、ラクスルという会社の向こう30年のカルチャーを作っていく人であり、会社の成長を加速させるための、未来の最重要戦力です。
ラクスルは「成長の掛け算」を極限まで高める場所。「仕組みを変える」仲間と、世の中の課題を解決する挑戦へ
──最後に学生の皆様へメッセージをお願いします。
ラクスルは、新しい仕組みを世の中に出していくことに対して、並々ならぬ情熱と、テクノロジーとビジネス両方のリソースが揃った「この時代に完璧なセットアップ」がここにあります。
「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」を信じている仲間たちと、自身の成長を加速してほしいと思っています。あなたのラーニングカーブを極限まで高めるための「規模」と「機会」が、ラクスルにはあります。ぜひ、ラクスルで、あなたのキャリアを築いていきましょう。
ラクスルグループでは、ビジネス職での新卒採用を積極的に行っています。ご興味のある方は、ぜひこちらの求人もご覧ください