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東芝で「機械が身体の中に入る未来」を志向していた私が、「1人目社員」としてOLTAに飛び込んだ理由

福島 啓斗(ふくしま けいと)  / 情報システムチーム

死ぬ気で取り組んだ京大院での研究生活

大学の頃は、機械工学を専攻していて、計算力学の研究室に進み、生体材料を想定した力学的シミュレーションの研究をしていました。

大学院に進学する時には、「シミュレーションってなんだかちょっと机上の空論な気がする。自分はもっと実際的なことをしたい!」と思うようになり、実験系の研究室に進みました。

大学院の研究内容は、「プラスチックを身体の中に入れても大丈夫な様に加工する」というもので、背景には「身体の中に機械が入る世の中が来る」という考えがあり、材料的なアプローチでその未来に繋がるような研究が出来たらいいな、という思いがありました。

ただ、研究生活は本当に大変で、1年半思うように結果が出ず、実験に失敗し続ける毎日でした。大学院修士課程は通常2年で修了するカリキュラムなので、「このまま結果が出なかったら卒業出来ないんじゃないか……?」と不安になりながらも、「死ぬこと以外は誤差だ! 取り返しがつく。この世の中でただひとつ命のことだけが不可逆だ」という精神が培われました。


(学生時代に無人島に行ったときの思い出の1枚。(左側))

キャリアの「やりがい」と「自己矛盾」で揺れた東芝時代

就職は大学院のときの考えを引き継ぎ、「身体の中に機械が入る世の中」に繋がるようなことができる企業というのを軸に、当時医療事業を成長の柱としていた東芝に入りました。

国内のメーカーで、ハードウェアとソフトウェアの両方の技術を持っていて、なおかつそれが世の中に広く出回っている、というのも選択のポイントでした。

ただ、幸か不幸か、当時経営状況が芳しく無かったらしく、配属が決まった事業所が売却されたり、子会社化されたりを繰り返し、あれよあれよというままに、気がついたら原子力機器を作っている部署の管理会計を担当していました。エンジニアで入社したものの、管理会計の部署に配属されて、管理会計をやってました。

当時の僕は「まいったな、どうしたものか」と思いつつも「この状況は、(我が事ながら)再現性がなくて面白い」とも思う自分もいました。だって同じバックグラウンドを持っていて、自分と同じようなことやってる人間は、いなかったですからね!「これはレアな経験を積むことができる」と思っていました。

業務自体は新鮮で楽しかった一方で、ふと気がつくと「自分が本当にやりたいことなのか」「今のキャリアの続く先に、自分の望む未来が来るのか」「それを手繰り寄せられるのか」と問いかける自分がいて、やはり自己矛盾がありました。

(これは特に強調したいことなのですが、会社に対する恨みとかは一切なく、感謝しかありません。今でも日に一度はロゴを目にするような会社に所属していたことは、僕の誇りです)

出逢いはyenta。運命のマッチング

(品川のカフェではじめてOLTAのメンバーに会ったときの1枚。(左から福島、代表澤岻、CTO高家、撮影は取締役武田))

自己矛盾に悩んでいた僕は、「組織は個を鑑みない、個が個を鑑みる」という考えの下、とにかく色々な人に会うようにしていました。

そして運命の日。2017年5月某日。当時始めたばかりだったyentaで、代表の澤岻とマッチして、「君のプロフィールが面白いからぜひ会ってみたい!」とメッセージを頂きました。返信をしないままその日の夜を迎えたら、日付が変わる頃にCSOの武田から「yentaで澤岻という者とマッチしたと思うんですが、(中略)私と君は同じ大学のよしみ。ぜひ3人で会っていただけませんか?」とFacebook経由でメッセージが届き、機知に富んだメッセージに心を打たれ、すぐに「ぜひ!」と返信しました。

品川のカフェに行くとCTOの高家もいて、4人でランチイベントが発生。

「4月に創業した会社なんだけど、ちょっと週末手伝ってみない?」とお誘いを受け、その週の週末から毎週お手伝いをさせて貰っていました。

7月は本職の長期休暇に重ねるように、手持ちの有給休暇をほぼすべて突っ込んで、当時OLTAが採択されていた、MUFGのスタートアップ支援プログラム、ジタルアクセラレータの準備に没頭していました

10月にOLTAは資金調達を果たし、「正式に社員として働かないか?」とオファーを頂きました。僕自身としては、

「ベンチャーだけど、資金調達もしたし、これなら2年は生きていける!」

「管理会計で1億円のコストカットを目的に仕事をするよりも、5億円で事業を立ち上げることを目的に仕事をしたい」

「このメンバーなら大丈夫だ!!」

という確信とともに入社を決め、12月に晴れて一人目の正社員としてOLTAにジョインしました。

(入社当初にボードメンバーと焼き肉に行ったときの写真)

クラウドファクタリングは『未来の時点では当然となっている』性質のもの

クラウドファクタリング事業の構想(当時はまだ構想でした)を聞いた時点では、「ああ、これは助かる人が多そうだな」と思いました。仕事は完了して、納品まで終わっているのに、手元のお金が足りないから事業を継続することが出来ないというのは、とても悔しいことだと思うのです。「このサービスがあればきっとそういった方々の助けになる」と思いました。

また、「未来方向から見たときに、当然のように普及している世の中が来る」という予感が自分の中に生まれました。これは「機械が身体の中に入る未来」と同じ性質のものだなと。

OLTAに転職する前、東芝に在籍していた時に僕のやっていた管理会計というのは、いわば未来を予測する仕事で、未来を予測するというのはどういうことかというと、「鉄砲を初めて手にしたときに、それがどういう性質か正確に見抜くこと」だと思っているんです。

弓が主流の時代に、鉄砲が目の前に現れたとして、弓にこだわってしまったら、(もし弓にこだわるという決断をトップが踏んでしまったら)組織としては死んでしまうんです。

個人レベルでは弓にこだわりたい気持ちは痛いほどよく分かるんですけれど、それではいけない。僕の中では、「鉄砲が目の前に現れたときに、自分は果たしてそれが『未来の時点では当然のこと』と見抜くことができるのか」という自問があって、クラウドファクタリングの事業を聞いたときに「なるほど、これは、『世の中に対して新しい手段を提示する』『未来の時点では当然となっている』性質のものだな」と思ったんです。

何でも屋から情シスへ

一人目の社員だったので、力が足りないなりに、何でもやらせてもらってました。お客様対応、業務フローの設計、オペレーションの構築、CRMやCTIの導入など。

(オフィスの配線工事の作業をしている様子)

最近は銀行との提携も始まり、これまでよりも更に堅牢なセキュリティ体制を構築する必要があり、情シス稼業を中心に担当させてもらっています。例えば、OLTAでは業務にあたって様々なSaaSを利用しているのですが、それらは基本的にはクラウドサービスなので、何も対策を講じない状態だと、従業員は何処からでもアクセス出来る状態にあります。ただし、この状態は便利な半面、セキュリティの観点からは望ましくありません。なので、セキュリティ向上のためには、例えばサービスごとにログを取得できるようにして、怪しいアクセスがあれば遮断出来るように設定したり、業務サービスを利用できる端末を制限したりといった対策を講じる必要があります。そういった、従業員が安心、安全に働くことができる環境を整える、といったことをやっています。

セキュリティの向上というのは、お客様の安心にも直結することなので、とても重要な仕事だと考えています。施策の実現に及んでは、社内のいろいろな部署の人に説明し、サポートするといったことが必要なのですが、部署横断的な働き方が結構性にあっていて楽しいです。ゆくゆくは極めてモダンな、界隈でもモデルケースとなるようなセキュリティ体制や、業務システムを構築したいという欲があります。

こんな人と働きたい

手繰り寄せたい未来に共感できる人。よく笑う人。正々堂々頑張る人。

「結果の出ない努力はただの言い訳だ」という前提が自分の中にあるのですが、これは結構厳しい考え方で、その前提だと多分80点は取れるけれど、80点キープに留まってしまう。そこから上は目指せないな、と思ってるんです。ポテンシャルとしては、本当はもっと理想に近いことが出来るけれども、最低限のことを満たせばよいので、これではそこから上を目指せない。

僕は心根がものづくりの人間で、「SaaSビジネス!」「ビッグサクセス!」と持て囃されるような、濡れ手に粟に見えがちな成功のあり方がそんなに好きではないんです。地味でしんどい千万の積み重ねの末に、やっと世の中に出る一つが生まれる、という考えの人間なんです。

千万の積み重ねって、本当に辛いんですけど、それを前向きに「やってみよう!」「次だ次!」と朗らかに笑って取り組んでいたいのです。

そういう、花に水をあげることすら楽しめる様な人が一緒に働いてくれると嬉しいです。

そうすればきっと、100点を理想に置いたところから、そこを更にひとつ飛び越えた、120点を取ることができる思うのです。

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