GARBAGEMANとMonstarLabとの出会い
Monstar Labの社員からCEOに「同級生で、アプリを作りたいが作れないので困ってる人がいる。会ってみてほしい」と言われて会ったのがこのプロジェクトの始まりです。
想いに共感し、協力することを決める
私が生まれ育ったダッカという都市を見渡すと街はゴミだらけ。それを目の当たりにするといつも本当に悲しい気持ちになります。なんとかこの状況を変えたい。私は建築家ですが、建築とは1つの建物を指すものではなく、都市全体と考えています。一人の建築家として、この都市をより良くしたい、だからこのプロジェクトを始めました。
彼が実際に言った言葉です。弊社バングラデシュ拠点長は彼の想いに共感し、また「バングラデシュの社会をより良いものにする」というモンスター・ラボバングラデシュ拠点のミッションにも合致することから、パートナー会社となり開発を一緒に進めていくことに決めました。
今回はGARBAGEMANの代表Fahim Uddinさんにインタビューをさせていただき、事業内容や起業に至ったわけ、彼の想いを書かせていただくと同時に弊社とのモバイル開発の様子も紹介していきます。
GARBAGEMANとは?
2017年、Fahim Uddinさんがゴミのリサイクル事業を始める。その後、GARBAGEMANを立ち上げ、現在従業員数10名。起業家の出発点とも言われているイベント“startup weekend” で準優勝。国際開発の非営利団体ygapによってベストスタートアップに選ばれ、startup Bangladesh のICT部門で優勝。
GARBAGEMANにインタビュー
こんにちは。GARBAGEMANのFahim Uddinと申します。
事業内容
事業内容は4つあります。
①ゴミ回収・購入サービス
GARBAGEMANは、ホテルやレストラン、家庭から出たゴミを購入し回収しています。ここではMonstar Labと開発したアプリを導入する予定です。アプリ内では、ゴミを売りたい人がゴミの種類を選択し、GARBAGEMANに回収を依頼できます。
②肥料の販売
集めた生ゴミを使って自社で肥料を作っています。作った肥料は、趣味でガーデニングをする人達や農家の方々に販売しています。
③トレーダー
生ゴミ以外のゴミ(紙、プラスチック、アルミニウム、缶など)を分別しキューブにし、リサイクル業者に販売しています。業者の分別の手間が省けるため、分別されずに投棄されるゴミの量を減らしリサイクル量を増やすことができます。
④コンサル事業
運用コストの削減、廃棄物の削減、分別意識の向上などを個人及び組織にアドバイスをするコンサル事業も行っています。
起業したわけ
将来どんな道に進むか決める際、誰かのために美しく建物をデザインする建築家という職業に惹かれ、大学では建築を学びました。卒業後、晴れて建築家としての道を歩みかけた時、学んだことと現実の違いに驚きました。大学ではヨーロッパの建物を主に学び、魅力的で美しかったのに対し、現実は全く美しくなく、醜い。
その現実の壁に当たった時、なぜこんなにも想像していた建築と違うのか、何が問題なのか、自分に何ができるのか考えました。そのときに気づいたのが、ダッカは”もうすでに汚れている”ということです。見渡すと、道路には沢山のごみがあり都市自体、とても醜く見苦しいことに気が付きました。
自宅の屋上から始めたプロジェクト
バングラデシュのごみ問題という都市問題の1つに気づいた時、私はゴミを集め始めました。自分の家の屋上で、集めてきたゴミを使って、肥料を作り、ガーデナーに売る。この作業を約6ヶ月続け、その間にビジネスとして成り立つかテストしたり、ビジネスプランを練ったりしました。私はその時、バングラデシュのゴミ問題は深刻なので小さなプロジェクトで終わらせたくないという想いを抱くと同時に、ゴミ問題解決という規模の大きい都市問題に取り組むことに魅力を感じていました。
手が汚れるのは行動している証
私がここまで行動に移すことができたのは、”考えの主張や計画より、行動で示すことが重要”という考えを持っていたからです。問題について考えを述べたり、プロジェクトを紙の上で考えたりするだけではいけないと思うようになったのは、実際に行動したときに必ずギャップがあるということを経験したからです。もちろん、GARBAGEMANの事業の中でも、計画するだけでなく行動に移しています。
苦労している、したこと
一番苦労したこと、そして今も苦労していることは、一般市民の知識不足、そして意識の問題です。バングラデシュではほどんどの人がゴミを分別せず、全て一緒に捨てます。そしてゴミをポイ捨てすることも当たり前になってます。
この常識を変えるために、人々にゴミ問題に対して当事者意識を持ってもらい、関心を引きつけることを重要視しています。
そのためにGARBAGEMANが行っていることは
1イラストやキャッチフレーズを利用してわかりやすい説明をFACEBOOKで発信
2政府や市関係の人との交渉
3大学や様々なコミュニティーでのキャンペーン活動の実施
この問題は根深く時間がかかりますが、バングラデシュのゴミ問題を解決するためには欠かせないため、日々この問題と向き合い、行動しています。
▲GARBAGEMANのFacebookより(https://www.facebook.com/garbagemanbd/)
将来の展望
GARBAGEMANのビジョンは”Clean and Clean Dhaka”
ミッションは”Recycle As Much As We Can’’です。至ってシンプルなのですが、この大きなビジョン実現に向かって日々奮闘しています。
最近の大きな目標は、今年の9月に法人化することです。法人化してからは、よりマーケットや設備の拡大、スキルアップに力を入れていく予定です。
数値目標としては、現在1ヵ月に肥料を1,200KG作っているのを20,000KGまで増やすこと、そして、今より2倍のゴミを集めることを目標としています。
▲ガーベッジマンのロゴは、みんなの気を惹くイエロー!”G”のマークはGARBAGEMANのGとリサイクルを表している。彼が好きなバットマンのロゴも参考にしたそうだ。
Monstar Labによるアプリ開発
クライアントの要望を機能に落とし込む
今回、Monstar Labバングラデシュ拠点ではGARBAGEMAN①ゴミ回収・購入サービスにおけるAndroidアプリの開発を行いました。アプリ開発の依頼を受けた時は、「ゴミを売りたい人からGARBAGEMANに通知がほしい」という漠然とした要望でした。
開発では、Fahim さんとミーティングを重ね、要望をアプリの中でどのような機能にしていくかを1から一緒に考えました。今後も開発したアプリのメンテナンスや、GARBAGEMANの他の事業もサポートしていきます。
アプリでできること
ユーザー側:ゴミの種類、量を選択しゴミの金額を簡単に知ることができます。またアプリ上で、回収しに来てほしい場所や日時を設定することで労力をかけずスムーズにゴミ回収の依頼ができます。
管理側:ユーザーの依頼と回収場所を通知で受け取ることができ、ゴミを回収する人を簡単にユーザーの元へ派遣できます。
今、バングラデシュはGDP成長率世界第3位と高度経済成長期の真っ只中。
同時に、ゴミ問題はどんどん深刻化しています。この都市問題を解決する取り組みを行うGARBAGEMANとともにMonstar Labバングラデシュ拠点としてもITの側面からこの国がよくなるよう貢献していきたいと思います。
「バングラデシュを代表するIT企業になる」ことをミッションとして一緒にこの国の発展に貢献する仕事をしませんか??
少しでも気になった方はぜひ募集を覗いてみてください。ご応募お待ちしております!