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技術偏重から脱し、組織を率いる役割へ。自分の評価よりも「他者の為に」と思えるようになるまで

迷わず突き進んでいるように見える人ほど、周囲からは見えない葛藤と戦い、一歩一歩前進しています。『#PR TIMESなひとたち』は、「PR TIMESらしさってなんだろう?」について、社員の挑戦や努力の裏側、周囲からは見えづらい地道な一面に迫り、わたしたちの日常をお届けしていくコーナーです。

今回は「2024年度上期社員総会」で、半期の重要な行動指針たるスローガンを体現し、象徴する行動と成果で貢献した個人を讃えるBe the Slogan賞を受賞した第二開発部の櫻井慎也さんにインタビュー。

PR TIMESの2人目の新卒エンジニアとして入社し、開発組織の成長と共にキャリアを重ねてきた櫻井さん。エンジニアとしての成長にベクトルが向いていたところから意識が変わり、「PR TIMESとして」考えられるようになった2024年だったといいます。その結果が、Be the Slogan賞の受賞につながりました。なぜ、意識が変化したのか。櫻井さんに伺いました。


プロフィール

PR TIMES事業ユニット第二開発部 櫻井慎也

岐阜県出身。2018年に京都大学工学部を卒業後、新卒で株式会社PR TIMESに入社。サーバーサイドエンジニアとして開発経験を積んだ後、テックリードを経てPR TIMES事業ユニット VPoE 第二開発部長に就任。サーバーサイドやインフラ領域からPR TIMESのサービスを安定して稼働させるための監視基盤の改善やインシデント対応、エンジニアのマネジメントなどを行っている。

自己成長にベクトルを向けていた自分から、他者のために頑張るマインドに

――Be the Slogan賞の受賞、おめでとうございます!受賞時の想いはいかがでしたか?

受賞するとは思っていなかったので、びっくりしました。その後、評価ポイントを教えていただき、「上期にチャレンジしたことを評価してもらえたんだな」と納得できた感じでした。部署のメンバーや家族も喜んでくれたのはとてもうれしかったですね。


――スローガン「他喜と共に、もうひと越え。」に、ご自身では影響を受けたと思いますか?

「このスローガンだから」と特別にマインドを変えようというのはなかったと思います。ただ、振り返ってみると、自分の考え方、マインドが変わった時期ではありました。もともと、私は成長志向が強く、自分にベクトルが向いているタイプなんです。ただ、上期ではハッカソンの責任者やVPoEを任せられたこともあり、自分のためだけではなく、他のメンバーのために頑張ろうというマインドに自然となっていったのかなと。

2人目の新卒エンジニアとしてPR TIMESに入社。2024年からVPoEに

――あらためて、櫻井さんのご経歴をご紹介いただけますか。

私は2018年にエンジニアとして新卒入社しました。当時のPR TIMESで新卒入社はまだ3代目くらい、新卒エンジニアは私で2人目でした。

入社当社はサーバーサイドエンジニアとして、目に見える部分というよりは裏側の開発を担当していました。そこからインフラチームのテックリードになり、サーバーサイドとインフラといった、より基盤に近い部分を担当するようになり、インシデント対応や監視基盤の改善にも携わるようになりました。

VPoEになったのは2024年秋ごろで、そこからマネジメントの仕事にも取り組み始めました。開発部の中では1番社歴が長いので、開発部の色んな変遷を見てきました。。


――エンジニアが、現在の「開発部」のように組織として成り立つ前から入社されていらっしゃいますが、入社を決めた理由は何だったのでしょうか。

先ほどもお話したように、私はもともと成長志向が強いタイプなこともあり、エンジニアがすでにたくさんいる大企業に入って「そのうちの1人」になるより、少数精鋭が集まる環境で活躍し、影響力を発揮していけるところのほうが合っているのではないかと思ったんです。まだまだ整備されていないところがあり、その開拓から携われるところがいいなと思う気持ちは、今も変わらないですね。

経営会議への同席が、「自分主体」から「組織主体」への変化を生んだ

――スローガンが発表されたとき、どのように受け止めましたか。

ちょうどサンリ社が提供しているSBT研修を行っていた時期で、そこでも「他喜」というキーワードに触れていました。「自分ではなく、誰かのためになれることを喜びとする」という価値観に触れていたので、イメージはしやすかったですね。ただ、スローガンが発表されたことで「他喜を意識して頑張ろう」となったかというと、そういうわけではなく。「あ、今期はこのスローガンに決まったんだな」程度の意識でした。


――評価ポイントとして挙げられているのが、突発的なインシデントへの迅速な対応、VPoEとして組織を牽引したこと、ハッカソン責任者としての取り組みです。まずはインシデントへの対応に関して、ご自身で「他喜」が実践できていたなと思えるところを踏まえてお話いただけますか。

2024年の上期は、特にインシデントが酷いときでした。私はそのほとんどで中心メンバーの一人を担い、データ復旧や原因の特定、根本的な対応にかなり携われたと思っています。

「他喜」という観点から振り返ってみると、これまでの私は、自分の担当したところであれば「自分に責任があるからやらないと」と思っていたのですが、他の方が担当した部分でインシデントが起きた場合は、そこまで積極的に対応に当たっていなかったと思います。2024年上期に関しては、誰の担当だったかは関係なく、インシデントが起きている以上お客様に迷惑をかけているわけで、「誰がやったとか関係なく入ろう」と動いていました。主語や主体が「自分」と内向きだったところから、「PR TIMESとして」という視点から考え動けるようになったのかなと。

――その変化はなぜ起きたのでしょうか。

1つこれかなと思うのは、6月頃から経営会議の議事録係を務めるようになったことです。毎週、役員陣が行っている会議に入り、議事録を取ったり話を聞いたりすることで、役員陣の視座の高さに影響を受け、会社としてどうあるべきかという考え方がインプットされていったのではないかと。なお、議事録係として入っているかどうかは関係なく、開発部や私自身について議題に上ることもあるんですよ(笑)。


――実際、どのようなインシデントにどのように関わられたのか、お話しできる範囲内でお聞かせください。

使っているデータベースにバグがあり、一時期PR TIMESに接続できなくなる障害がありました。そのデータベースに新バージョンがあるとわかったため、休みを振り替えて週末にバージョンアップしました。なかなかに大変でした。

書いたプレスリリースが消えてしまうというエディターのバグが起きたときもあり、データベースの機能で消える前のデータを復元し、今のデータベースに入れるといった対処もしています。

インシデントは緊急事態なので、担当が誰だったのかはひとまず横に置き、何かを意識して入ろうということはないです。そもそも、誰かひとりではなく仕組みの問題であり、開発部としての責任だと捉えるべきであり、対応するときも周りを巻き込み、Meetを立ち上げて入れる人に入ってもらうようにするなど、開発部として対処するよう意識してきたかなと思います。


――入社後、組織として拡大していく流れをご経験されてきていますが、組織課題に直面したことはありますか?

技術偏重になりがちなところは大きな課題ですね。これは私自身もそうで、やりたいもの、おもしろそうな技術ばかりをやりがちという時期は誰にでもあるのかもしれません。ただ、大切なのは何のために開発するのか、ユーザーにとってどういう価値があるのかをきちんと考えていくことなんですよね。

私が技術偏重から脱せたのは、議事録係で経営会議に同席できたことと、2024年から始まったトレーナートレーニー制度のおかげだと思っています。トレーニーとして山口さんと1on1をすることで、お客様に目線を向けることについて、山口さんの考え方を聞けたのは大きかったです。象徴的な出来事でいうと、インシデントが起きているときに、定例ミーティングや勉強会を優先させていたことがあったんですね。「その様子をお客様が見たらどう思う?」と言われ、「確かにな」と思いました。


――トレーナー側も務められたのでしょうか。

はい。マネジメントも1on1もしたことがないところからのトレーナーでしたから、マネジメントについて本を読んだり、マネジメント方法を模索しながら形作ってきました。意識しているのは、トレーニーに話してもらうことですね。傾聴が大事で、トレーニーがやってきたことをまず承認するよう意識してきました。その上で、「こうしたらもっと良くなりそう」とアドバイスするようにしています。

組織課題としては、開発部はリモートワークが多いためにコミュニケーションが減りがちという問題もあります。営業がやっているような部内のランチ会を企画してみたり、オンラインコミュニケーションを活性化したりといったことも意識して進めています。週1出社から、今は週3出社になりましたが、エンジニアの出社頻度はまだ人によって異なるため、出社して集まって開発をする意味なども意識的に伝えるようにしています。


――マネジメントをするようになって、ご自身に変化はありますか?

ありますね。昔は周りに嫌われたくないとか、自分が評価されているかどうかを気にしがちだったのですが、今はあまり気にしなくなりました。たとえば評価に関していうと、会社に貢献して成果を上げれば自然とついてくるものだと思えるようになったとかですね。

経営会議に議事録係として参加しているとき、自分の話が出てきたことがあったんです。そのときに自分の中で思っていたことが評価されていると感じられて。山口さんからも「(櫻井さんが)思っているよりも周りへの影響がある立ち位置で、重要だよ」と言っていただき、より「ちゃんとしなきゃ」という責任感につながったのだと思います。

議事録係は、「お願いできませんか」という提案を受けて挑戦することに決めたのですが、受けてみて良かったなと思います。早起きが苦手なので、毎週火曜日の朝9時前に行かなければならないという大変さはありましたが(笑)。そこから、経験したことのないものに挑戦してみようという想いが生まれ、ハッカソンの責任者にもチャレンジしたんです。


会社の代表として、ハッカソンの責任者を全う

――ハッカソン責任者は、どういった経緯で務めることになったのですか?

人事の白石さんからのご依頼です。PR TIMESは、「この人がやる」と決まったら、本当にその人に任せる会社なんですよ。ハッカソンの責任者は、内容を決めるだけではなく、参加者に内定を出し、オファーを受諾いただくところまでが役割です。いわば、候補者に対して会社の代表として関わるわけなのですが、本当に最後まで私が担いました。

今回はオフラインで過去最多となる22名の学生に参加いただきました。過去にやってきたことも踏襲しつつ、変えるべきところは変えましたね。例えば、今までのハッカソンで受賞した方が、そもそもPR TIMESについてあまり理解できていないという課題があったので、今回は「まずは参加者にPR TIMESのサービスを理解して好きになってもらう」ことを念頭に置き、「PR TIMESを○○な人たちにもっと使ってもらうには」というテーマを設定しました。

ハッカソン責任者を務めるまでは、人よりもシステムに向き合ってきた人間なので、正直なところ自信はなかったです。でも、終えてみた今は自信につながりましたね。「参加者のために頑張る」と意識したことが、マインドの変化にいい影響を与えてくれたのかなと。このエピソードが、最もスローガン「他喜のために、もうひと越え。」を体現したものだと思います。

開発組織を拡大し、改善・開発を推し進めていける体制づくりを

――PR TIMESには、スローガン以外にもミッションやバリューがありますが、ご自身に影響を与えたもので何か思い浮かぶものはありますか?

新卒時から意識してきた「Act now, Think big」が大きいですね。できるかわからないけど、まずはやってみようと未経験なことに挑戦できたのは、このバリューがあったからかなと。その時点ではできなくても、役割を果たしていく中で成長していくことができたかなと思います。チャレンジして良かったです。


――今回の総会のテーマは「道」でした。櫻井さんにとって「道」とは何でしょうか。今後の展望についてもお聞かせください。

個人のキャリアとしての道もありますし、会社としての道もありますよね。私個人の道を振り返ると、エンジニアとして技術力を上げていくことが大きく、スキルを高めて進んでこられたのではないかと思います。そこからマネジメントの仕事に携わるようになり、2024年は役割が増えてかなり大きく変わった1年だったと思います。

入社当初は、いずれマネージャーをするとはまったく考えてはいませんでした。漠然と、ずっとエンジニアとしてやっていくんだろうと思っていたんです。いざやってみると、マネジメントも技術だなと思えるようになりました。メンバーが成果を出すために何ができるのか、部として成果を上げるにはどうしたらいいのかを考えることが楽しく、マネジメントスキルを身に付けるのも楽しいです。そう考えると、価値観の変化は結構あるのかな。


これから、第一開発部、第二開発部とエンジニアの人数がますます増えていくでしょう。もっと改善したいところ、開発したいものがあります。組織を拡大していくなかで、マネージャーを任せられるメンバーを増やせるよう尽力したいです。

過去の私と同じように、いちエンジニアのキャリアしか見えていない方もいると思います。「マネージャーの仕事の何が楽しいんだろう」と思っている方もいるかもしれません。そういった方には、やってみると見えてくるものがあると伝えたいですね。もし、マネージャーの打診を受けることがあったら、飛び込んでみてほしいです。エンジニアとしてどちらが偉いというわけではなく、どちらも大事な役割だと思っています。みんながやりがいを持って仕事できるよう、一人ひとりが成果を出せる環境を整えたいですね。一人ひとりが成果を出せるようになれば、部としても大きな成果が出せるようになると思っています。

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