働く環境の整備に力を入れている株式会社ピクルス。社員の働きやすい環境にするためのアイデアや実行力・スピード感は、働き方改革に取り組む企業も参考になることが多くあるのではないでしょうか。今回は、同社が手掛けるSNSキャンペーンツール「キャンつく」のセールスを担当しているアカウントディレクターの北川さんにお話しを伺いました!
労働時間を15分短縮。働く時間を最小にすることで生まれる効果
ー10月から実働労働時間を15分短縮し、8時間から7時間45分にされたと伺いました。短縮された意図はなんでしょうか?
主な理由は二つあります。
一つは、生産性の高いデジタル広告制作会社でありたいという想いを、働き方に反映させたことです。
制作会社が数ある中、「短期間で納品をしてもらえる会社にお願いしたい」というクライアントは多くいらっしゃいます。納期が短いが質は悪い、では本末転倒となってしまいますので、こういったケースでも質の良いアウトプットができる対応力を養うようにしています。
二つ目は、子育て世代を含むさまざまなライフスタイルのメンバーがみな同じように働ける環境を整えることです。全員が時間を意識した働き方をすることで無駄をなくし、社内全体の生産性を上げることで、プライベートの時間をしっかり確保できるようにしています。
また今後も労働時間短縮は更に進めていき、3年以内には7時間労働にできればと考えてます。
▼「良いアウトプットは良いセルフマネジメントから」代表タナカ氏のインタビューで残業をしない理由が語られています
ー実労働時間の短縮によって、業務への影響はありますか?
以前より社内全体で業務の効率化については意識していましたので大きくは変わりませんが、より無駄をなくすためにメンバー全員が時短のためのアイデア出しを実行している最中です。
コミュニケーションコストを下げる方法と、生産性をアップする方法の二面から各自がアイデアを出し、実行が可能な順に〇・△・×などつけて、すぐに実行できそうなものはその日から始めるように取り組んでいます。
▼楽しそうに話してくださる北川さん
「悩む時間は限界を決める」「ミーティングを減らす」具体的な生産性向上への施策
ー以前より残業の申告制や生産性向上の取り組みはされているようですが、具体的にどのようなことをされているんですか?
社員のアイデアの中から、良いものはすぐに実行するようにしています。
例えば、社内でミーテイングする場合にはどのようなことを話すのかアジェンダを展開し、事前に「今回はこれを決める」というミーティングのゴールを設定しておきます。ゴールを決めることで話が脱線して違う議論が始まったり、だらだら話してしまい無駄な時間を過ごすことを防ぎます。やむなく延長する場合も、時間を決めてミーティングのホストがしっかり管理をします。
他には、各自の作業を切り分けて、「何をいつまでにやる」という期限を区切ります。毎日朝と夕方に全員が業務報告する時間を設けていますので、そこでタスクオーバーになっているものは他のメンバーにヘルプをお願いしたり、残業する場合は時間を決めて何をするかを必ず報告しています。
ークリエイティブの制作はタスク切り分けや時間管理が難しそうですが、どのように対処しているのでしょうか?
デザインチームの場合は、悩む時間の限界を設定することで生産性アップに取り組んでいるそうです。長い時間悩み続けるより、1案目を早く出して社内レビューでフィードバックをもらい、ブラッシュアップしていくようにしています。
▼社内で出されたアイデアは、執務室にあるデジタルサイネージに常に表示されている
コミュニケーションの場も、会社がつくる
ー時間管理が徹底されている分、社員同士のコミュニケーションが取りづらい印象もあるのですが、いかがでしょうか。
確かに業務時間内は各自のタスクに集中しているので、雑談は少ないですね(笑)。別のチームメンバーとコミュニケーションをとる機会も正直少ないのですが、弊社ではランチや飲み会の場を制度として設けて、普段業務で関わりのない社員とも交流できる機会を会社で用意しています。
毎回違うメンバーと1対1で話す機会をつくるペアランチ制度や、ホストになった人が好きなメンバーを3人指名できるシャッフル飲み会制度など、そこでプライベート話しをしながらお互いのパーソナリティを知るきっかけができます。
こういったコミュニケーションの場があると、業務上の会話もしやすくなりますね。
ー面白い取り組みですね!
あとは社内チャットで、各自の「今日のおすすめ」を共有して、就業時の報告で発表しています。おすすめする内容は何でもよいので、メンバーがどんなことに興味を持っているのか知ることができて面白いです。
わたしは先日、自分が読んだ本についてパワポで資料をつくってプレゼンしました(笑)。
▼美味しいご飯を食べるのも、楽しみの一つ
まずはやってみる、「すぐやる文化」
ーピクルス社が実践している「すぐやる文化」について教えてください。
出したアイデアはまずやってみる、という文化が社内にあります。さきほどの時短アイデアもそうですし、生産性向上に繋がるようであれば物品の購入なども柔軟に対応してもらえます。
最近ですと、メンバー全員に電気毛布を購入してもらったり(笑)。
ー電気毛布、ですか?
はい(笑)。オフィス内が冷えるので、温めようと服や椅子の間に手をいれちゃうとその分作業が止まって時間がもったいないよね、じゃあ電気毛布はどう?みたいな感じで。楽しんでアイデアを出しています。
他にも、読みたい本があればAmazonのお買い物かごに入れた状態でURLを代表に送り申請します。購入OKが出ればそのまま買い物かごから購入してもらえるので、購入側も処理の手間が省けます。
▼おしゃれなオフィス内には、多くの参考書やビジネス書が並んでいる
▼デスク周りも広々、エンジニアは曲面ディスプレイも採用している
オンオフのメリハリをつけた働き方で、社員全員が質の良いアウトプットを目指す
今回の取材で、北川さんが楽しそうに社内のお話しをしてくださるのが印象的でした。
単に残業はしない・生産性を上げろ、という押し付けではなく、仕組み化することでオンオフを明確にして、質の良いアプトプットへ繋げるための施策を実行されていました。
現在は従業員数13名の少人数精鋭で生産性の高いクライアントワークをされていますが、さらなるメンバーの増員や会社規模の拡大によりパワーアップしていくピクルス社に注目です!
(取材・撮影:HRsync)