*この記事の登場人物
■菅原 要介
株式会社SHIFT 上席執行役員 兼 ビジネストランスフォーメーション事業本部 本部長 兼 人材戦略統轄部 統轄部長
<略歴>
慶応義塾大学大学院 理工学研究科修了。株式会社インクス(現:SOLIZE株式会社)に新卒入社し製造業コンサルティングを経験後、2008年SHIFTに参画。品質保証事業を本格化する折に、大手Web制作会社QA部隊の組織化コンサルを手がける。その後、新規事業の立ち上げを経て、ビジネストランスフォーメーション事業本部全体の統轄に加え、採用・人事施策・人材マネジメントなど、SHIFTグループ全体の人事領域を管掌している。
SHIFTではバスケ部の他、トライアスロン部に所属するが、「最初は10mも泳げないところからスタートした」という鉄板のエピソードをもっている。Bリーグの推しは「宇都宮ブレックス」。
SHIFTの人事が目指しているところは?
山村 菅原さん、本日はよろしくお願いいたします!
菅原 よろしくね。
山村 今日は、SHIFTの人事について伺っていきたいのですが、単刀直入に、ずばり目指しているところはどこでしょうか?
菅原 それは、「No.1の人事」「日本で一番強い人事」というところだね。SHIFTの人事の醍醐味は、経営者が「人事が大事だ」と理解していること。
社長の丹下さんもよく言っている。「人事大事ですよね」と。やっぱり会社を伸ばしていくときの両輪だから。
採用もそうだし人事施策を考えたり。そこのNo.1、めちゃくちゃ強い人事をつくっていく。それがこれからの数年で大事かな。
山村 No.1の人事、ですか。
菅原 「強い」とか「No.1」ってちょっと抽象的なんだけど(笑)
SHIFTをもっとも「入りたいと思う会社」にしたいんだよね。採用力・人材獲得力もそうだし、フラットな社風、働きやすい環境もそう。それを構成するのが人事だと思っている。
今のSHIFTでは、売上高1,000億円を目指す「SHIFT1000」を掲げていて、そのときの会社の姿って、従業員数は1万1,000人。これが意外とすぐくる。4年後。さらに10年後には3,000億円で従業員数3万人、もしかすると5,000億円、1兆円企業になっていて。
人事はそこを見据えて、今から採用含め、環境を整えていく。逆算しながら、先んじてやっておく。
こんなふうに、SHIFTは日本一と言ってもいいくらい急成長している会社だから、支える人事、自分たちもレベルアップしていかないといけないよね。場合によっては、人事のなかでも優秀な方が「ああ、SHIFTの人事に入りたいな」って思ってもらわないといけないから、そういう人たちが集まるような環境をつくっていかないといけない。
山村 今でも、SHIFT全社でさまざまなバックグラウンドの方がジョインしてくれていますよね。
菅原 そうだね。
例えば、大手SIer出身のPM、アカウントマネージャーもそうだし、トップコンサルタントの方から、他社で執行役員クラスだった方まで。最近だと、外国籍の方の入社も増えてきているよね。
SHIFT1000を達成したときは、日本人のエンジニア約100万人(※1)のうち、1%がSHIFT在籍していることになるけど、例えばもっと優秀なエンジニアの方が海外にいて、完全在宅でも採用できる、となるなら、世界中のエンジニアがターゲットになるかもしれない。
とはいえ、急成長しているがゆえに、まだ「テストの会社」と見られがち。DAAE(※2)の文脈もそうなんだけど、SHIFTがプロダクトの品質だけではなくて、ユーザーから見た品質もそうだし、開発のやり方、ビジネスのつくり方も支援できる会社になってきている。そのために、DXのコンサルもいれば、ITコンサルもいるし、フルスタックエンジニアもいる。
こういったところって意外と知られていないから、「あ、自分のポジションってあるんだ」って思っていただける方ってまだまだいるだろうし、こういった転職潜在層へのリーチはこれからだね。
ジョインする方が人生を懸けてSHIFTにくる理由をつくらないといけないし、それがあるような事業体に。
山村 そういった優秀な方やスペシャリティのある方が採用できると、事業がさらに拡大・加速する、そしてさらに優秀な方にジョインいただける、という好循環になっていると思いますが、新しい領域においては、どうやって採用したらいいのか?っていうチャレンジや生みの苦しみもあったりするのでは、と思います。
菅原 そこは事業とセット。
SHIFTとしては、入ってくる人が人生を懸けてSHIFTにくる理由をつくらないといけないし、それがあるような事業体にしていかないといけない。例えば、最近セキュリティのエンジニアで、元外資系ベンダーI社で、めちゃくちゃ優秀な方がSHIFTに決めてくれたんだよね。理由は、「今までのセキュリティベンダーだとできないことに対して、SHIFTは業界を変えるかもしれないという期待感があった」から。
今のコンサル部長も、社会人になったときにもっていた志「ITで世界を変える」っていうのを、SHIFTで取り戻そうとしてきてくれている。こういった、「業界を変革する」「チャレンジしていく」っていうことが、新しい事業が増えていったとしてもSHIFTの根底にある。
「なぜやるのか?」これは人事だけじゃなくて、事業と一緒にやっていくっていうのはあるよね。
山村 まさに、事業人事が入り込んでやっているところですね。
菅原 だね。
ともすると、事業を伸ばしたい事業側と、人事側とって、独立する傾向にあるんじゃない?と思っていて。一般的に。でも、事業人事なら、同じ経営視点で事業側のことを考えて、売上を伸ばしていく、事業を成長させていく、っていう視点に立てるから、そういったチャレンジをしたい方はめちゃくちゃハマるよね。事業もどんどん大きくなっていくから、その人事の役割はめちゃくちゃ多岐に渡るし、ポジションもたさんあるから、そこをやりたい方はすごく面白いと思う。
SHIFTの考えるダイバーシティ。根底にある「やりがいと報酬」
山村 「環境」「外国籍」というワードが出てきましたが、ダイバーシティについてはどのようにお考えでしょうか?
菅原 女性活躍、とかよく言われるけど、女性だから云々、という切り口ではなく、その役割に素養がある、優秀な人がつくべきだと考えている。年齢・国籍・性別問わず、優秀な方が活躍できる環境を整えたいと思ってる。
何かがネックになって入社できない、活躍できない、ということがあるなら、そこを取り除いていくことで、ダイバーシティが実現できると考えている。それが時間でも言語でも。例えば、社内ポータルで日本語以外の言語を選択できるようにする、とかね。
そういったことを整えて、活躍できる環境を用意したうえで、やはり基本は「やりがいと報酬」。
やりがいとして、面白い仕事、事業もつくるし、環境もつくるんだけど、報酬もセットにして、公平に評価されるやり方にしていく。これがベースにあって、環境をつくって、そうするときてくれる人が増える。集まりたくなる。
グローバルってだけじゃなくて、例えば「地方だから年収が低い」っていうのも、壊したい。同じ仕事しているんだから、同じ給料をもらうべき。そういう選択する人が増えて、結果地方で採用できればいい。
フルスタックエンジニアでも、ベトナムでアサインされている方が、単価300万円くらい取ってやってくれているから、究極的には日本人と同じ年収でいいじゃん。現地でいうと10倍くらい年収違うから(笑) それって豊かだよね。
あと…これはちょっとひねくれている考え方なのかもしれないんだけど(笑)
山村 なんですか?(笑)
菅原 ここまで話しておいて何なんだけど、「ダイバーシティ意識しています!」「SDGsやってます!」ってアピールする気はないんだよね(笑)
山村 !?(笑)
菅原 例えばだけど、「SDGsが大事だから!」って全項目潰していくことは意味がないじゃん?普段SHIFTがやっていることのなかで、それがどれだけのことなのか?というただの答え合わせ。結果、事業成長とやりがいと報酬を考えたら、たまたまそうだった、ってことだと思うんだよね。
山村 なるほど、本質的ですね。そうすると、アピールするというよりは、単純にSHIFTが取り組んでいることをもっと知っていただきたいですね。こういった環境だよ、っていうことを。
菅原 そうだね。人事はまだまだそういった社外への露出や情報公開が少ないと思うし、他社との交流がもっとあってもいいよね。
山村 確かに、人材紹介エージェントさんと話していると、「SHIFTさんってタレマネ自社開発してるんですか?!」って驚かれます(笑)
SHIFTが独自開発しているタレントマネジメントシステム「ヒトログ」
菅原 ね(笑) 意外と当たり前にあることも、実は他社から見たら魅力的に映ることもあるかもしれないから、そういった観点でも情報はどんどん出していきたいね。
山村 そうですね。直近だと、全社イベントをオンライン、今回はVR空間で実施しましたし、
人事企画と広報とが連携して行っている社内ブログ「You are👍Awesome!-そんなあなたは素晴らしい-」という褒め褒め企画もありますね。(※3)
SHIFT史上初となるVR空間での実施。約1,000人が参加した。
毎週、活躍した人をピックアップしてお知らせする社内ブログの記事「You are👍Awesome!-そんなあなたは素晴らしい-」
「その常識、変えてみせる。」
菅原 こんなふうに、SHIFT1000、そしてさらに売上高3,000億円を目指して、いろいろなことに取り組んでいる。
考え方のベースにあるのは、人事の常識「普通人事ってこうだよね」は、ぶっ壊したいって想い。これまでの人事がそのまま通用する時代じゃないかもしれないから。
山村 まさに、SHIFTのコーポレートタグライン「その常識、変えてみせる。」を体現する人事ですね!
菅原 そう!SHIFTをもっとも「入りたいと思う会社」にするために、 採用力・人材獲得力もそうだし、フラットな社風、働きやすい環境も構成していく、そんなNo.1の人事を目指していこう!
役職や取り組みは掲載当時のものです。
※1:SHIFT調べ
※2:DAAEとは弊社の代表が提唱するサービス設計の基本概念。 Design(デザイン)Agility(迅速性)Assembly(組み合わせ)Economic Quality(経済品質) の頭文字をとった造語で、CXを考えながらスピーディーにサービスを生み出し進化させていくことが必要な現代の開発を表現している。
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※3:人事企画では、マズローの5段階欲求にそって、人事施策を打っている。
事業人事部 部長 上岡のインタビュー記事はコチラ!👇👇