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毎週30万人がお買い物するアプリをどう進化させるか?── Oisixのアプリエンジニアとして働く面白さ
選りすぐりの食材やミールキットなど、毎週1,500商品以上を提供する食品宅配サービス『Oisix』。定期会員は約37万人(2024年6月末時点)にのぼり、その半数以上がスマホアプリを利用し、毎週のお買い物をされています。
2015年から提供が開始されたOisixのスマホアプリですが、2024年には100万ダウンロードを突破。Oisixの全体の売り上げの約6割がスマホアプリ経由となり(2024年6月末時点)、サービスに不可欠な存在となっています。
お客さまによりよいお買い物体験をお届けするため、Oisixではスマホアプリのさらなる進化に力を入れています。開発や運用にあたって、どんなことを意識しているのか。モバイルセクションのマネージャー、大薗政伍さんに話を伺いました。
家族が喜ぶプロダクトを手がけたい
── はじめに、大薗さんご自身について伺いたいと思います。オイシックス・ラ・大地で働くことに興味をもった理由を教えてください。
大薗さん:
ソフトウェアの受託開発企業を2社経験した後、日々の食事を記録して健康管理ができるアプリを提供するベンチャー企業で、Androidエンジニアとして働いていました。前職では、開発だけでなく、プロダクトマネジメントにも携わらせてもらっていました。
前職での仕事は充実していたものの、「食や健康の分野で提供できる価値をさらに広げ、より大きなインパクトが出せる環境でエンジニアとして貢献したい」という思いが強くなり、転職を検討するようになりました。
その点、オイシックス・ラ・大地は食の生産からお客様の食卓に届けるまで、幅広い領域で事業を展開しています。食や健康に関するさまざまな課題解決に向き合える環境が整っており、ソフトウェアへの期待も高い。ここでなら、エンジニアとして面白いチャレンジができると感じました。
── 入社の決め手として、ご家族が喜んでくれるプロダクトだったことも大きかったと伺っています。
大薗さん:
そうですね。実際にOisixで商品を注文してみたところ、そのおいしさに驚きました。特に初めてニラを食べたときは、妻と一緒に感激したことを覚えています(笑)。今ではOisixはすっかり我が家に定着していて、子どもたちもOisixの段ボールが届くのを毎回楽しみにしています。
家族が自分の仕事について理解してくれているほうが嬉しいですよね。家族からの応援も力になりますし、自分としても働きやすいです。職場選びの基準として、「身近な人が喜んでくれるプロダクトを手がけたい」という思いもあったので、そういう意味でもオイシックス・ラ・大地は自分にとってふさわしい環境です。
30万人の毎週のお買い物を支えていく
── では、ここからアプリエンジニアの仕事について伺いたいと思います。まず、Oisixアプリの概要について教えていただけますか?
大薗さん:
Oisixでは創業した2000年当初からPCで注文するお客さまが多かったのですが、2015年頃からスマートフォン経由の注文がPCを上回るようになりました。
特に、Oisixのお客さまには働きながら子育てをされている方が多く、通勤中などの隙間時間にご利用いただくケースも少なくありません。こうしたお客さまのライフスタイルにおいて、いつでもどこでも利用できるスマートフォンは非常に相性が良かったのだと思います。
こうした背景から、2015年にiOSアプリを、そして2017年にAndroidアプリの提供を開始しました。
Oisixでは4,600品以上の食品を常時取り扱っていますが、カテゴリー機能や検索機能を使って、商品を素早く簡単に見つけられるようになっています。また、プッシュ通知を活用して、タイムセールの開催情報や注文締切のリマインドなどもお知らせしています。
── 現在、Oisix全体の売り上げの約6割がアプリ経由とのことで、多くのお客さまにご利用いただいているようですね。
大薗さん:
はい。最近ではサービス全体としても、アプリの利用を積極的におすすめしています。現在、スマホアプリのアクティブユーザー数は約30万人にのぼり、Oisixの定期会員数が約37万人ですので、ほとんどのお客さまにご利用いただいている状況です。
また、Oisixでは木曜日を基準に、週単位で購入と配達が行われるため、WAU(週次アクティブユーザー)とMAU(月次アクティブユーザー)の差が小さいのが特徴です。30万人規模のお客さまに毎週利用されるアプリの開発に深く関わることができるのは、エンジニアとして責任感とやりがいを感じますね。
iOSとAndroid、ワンチームで開発を行う
── Oisixのモバイルセクションでは、どのような体制でアプリ開発を行っているのでしょうか?
大薗さん:
現在、社員は私を含めて2名で、業務委託の方が4名という構成です。チームの特徴として、iOSとAndroidの開発メンバーが1つのチームにまとまっている点があります。
一般的に、アプリ開発の現場ではiOSとAndroidで処理の違いが発生し、テストでズレが判明して調整が必要になることがあります。その点、Oisixでは毎日の昼礼などを通して密な連携を図り、懸念点があれば早い段階で話し合って解決できるため、スムーズに開発を進めることができます。
── とはいえ、iOSとAndroidは技術体系が異なるので、お互いの技術について理解を深める必要はありますよね?
大薗さん:
そうですね。私自身もこの会社で働くまではAndroidを中心に仕事で扱ってきたので、iOSについてはイチから学び始めました。iOSの開発経験がないまま、モバイルセクションのマネージャーにつきましたので、最初のうちは慣れないことが多くありました。
ただ、iOSの領域を学ぶことで、アプリエンジニアとしての視野は確実に広がったと感じています。iOSにはiOSならではの強みがあります。それを業務を通じて実体験として学べたことはとても良い経験になっていますね。
── 大薗さんはモバイルセクションのマネージャーをつとめていますが、コードを書いたりもしているんですか?
大薗さん:
いえ、基本的にはマネジメント業務が中心です。プロジェクトマネジメント、技術選定やプロセスの標準化、効果測定、ドキュメント作成などが主な業務になります。最近はコードを書く機会は減っていて、プログラムとの関わりとしてはコードレビューやコードリーディングがメインですね。
ただ、意思決定のための効果測定や情報収集の際にはSQLを書くことが多いです。アプリのUI変更などを行った際には、しっかりと効果検証をしたいと考えているので、そのデータ収集のためにSQLを使っています。
高い技術力をもって、感動を届けたい
── スマホアプリの進化がOisixでの買い物体験向上に欠かせないと思いますが、アプリ開発チームが現在向き合っている課題は何でしょうか?
大薗さん:
進化を支えるための土台として、まずは開発環境の整備が必要だと感じています。
私は2年前に入社しましたが、システムの裏側を見ると、特にiOSでは抜本的なソースコードの整理が行われないまま、機能追加を重ねている状況でした。経験豊富なエンジニアでも読み解くのに苦労し、機能追加を行うと不具合が発生することも珍しくありませんでした。
さらに、テストやリリース作業の自動化など、開発プロセスの整備も追いついておらず、朝起きるとまず不具合報告がないかをチェックする日々を送っていました。現在はチームメンバーの尽力もあり、かなり改善されましたが、それでも数年前から潜んでいた不具合が発見されることもあります。
これらの課題は、Oisixが急成長してきた証でもありますが、技術的な課題はまだ山積みです。一つ一つの課題を紐解きながら、アーキテクチャやコーディング規約などの開発に関するガイドラインを整備し、チーム全体で共有していくことが必要だと考えています。
── 土台を整備しながら、今後、Oisixアプリをどのように発展させていきたいと考えていますか?
大薗さん:
Oisixアプリの役割は、お客さまに快適なお買い物体験を提供することですので、その体験を最大限に引き出せるように進化させていきたいと考えています。
現在、AppleやAndroidのプラットフォームが提供する機能のうち、ごく一部しか活用できていません。たとえば、アクセシビリティの充実など、いつでもどこでも、どのようなお客さまに対しても、Oisixの価値を実感していただけるようにしていきたいですね。
スムーズなお買い物体験といった基本的な期待に応えるだけでなく、アプリを通じて「楽しさ」「驚き」といった感動を、高い技術力をもってお届けしていきたいです。
エンジニアリングで新たな価値を創出したい
── ずばり、アプリエンジニアとしてOisixアプリ開発に携わる魅力は何でしょうか?
大薗さん:
個人的には、入社理由とも重なりますが、自分の家族にとって欠かせないプロダクトの発展に携われることが最大の魅力です。
たとえば、朝ごはんをなかなか食べなかった長男が、Oisixの海苔を使っておにぎりを作ったところ、自分から進んで食べるようになりました。我が家の子どもたちは、おいしいものを食べると「これもOisix?」と聞いてきます。
Oisixはこのように素晴らしいプロダクトですが、ソフトウェア面では技術的な課題が山積みで、システムの基幹となる部分を新たに構築している段階です。Oisixというサービスを後世に残していくための重要なフェーズに、エンジニアとして深く携われていることに、大きなやりがいを感じています。
また、弊社のプロダクトはOisixだけでなく、『らでぃっしゅぼーや』『大地を守る会』といった他ブランドも展開しており、それぞれがソフトウェアの力を活かして新たな価値を創出する可能性を秘めていると思います。そのため、長期的にもエンジニアとして飽きることなく働くことができると考えています。
── 最後に、どういう人にモバイルセクションに加わってもらいたいですか?
大薗さん:
オイシックス・ラ・大地の企業文化として『ORDism(オーディズム)』という7つの行動規範がありますが、その共通項として「挑戦」が挙げられます。ミッション達成のために正しいと信じられる方法であれば、積極的にチャレンジしていく風土がある会社です。
アプリ開発の現場には、先ほども説明したように、まだまだ整備が追いついていない部分もあります。ですが、プラスに捉えれば、新しいことに挑戦するにはうってつけの環境でもあります。
最新の技術を試行錯誤しながら、より良い体験をお客さまに届けるためにエンジニアリングの力を発揮したい。こうしたマインドを持っている方と一緒に、Oisixのアプリをさらに進化させていけたら嬉しいですね。