はじめに みなさん、初めまして。
株式会社プロトソリューション AIテクノロジー推進室 仙台の福永と申します。
今回は、プロトソリューション仙台本社で東日本大震災から10年という節目の年に東北のみなさまに何かできないかと考え開発したサービスJomoNeX(ジョモネックス)とそこで出会った人のご紹介を致します。
自己紹介 2016年アイソリューションズ(現:プロトソリューション)へ入社し、仙台地場大手企業様のパッケージである薬品管理支援システム、グループ最大メディアのグーネットの開発に携わったのち、現在は地方創生のサービスJomoNeXの運営をしています。
地域への思いと夢 私は「東北や地方のために、首都圏に負けないエンジニアになりたい!」、「地元で学んだことは地元に活かす」という夢を持ち入社しました。
そこから5年が経ち、東日本大震災から10年という大きな節目の年に、今一度私たちができることを考え、行動したいと思っていました。
難しいテーマかもしれないけれど、今が自分の夢を形にするときだ、と自らを奮起しプロジェクトリーダーへ名乗り出ました。
東北の現状と私の肌感覚 プロジェクトを進めるにあたり、復興庁のデータにて復興状況を確認したところ、復興はほぼ完了というステータスでした。しかし仮設住宅で生活する人がいたり、ボランティア団体が活動をしている状況で、私の肌感覚でいうと、まだ完全ではない印象を持っています。
しかし、かといって悲観的に捉えているわけではなく、そのような中でも、仙台市は被災経験を経てのまちづくりの提案が評価され2020年7月にSDGs未来都市に選定されました。気持ちは前を向き、前進していることも強く感じています。
”Build Back Better”、 より良い復興 震災やコロナ、あらゆる環境が目まぐるしく変化し未来が予測できない状態と言われる今こそ、過去に立ち戻り学べることがあるのではないかと考え、1万年という長く続いたといわれる縄文時代に着目しました。縄文時代に生まれた「協働・共生・創造」を、私たちがテクノロジーを活用しながら、人と人とが支え・助け合い、元に戻すではなく、元より発展した状態にしたい。そんな思いを実現するためにプロジェクトを発足しました。
スタートアップアドバイザーとの出会い 東北のために人と人とが支え合える場となるサービスを作成しようと考えましたが、初めての新規サービスへの挑戦で、進め方でわからないことが多く、本当に悩みました。イベントが良いのか、モニュメントが良いのかなど、私はこれまでプログラマーとしてシステム開発することには慣れていましたが、サービスの企画となると、別世界でした。ですが、成し遂げたいことを想像すれば、想いが折れることはありませんでした。
そんなときに、この想いを言語化しサービスとして発信するために、アドバイザーとしてAwai, Inc. 堀江さん(前:MAKOTOキャピタル)と、Catan, Inc. 安藤さん(前:MAKOTOキャピタル)に相談し一緒に進めていくことにしました。堀江さん、安藤さんは東北出身・東北に住んでいたということと、元々大学生企業家の運営をしていてノウハウがあり、それをシェアしてもらいたいという思いでした。
二人に背景や想いを話した際に、「がっつり一緒にやっていきたいです!」そう言われたのを覚えています。まだまだ言語化できていなかった「人と人が支え合える場を作りたい」そんなざっくりだったかもしれない想いに共感してくれた二人の人柄にとても惹かれました。
堀江さんはいろいろな観点で物事を考えアイディアを出してくれ、安藤さんは業界・企業の分析が強く、多くのサービス・事例を知っています。そんな二人との打ち合わせは、私が初めて新規サービスに取り組むということで考え方や進め方などインプットする内容が多く、ついていくのに必死でした。
Jomon 、Nexus、X-Tech、 JomoNeX誕生 インプットを終えると、いよいよメインとなるサービスのコンセプト決め。ここからの道のりは本当に長く、1日中会議室に缶詰でアイディア出しを行うも、コンセプトに落とし込むまでに時間がかかり、進んでいるように感じなかった時もありました。そんな苦労を乗り越え、サービスが出来てきました。
Jomon(縄文)、Nexus(人や物の繋がり)、X-Tech(クロステック)から取りJomoNeXと名付け、ロゴには縄文の文様をモチーフに、緑色には山・自然、水色には海・川、青色には空と東北の豊かな自然を表現しました。
JomoNeXでは自ら手を動かし足を動かし、地域と向き合うことで、より良いマッチング、コラボレーションを生み課題解決していけることを目指しています。
そして、コンセプト「地域課題を運営とユーザーがともに解決するCtoCマッチングサービス」が完成しました。
ユーザー(スターター・ジャンパー)がJomoNeXを通じて繋がる
自分の知らない世界と出会った、フィールドワーク そのため、サービスコンセプトを決めたあとは、実際にユーザーの生の声を聞くことに比重をぐっと傾けました。
初めてのフィールドワーク。年代も業種も違う方と話す機会がなかったので、不安も大きかったのが本音です。実際にフィールドワークを行ってみると、会話の中で聞きたいことを聞き出す難しさを痛感しました。どうしたら聞き出せるのか悩みましたが、そこでわかったことは、またお話できる関係性を作ること。信頼がなければ言いたいことも言えません。そんな初歩的なことも学びました。
このフィールドワークを通して、地域に対しての考え方や取り組んでいる課題、モチベーションを知ることができ、刺激を受けました。自分の知らない地域の課題とその課題に対しての真摯な取り組みを知り、自分も何かできないかと強く思いました。
高校生ながらに町おこしのプロジェクトを自分たちだけで発足し、町民と町の繋がりを強くしたいという思いでイベント活動を行っている団体、食品ロスという社会課題を解消するために自分たちでチラシを作成し、配布と企業や地域住民への呼びかけを行っている大学生の団体、自らが広告塔になりワインを通じて地域おこしの取り組みを行っているワイナリーなど様々な方のお話を聞くことができ自分の原動力にできました。
フィールドワークを通して出た変化 フィールドワークを行っているうちに、自分のモノゴトに取り組むスタンスが変わっていきました。
私はエンジニアのため、どれだけリスクを排除して、リリースさせるか。色々考えてしまうクセがついていました。今は、すこし考えて、動く。まったく考えないわけではないですが、動かないと分からない課題ばかりですし、正解があるわけでもない。話を聞いたり、共感するだけでもその人にとってプラスになる。それがわかってからは、行動に移すように変わっていきました。
これからのJomoNeX このJomoNeXを通じて関わりを持ったユーザーの方との出会いで自分の考えが変わり、貢献したい、誰かの助けになりたいと思うようになりました。
これは私だけに限ったことではなく、実際に話を聞くことで誰もがそうなると思っています。それだけ人には人を惹きつける力があります。JomoNeXではそんな人を増やし自然とお互いを助け合えるきっかけを与えられるサービスとなれるように、もっとアップデートしていきます。
よかったら食べての優しさ 夕飯多めに作ったらよかったら食べてと言ってご近所さんにおすそ分けしたり、ご近所さんの家の方まで雪かきをするなど、昔はそんなちょっとした気遣いや人助けが当たり前にされていたと思います。そんな当たり前のことが当たり前にできる世界に戻ればいいなと思っています。
そのために一人一人が行っていることに目を向けて、発信していきます。
SNSの発展により個人でも簡単に情報を発信することができますが、その反面、情報がありすぎる、見つけにくいなどといったデジタルデバイドが問題となっています。だからこそ、欲しい情報が確りと取れる事、インターネットを通じて、すぐに仲間を集える、助け合える、それが叶う今の時代の社会貢献がJomoNeXだと考えています。
真摯に取り組んでいる活動を少しでも後押しできるようにみんなで協力し合いましょう!
この想いに少しでも共感していただけますと幸いです。
また、JomoNeXのフィールドワークから得たこと・人との出会い、そこから何を得たかをJomoNeXメンバーの大石が 長靴こしらえて仙台のまちなかを通勤したけど、私の職業「プログラマー」 というストーリーを投稿していますのでぜひ読んでください。
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