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こんにちは!PRONI採用担当です。
PRONIは今年(2024年)でサービス開始から10周年を迎え、事業も組織も順調に成長しています。今後さらなる飛躍を目指すべく、事業運営を支えるプロダクト開発部の体制も強化中です。
今回は、プロダクト開発部を代表して、CTO・小峯将威さんと、基盤開発グループリーダー・野阪武司さんにインタビューを実施。開発部のこれまでの歩みや具体的な業務内容を伺いました。
次代のプロダクト開発部のビジョン、それらをともにつくり上げるメンバー像を紐解きます。
独自保有するデータの利活用促進で、PRONIのビジョン実現を目指す
――まずは、プロダクト開発部が担う業務の概要を教えてください。
小峯さん:プロダクト開発部では、これまでPRONIの各種サービスをご利用いただいたパートナー(受注者)とカスタマー(発注者)それぞれの企業情報を蓄積し、データベースを構築しています。
PRONIではサービス開始からの10年で、累計30万件以上のBtoBマッチングを生み出しています。この10年間でさまざまな業種、規模の企業様にサービスをご利用いただきながら、PRONI独自の受発注にまつわるデータを蓄積してきました。データの活用がプロダクト価値の向上につながり、結果として顧客体験の向上にも寄与するものと考えています。
現在私はCTOとして、野阪さんはプロダクト開発部のなかの「基盤開発グループ」のグループリーダーとして、PRONIが提供する2つのサービス(PRONIアイミツ、PRONIアイミツSaaS)を横断する新たな統合データベースの構築を目指しています。
サービスごとに開発グループがあるため、これまでは各サービスの開発グループがそれぞれ独自のデータを保有していました。しかし、事業成長とともにお客様への理解も進み、データ内に重複したものが含まれていることも見えてきたんです。
現在はバラバラに存在していたデータを集約、同じ意味を持つデータを整理し、統合データベースとして開発しているところです。
――それぞれのサービスごとで蓄積されていたデータを、より効果的に利活用するために動かれているんですね。
野阪さん:他にも、統合データベースを活用してレコメンドサービスの開発も検討しています。PRONIアイミツのWebサイトを訪問したユーザーの行動履歴から課題をカテゴリーとしてクラスタリングし、レコメンドしていくことから始めています。
ゆくゆくはこのレコメンド機能を社内のコンシェルジュが活用して、さらにカスタマーの発注課題解決に伴走していけるようなことも検討しています。そのために統合データベースの拡充とともに適用範囲を広げていきたいと考えています。
小峯さん:PRONIが保有する企業情報と公開情報を組み合わせることで、データの価値を高める取り組みを行っています。例えば、従業員数や決算時期などの公開情報と統合することで、新たな特徴を発見することができる、などですね。
――取り組みがスタートした背景には何があったのでしょうか?
野阪さん:すべては、PRONIがビジョンとして掲げている「受発注を変革するインフラを創る」に帰結します。
私たちはBtoB受発注のマーケットにおいて、カスタマーとパートナーを適切にマッチングし、企業間取引の利便性向上・活性化への貢献を目指しています。それが結果的にインフラを創ることにつながりますから。
その点において、非常に重要な鍵となるのが、「適切なデータを保有しているか」「信頼のあるデータを元にマッチングを行っているか」なのです。
開発部として、保有しているデータを最大限に利活用できるようにコミットすることは、ビジョン達成のために必然のことだと考えています。
小峯さん:昨年末ごろに今回のデータを活用した新しい取り組みについて経営メンバーに提案を行いました。経営陣もデータ活用の必要性について十分理解をしているからこそ、事業の未来を創る投資分野として、このプロジェクトをスタートさせています。
すべてはみんなのハッピーのため。一つひとつのデータに向き合う覚悟を持つ
――データの利活用を進めるためには、人も時間も必要な印象です。開発にあたっての課題はありましたか?
野阪さん:データの“前処理”が予想以上に大変でした。私たちは数字の観点から課題解決を試みる、いわゆるデータサイエンス領域で取り組んでいるため、前処理として等価性の検証が必要になります。
先ほどお話ししたレコメンドエンジンの構築についても、特徴量としてベクトルを抽出することでモデル自体を構築することはできます。しかし、PRONI最大の魅力でもあるコンシェルジュは人間です。数字上で「値(データ)は等価である」と判断する際も、まずは人間の目で判断してから切り分ける必要があります。この精度が低ければ、社内のコンシェルジュが活用できるレベルには到達せず、真の意味でデータの利活用ができているとは言えません。
エンジンをつくるなかではGoogleアナリティクスからの情報も参照するのですが、それらをどこまで信頼するのか、見極め作業にも時間を割きましたね。取得する情報も膨大なので、自分たちにとって本当に必要なものを抽出するのにも苦労しました。
――現在の進捗はいかがですか?
野阪さん:まさに前処理の真っ最中です。データ集約までは完了しているので、今後は前処理を行ったデータをもとにレコメンドエンジンを実装し、結果を観測および評価をして改善を続けていきます。
実際にデータを扱う開発現場のみなさんがとても協力的で。快くデータを見せていただいたり、実際にお客様から問い合わせをいただいてから、どのタイミングでどのようなデータが作成され、業務に合わせて変化していくのか解析させていただきました。
社内の協力体制が整っているからこそ、事業を横断する形でもすべての物事がスピーディーに進められていると感じます。
――実行し、結果を分析し次の行動につなげる…。開発は地道な作業だと感じます。
野阪さん:たしかに、忍耐力が求められますね。目的意識が持てないと単につらい作業になってしまうと思います。反対に、目指すゴールがはっきりしていれば頑張れます。
私は、中小企業を元気にしたいという、PRONIの思想とも重なる想いを持っていて。レコメンドエンジンが無事に完成し、開発部から機械的サービスによって収益化できる仕組みがつくれたら、「受発注を変革するインフラを創る」というビジョンの達成も夢ではないと思います。
将来性を見据えたおもしろさがありますし、データ利活用のプロジェクトが成功したら、お客様やメンバーを含めたみんなが幸せになれると思うんです。やり遂げた先にある全方位のハッピーを妄想して、一つひとつのデータと向き合っている毎日です。
目指すは社内の産業革命!テックをさらに活用し、事業に貢献したい
――今後、プロジェクトをより円滑に進めるために、プロダクト開発部が一緒に働きたい人のイメージを教えてください。
野阪さん:システム構築はじめ、開発にはすべて“ものごとの定義づけ”が必要です。目の前にあるデータそれぞれがどういう意味を持つものか、定義づけたうえでロジックを組む。数学的な観点でデータ分析を行い、メンバーとともにディスカッションできる人とぜひ一緒に働きたいですね。
どこまでも確率を求めていく業務なので、統計や数学、ゲーム理論が好きな方は活躍できるフィールドがここにはあると思います。
小峯さん:10年以上の事業運営実績で蓄積されてきた膨大な量のデータを、「いかに扱っていくか」に興味を持てる方ですね。
システム開発に関わる際に、「人の手だからできること」と「システムにしかできないこと」を考えることが非常に重要だと考えています。膨大なデータを収集し、どのように取り扱っていくのかを考えることこそが、まさにその判断軸になるのです。
PRONIが長年にわたって蓄積してきたデータと、企業情報などの公知の情報を組み合わせれば、最適なマッチングにつなげられる。
人の行動からだけではなく、データや数値上から何か意味を見出すことに興味がある方は、非常にやりがいを感じていただけると思います。
――開発部の今後のミッションや、理想のチーム体制について教えてください。
野阪さん:基盤開発グループは、人的リソースを使わず売上を伸ばす、社内の産業革命を目指しています。これが実現することで、今開発部で取り組んでいる前処理の努力も報われます(笑)。
各々がひたすらデータと向き合い続けるなかで、自分の担当領域において悩む場面が当然でてくると思います。その際に孤独を感じないように、辛さや困難は全員で共有し合うようにしています。ワンチームでみんなで乗り越えることを大切にしていますね。
小峯さん:プロダクト開発部全体として、引き続きパートナー、カスタマーのマッチングに“最適なデータ”を正しく集約することに注力していきます。
どんな案件がどのようなかたちで発注されたのか、過去にどんな受注歴があるのかなど、企業実績についての情報を正確に、詳細に集約するほど、マッチングの精度は上がります。
お客様に満足いただけるマッチングを提供することで、新たなデータが蓄積され、さらに精度が高まるというエコサイクルが生まれます。
――ビジョンが明確で、今後が楽しみですね。
小峯さん:いち事業会社のなかで、顧客データ集約から解析、活用までをシームレスに取り組んでいることは、私たちの強みでもあります。
だからこそ、データ集約だけ、各種エンジンを開発するだけといった観点ではなく、エンジンをリリースしたあとの結果など、定量的なデータだけではなく、開発を担うエンジニアや、事業に関わっているメンバーからの意見もふまえながら、より精度の高いデータ利活用に尽力していきたいと思っています。
PRONIでデータを扱う意味を追求していかなければ、本当の意味でインフラにはなれません。データの価値を社内に打ち出すためにも、まずはスモールチームで業務を進め、しっかり価値を出してからチームを拡大したいです。
成果を出しながら、PRONIのビジョン実現を目指していきます。
――ありがとうございました!
※本記事は2024年7月にPRONI公式noteに掲載された記事の転載です。