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こんにちは。ナンバーナインの取締役CXO・小禄(ころく)です。
このストーリーでは、2020年9月4日に開催したナンバーナイン5期目キックオフにて、代表の小林が社内のメンバーに向けて行ったスピーチを編集したnoteをご紹介します。
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はじめましての人もそうでない人もこんにちは!漫画大好きっ子36歳。ナンバーナインの小林です。
今日は新しい会社の「ミッション」について語りたいと思います。なぜならば、ナンバーナインは5期目のタイミングで会社の「ミッション」を変更するからです!
ただその前に、こういった話を初めて聞くメンバーも沢山いるため、まずナンバーナインについて話そうと思います。
そもそもなんで社名がナンバーナインなのか?
これはルーブル美術館で、漫画が「9番目の芸術」と認められた所から命名しています。その他の芸術は、絵画だったり、音楽だったり、あとは演劇だったり、色々な芸術があるんですが、いま世界で一番新しい芸術が「漫画」だとルーブル美術館が言っているんです。
フランスには芸術に順序があり、第1から8までは順に「建築」「彫刻」「絵画」「音楽」「文学(詩)」「演劇」「映画」「メディア芸術」とされています。(諸説あり)
日本では「漫画は文化」だと思います。漫画を読まないで育った人はいないんじゃないかっていうくらい、日本では漫画を手に取って読む機会がすごく多いと思うんです。
それでも、日本では映画や小説(文学)と比べると、漫画のほうが位・価値が低いと思われている風潮があるそうです。文芸・文学は高尚なものとして扱うけど漫画は大衆向けの商品として軽んじている人が未だにいるという話もたまに伺います。漫画ほど老若男女問わず親しまれているエンタメはないのに。
だから、僕らナンバーナインは漫画の価値を高めていこうと。
「漫画を読んで、人生が変わった!」と声を大にして言う人を、もっと増やしたいんです!僕がまさにそうですし、おすし。
ルーブル美術館は芸術と言ったけど、漫画の価値を高めていった結果だと思っているので、さらに高い価値にしていくという思いを込めてナンバーナインという社名にしました。
社名の由来を話したところで、そろそろ本題であるミッションの話に戻したいと思います。
ナンバーナインのいままでのミッションは「漫画で人々の人生を豊かにする。」でした。そしてそのミッションを実現させる為に「技術(スキル)と魂(ソウル)で漫画(コミック)の価値(バリュー)を最大化(マキシマイズ)する。」というビジョンを設定しています。
実はここをずっと考えていました。さっきも言ったとおり、ナンバーナインという社名にしたのは、漫画を芸術にしたい訳じゃなくて、漫画の価値を高めていきたいからです。では、漫画の価値を最大化していくにはどうすればいいのか?
何度も何度も色々と考えた結果、漫画の価値を最大化するにはシンプルに漫画を読む人・漫画に触れる人を増やしていく事だと思ったんです。
まず漫画を届けていく。
漫画の価値を最大化する為には、すべての漫画をすべての人に届けていく必要があるのではないかと考えました。
そこで、ナンバーナインが5期目以降に掲げるミッションを「すべての漫画を、すべての人に。」に変更することにしました。
ただしこのミッション、これがいまナンバーナインにできているかというと、できていません。むしろ、できていないからこそミッションにしました。もっというと、いまはすべての漫画を、すべての人に届ける前のフェーズだと認識しています。
何事にも現実と理想があります。大きな理想を掲げる為には足元を固める必要があります。いまはまだ、すべての漫画をすべての人に届けられていません。だけど、僕らは最終的に「すべての漫画を、すべての人に。」の気持ちで届けていきたいと思っています。
会社の売上がしっかり出てくると「そんなに売上が無いし、正直コストに似合わない。でも僕らのミッションの為にやっていこうよ」って言える事も増えてきます。理想を実現出来るようになります。でも今は難しい。「ナンバーナインで働いてくれるみんなの給料を上げていこう」とか「もっと会社を成長させていこう!」って時に、正直売上に直結しない事はなかなかやりにくい。そりゃそうだ。
でも最終的には「すべての漫画を、すべての人に。」というミッション実現のために最善を尽くせる組織にしていきたいと考えています。
すべての漫画を、すべての人に届けていくためには、いままでどおりやっていてもだめ。では、どうするか。その点についてお話しします。
変えるのではなく広げていく。
例えば紙の漫画を読む人は絶対いなくなりません。その前提は置きつつ、僕らナンバーナインとしては、「デジタルで漫画を読んでいこうよ」という姿勢がすごく強い会社です。
ナンバーナインで働く人にはデジタルで漫画を読む習慣をつけて欲しいので、「今月の電子書籍」という福利厚生の取り組みをしています。でも、どれだけ僕らがめちゃくちゃ大きな影響力のある会社になっても、紙の漫画を読む人は絶対いなくならないんです。むしろ僕も、ナンバーナインのメンバーも、ほとんどが紙で漫画を読んできた世代なのでこの文化はずっとなくならないでいてほしいです。
※ナンバーナインには、毎月2,000円まで自分の好きな漫画を電子書籍で購入する費用を会社が負担する制度(福利厚生)があります。
だけど、紙の漫画を読む人がいるのと同じ様に、デジタル・電子書籍で漫画を読む人も増えてきます。もっと言うと10年後は電子書籍ではなく、YouTubeで漫画を読む人たちが増えてくるかもしれない。
もしかすると違うデバイスで読むのかもしれないし、分からないけど脳を電脳化して脳の中で読むのかもしれない。そんな未来があるかもしれない。(『攻殻機動隊』が大好きです。「ネットは広大だわ……」)
だから、すべての人たちに漫画を届けていくために、既存の方法だけでなく色々な方法で届けられるようにすることが必要なんじゃないかと思ってます。
僕らが掲げている「すべての漫画を、すべての人に。」の「すべて」には、インディペンデント系(個人で創作活動している)の漫画家さんが含まれます。もちろん漫画家さんからの要望があれば、漫画家さんの過去の作品も預かりますが、商業誌や同人誌といったくくりに囚われることなく、インディペンデント作家さんの作品も含めたすべての漫画を扱っていきます。
※漫画家さんが個人で活動するフィールドが広がっていくことは、不可逆的な流れであると考えています。そして漫画家さんが個人で、独立して活動していく事を「インディペンデント活動」と名付けました。
そして、すべての人に届ける為には「漫画の形」「届け方」「施策」を広げていかなくちゃいけない。そういう意味も含めて、ミッションを「すべての漫画を、すべての人に」に変えました。
また、今回のミッション変更に合わせて、新たなキャッチコピーを掲げることにしました。
「漫画をもっと、解放する」
これは、いま漫画が解放されてないって訳じゃないです。解放されているけど、もっと解放していこうよ、という事です。
漫画家さんが一人で良質な作品を生み出し続ける独自のサイクルを作り出し、より簡単に動画漫画化したり、企業とコラボレーションできるようにしたり、漫画の価値を最大化するために、漫画をもっと、解放する。
漫画をすべての人に届ける為には、さっきも言ったとおり色々なやり方があると思います。
具体的に言うと、例えばナンバーナインとして推進していきたいのは「IPオープン化計画」です。
昔は漫画をタイアップしようとすると、どうしても大きな企業と有名な作品とのタイアップしかありませんでした。でも、街の小さなパン屋さんが『異世界行ったら、すでに妹が魔王として君臨していた話。』とコラボしてもいいじゃないですか!宮崎の小さい商店街と『アイとアイザワ』のコラボがあっても良いじゃないですか!?
※ナンバーナインのサテライトオフィスである「日南デジタル漫画ラボ」は宮崎県日南市にある油津商店街の中にオフィスを構えています。
「そんな所に何人が来るんですか?」「費用対効果はいくらなんですか?」という話をするんじゃなく、まず小さくやってみようよ。もっと漫画を身近なものにして、もっと漫画を解放してみようよ。そんな気持ちで掲げています。
ナンバーナインは、IP活用のハードルを下げ、その結果として一人でも多くの読者を生みだしていきたいと思っています。そのために何をすべきかについて、考え抜こうと思います。
例えば漫画を届ける方法にしても、漫画を読むっていうのもあるけど、ペットボトルのラベルに漫画のキャラが描いてあったら、それはその作品を届ける事に繋がっているんじゃないかと。そう思うわけです。
すべての人類に漫画を読ませる事は不可能かもしれない。でも、すべての人類に漫画を届けていく事はできるんじゃないか?
その為に、もっと漫画を解放していきます。解放というのは、見え方・読み方を変えたり、広げていったり、更には届け方も変えていく事です。
最後に
ナンバーナインは5期目から「すべての漫画を、すべての人に」という新しいミッションを設定し、その為にスローガンを「漫画をもっと、解放する」に設定します。
漫画家さん個人ではやりきれなかった作品の価値の最大化を実現させるエコシステムの構築に挑戦します。
数百万部、数千万部を超えなくても、面白い取り組みが実現する。
そんな世界を作る為に、ナンバーナインは、漫画をもっと、解放していきます!!
代表取締役社長 小林 琢磨
https://twitter.com/takuma828