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【アフガニスタン】食糧支援と人々の暮らしの様子

2020年から食糧支援を実施
アフガニスタンでの人道危機が過酷さを増している中、ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は今年8月からナンガルハール県にて食糧支援事業を開始いたしました。現地では、タリバンによる首都制圧から1ヶ月が経ったところです。未だ不透明な状況も多く心配もありますが、食糧を必要としている人々のもとへ安全に支援を届けるための準備を進めています。
PWJは、昨年9月から今年3月までの半年間もナンガルハール県にて緊急食糧支援を実施しており、現場スタッフは支援を必要とする人々のもとに足を運び続けていました。今回は、前事業を進める中で鮮明に見えてきた人々の暮らしについてご報告します。

ナンガルハール県では、今回のタリバンによる制圧以前から、20年にわたる紛争、人道アクセスの制限、頻発する自然災害、そこに加わったコロナ禍などさまざまな要因により、厳しい生活状況に追い込まれた人々が多く暮らしています。そこで、特に生活に困難を極めている約400世帯が、小麦、米、食用油、豆、塩、砂糖などの基本的な食糧を調達できるよう経済的な支援をしました。また同時に、コロナウイルスが広がる中で、予防のための健康セッションも行いました。

コロナ感染予防を呼びかける健康セッション(2020年10月)


支援対象の家族が購入した食糧(2020年11月)


女性の世帯には女性スタッフが訪問して聞き取りをします(2021年2月)

現場スタッフが聞くもどかしい人々の現状
事業実施中に現地スタッフが何度も人々の家を訪問して話を聞く中で、当初の想定をはるかに上回るニーズが存在し、この事業だけではそのすべてに対応しきれないという歯がゆい現状もより鮮明になってきました。

事業対象地域の一つはパキスタンと国境をわかつ山岳地帯に位置しており、ソ連侵攻の時代(1979年~1989年)から様々な武装勢力が拠点を置き、政府軍や米軍がその掃討のため軍事活動を行う激戦区となってきました。今回支援の対象となったAさんは、もとは家畜小屋として使われていた建物に暮らしています。2018年に「IS」がこの地域を攻めてきたときに当時の自宅を破壊され、それ以来この場所に避難して一家で住み続けているということでした。働き手である男性が怪我を負って以来、収入を得ることが難しく、彼らの台所には料理道具がほとんどありませんでした。

Aさんの家の台所

また、別の地域で支援した15歳のBさんの世帯は、極度の貧困状態に陥っていました。二年前、タリバンの影響下にあった彼らの地域で米軍が掃討作戦を実施した際、ただ家路を歩いていたBさんの父親と叔父は、米軍の無差別な空爆に巻き込まれ、負傷して亡くなったそうです。夫をなくしたBさんの母親は精神的にも衰弱して病気を患っており、2人の小さな弟と2人の姉妹のいるBさんの家族は周りに頼れる人もおらず、その厳しさは想像を絶します。本事業の対象地では、Bさんの家族のように、米軍や国際軍による被害も多く聞かれました。

このような治安悪化、慢性的貧困やコロナの影響はいまだに続いていて人々の不安は増しており、話を直接聞くスタッフも言葉を失うような厳しい現実がたくさんありました。彼らがこの冬を乗り切ることができるよう、私たちPWJは、現地NGOと協力して、ナンガルハール県での活動を続けてまいります。

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