「誰かがふさわしい場所に出会い、自分らしく輝き始める。その環境を整える“採用広報”という仕事に、これまでにないやりがいを感じています。」
人材会社での営業や、事業会社の採用担当を経験した広原さんが辿り着いたのは、企業の魅力を引き出す「採用広報」という道でした。採用支援から現場の人事実務まで、多角的に「採用」に向き合ってきたのちに、なぜOTOGIという舞台で新たな領域に挑戦しているのか。その情熱の源泉について伺いました。
広原真矢 / コンサルタント
神田外語大学卒業後、厨房機器メーカーに新卒入社。海外事業部で貿易実務・翻訳通訳に従事。その後、エン株式会社(旧:エン・ジャパン)に入社し、営業職として社長賞受賞。人材ベンチャー、個人事業主を経験後、スペシャルティコーヒー専門店を運営する会社にてバリスタと採用担当を兼務。2026年1月、株式会社OTOGIに入社。
「人は環境で変われる」——イギリス留学とNPO活動で芽生えたキャリアの原点
ーー翻訳・通訳業務やHR業界での営業、バリスタや採用担当など、様々な領域を経験されていますが、今の広原さんを形作る転換点となった出来事はありますか?
大学時代の1年間にわたるイギリス留学ですね。どちらかと言えば内向的な性格だったのですが、言葉も文化も違う場所で生活していく中で、ゼロから友だちを作り、行動次第で世界が広がっていく感覚を肌で感じました。
その後、新卒で入社したメーカーで海外事業に携わっていたのですが、仕事がルーティン化してしまい、その状況を変えたくて参加したのが、高校生の起業支援を行うNPO団体でした。そこで高校生たちがプロジェクトを通じて成長する姿を目の当たりにし、留学時に感じたように「人が変わる瞬間」を仕事にしたいという想いが強くなっていきましたね。
ーーその想いが、HR業界を目指すきっかけになったのでしょうか?
そうですね。NPOで出会った人たちには、大手人材会社でマネージャーを務める30代の層もいて、熱量と実力を両立させていたんです。
熱い想いを持ちながらも、ビジネスの知見を解決策へと変えていく。そんな人たちになりたいなと思いました。また、その手腕を前に、武器を持たない自分の無力さを思い知らされましたね。「やりたいことを持続させるには、実力がなければならない」という気持ちで、HR業界へ進もうと決めました。
1,000人の中で掴んだ栄光と、その先の景色。「本質的な成功」に向き合ったエン・ジャパン時代
ーーその後、エン・ジャパンへ入社されますが、そこでの日々はいかがでしたか?
NPOの現場で「想いだけでは何も変えられない」という無力さを痛感していた自分にとって、エン・ジャパンの掲げる「社会貢献性と利益の両立」という理念は、深く共感できるものでした。新卒スカウトツールのirootsというサービスに携わったのですが、売って誰も損をしないと思えるプロダクトだったんです。
学生にとっては自分の可能性が広がるし、企業にとっては厳選した優秀な層にアプローチできる。だからこそ、提供する側の私たちも自信を持って提案できる。善意をボランティアではなく、ビジネスとして利益を生み出すことで、その貢献がより大きくなるというこの感覚があったからこそ、自信を持って営業活動に打ち込めたのだと思います。
ーー社長賞も受賞されたと伺いました!
ベストプレイヤー部門で全社員1,000人以上の中から選ばれたことで、一つの自信になりました。当時は、自分を育ててくれた上司の期待に結果で応えたい想いが原動力となっていましたね。
ただ、実績を積み上げる過程で、いかにターゲットとなる学生に企業の魅力を正しく届けるかという「戦略」に面白さを感じるようになりました。例えば商社の採用であれば、従来のようなナビ媒体メインの母集団だけではなく、「総合職を志すようなアクティブさ×英語堪能な女性層」にピンポイントで届くような動線設計を考え、その出会いを創り出すかといった工夫です。
ーー勝ち筋を共に描く、パートナーのような立ち回りですね。
当時から徹底していたのは、市場・競合・自社の3軸で勝ち筋を見出す「3C分析」による提案でした。採用市場にどんな学生がいて、競合他社がどう動いているのか。その中で、クライアントだけの強みはどこにあるのか。そして、「御社が求めるのはこのターゲットですよね」と一緒に定義し直すプロセス。
この「企業の魅力を定義し、届けるべき人に届ける」という働きかけに、介在価値を感じていました。
ーーその後、一度HRの世界を離れてバリスタの道を選ばれたのは、なぜでしょうか?
エン・ジャパンの後は、会社の看板がなくても通用する実力をつけたいという理想があり人材ベンチャーに転職しました。しかし、結果を残せなかったことで自身の無力さを感じ、一度は人材の道を諦める決意をしたんです。
20代後半という節目もあり、愛してやまないコーヒーの道へ進むことを決めました。キャリアで自信を失っていたからこそ、理屈抜きに愛着を持てる世界で、また新しい道が見えるのではないかという自分なりの再出発でした。
価値観マッチの採用がもたらした現場の変化
ーー異業種となるコーヒー屋でバリスタとして働いてみて、いかがでしたか。
想像していた通り、コーヒーを淹れる技術を磨くことも、お客様との会話を楽しむ時間もとても楽しかったです。仕事としての面白さはもちろん、自分の「好き」を形にして手渡すことにもやりがいを感じていましたね。
前職は国内外から多くのお客様から愛されるブランドだったので、そこでの仕事に誇りを持って働いていました。
自分自身が満たされ、少し視野が広がったからこそ、今度はチームやお店、一緒に働くメンバーのことも気にかけるようにもなっていましたね。
ーー当時はどのようなフェーズでしたか?
これからも多くのお客様に愛さるブランドであるために、より組織作りに注力していくタイミングでした。ただ地方で創業したカフェだったこともあり採用は難航していました。
採用が一筋縄ではいかないという人材業界出身者としての視点。そして、バリスタとしての現場感。その両方を経験しているからこそ、何か役に立てるのではないかと思い「私が求人を書きます」と申し出ました。
そこからは、新卒・中途・アルバイトの採用業務を担うことになり、Wantedlyやnote、Instagramを活用して採用活動に取り組みました。条件の羅列ではなく、企業が大切にしている価値観を言語化し、そこに共感してくれる人を探していったんです。
ーーなぜ、「共感」を打ち出した採用活動を行ったのでしょうか。
まずは企業が大切にしている想いを共有し、ワクワクしてくれる方と出会うことが不可欠だと考えたからです。当時の組織に必要だったのは、一時的な人員補充ではなく、長く歩むことができる、いわば同志でした。
そして、バリスタとして現場に立つ中で、想いがなければ、お客様に感動は届けられないと痛感していたんです。コーヒーは、レシピを守れば一定のクオリティは保てます。でも、流れ作業のような意識で淹れてしまうと、お客様への細やかな配慮が抜け落ちたり、店舗の空気感も無機質になったりしてしまう。
目指しているのは、日常を豊かにする体験そのものだったので、ルーティンをこなすだけではなく、心から「お客様の日常を豊かにしたい」と願っているのか。そこに共鳴してくれる人を採用して初めて、組織を強くする採用ができると考えていました。
ーー採用の結果、組織はどのように変化したのでしょうか?
2年間で4〜50名を採用しましたが、最も嬉しかったのは定着率が向上したことです。価値観がマッチした仲間が集まることで、現場の雰囲気も良くなり、同じ方向を向いて働いているメンバーが増えました。
そして、その成果はお客様からの評価としても目に見える形で現れたんです。採用したメンバーが店長を務める店舗は、Googleレビューでの高評価をいただき、口コミの多くが「接客の良さ」に触れていました。
採用が現場を変え、接客を変え、お客様を幸せにすることでリピートにも繋がる。この循環が本当にやりがいでしたね。
ーー採用活動を行う中で、特に広原さんの心に残っていることを教えてください。
マネージャーの記事を公開した後のエピソードです。遠方に住む家族に記事を共有してくれたのですが、真摯な仕事ぶりを知ってお父様が涙したそうなんです。
遠くに住む親子が、記事をきっかけに再び対話を始めた。社外へのアピールだけではなく、社内メンバーの人生にポジティブな影響を与えられる。採用活動を超えた影響力の深さを知った瞬間でしたね。
「誰と、何を信じて働くか」——OTOGIで磨く、採用広報の本質と提供価値
ーーそのような経験がある中で、なぜ再びHR領域、そしてOTOGIを選んだのですか?
前職で「採用広報の力」を身をもって知ったからです。同時に、これを一社で終わらせるのではなく、もっと多くの企業、そしてHR業界全体に広めていきたいと思いました。そんな時、OTOGIが採用広報を事業の柱にしていることを知り、まさにやりたかったことの体現だと衝撃を受けたことを覚えています。
ーー現在の業務内容を教えてください。
主な役割はWantedlyの求人運用を軸とした、企業の魅力を最大化させるコンテンツ制作です。企画立案から始まり、代表や社員の方々へのインタビュー、記事執筆、デザインのディレクションまで、運用の成果を左右するあらゆる工程に関わっています。また、直近ではnoteを用いた採用広報支援にも注力しているところです。
▼OTOGIの業務内容はこちら!
【業務内容紹介】ただのWantedly運用代行ではない?成果の秘訣はマーケティング視点を持った運用にあった! | 株式会社OTOGI
ーー業務の魅力についても教えてください。
企業の魅力を定義し、誰にどんなメッセージを届けるべきかという、コンセプト設計から入り込める点です。
戦略段階から伴走することで、クライアント自身も言語化できていなかった強みを再発見し、組織の新たな資産として形にできる。さらに、その言葉が求職者に伝わり、「この会社で挑戦したい」という一歩を後押しする。組織の変革と、個人の人生の好転、その両方に介在できることにやりがいを感じますね。
ーー今のOTOGIの環境はどう映っていますか?
一番驚いたのは、議論の深さですね。
自分の担当ではない案件についても、まるで当事者のような解像度で情報をキャッチアップし、「このキャッチコピーはかっこいいが、求職者が本当に求めている情報か?」「この表現で、入社後の働く姿をイメージできるか?」などといった細かな違和感も見逃さないディスカッションが日常的に行われています。
個人の数字に閉じがちなHR業界において、ここまで全体で知見を共有し、向き合う文化は、他にはない強みだと感じます。
ーー最後に、広原さんがOTOGIで実現したいこと、そして今後共に働く仲間にメッセージをお願いします!
まずは、クライアントから「広原に任せて良かった」と言っていただける事例を作ること。そして長期的には、OTOGIというコミュニティが健やかに成長し、世の中に採用広報の素晴らしさを広めていく一翼を担っていきたいです。
良い採用が、誰かの人生を好転させる。そんな真実の力を信じ、リアリティを形にすることに妥協したくない。そんな想いを共有できる方と、これからの採用のあり方を一つひとつ創り上げていける日を楽しみにしています。