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安定を求めてなぜかリーガルテックベンチャーへ

Photo by Wes Hicks on Unsplash

MNTSQに転職して2か月が経過しました。

冒険より安定を求める性質であり、キーボードで打った文字からは感情が伝わらないからと言って手書きで手紙を書いていた自分が、IT企業、それもリーガルテックという最先端かつ未成熟な分野に身を置くとは自分でも驚きです。

そういえばなんでこんなことになっているのか、振り返ってみます。

順を追って

思えば10代から安定志向だった私は、手堅い法学部を卒業して、法律事務所に就職しました。
仕事は充実していたし人間関係にも恵まれ、このまま法律業界で生きていくつもりでしたが、
結婚相手は転勤族。結婚式の2か月後に東北への転勤辞令があり、仕事を辞めて帯同しました。

このとき専業主婦になって夫を支える覚悟を確かにしていたのですが、

  • 自分でお金が稼げない=自分の価値に自信がなくなる
  • 残りの人生を今までのインプットの貯金で生きていくのかと思ったら、足りなさ過ぎてぞっとした
  • 何の縁もない、知り合いも一人もいない土地で、夫(激務でほぼ家にいない)以外の人間と会話することがほぼない
  • というか街におじいちゃんとおばあちゃんしか歩いてない?
  • どこに行くにも車が必要な土地だが、転勤のために免許を取ったばかりで、行動範囲が限られる

大体こんなことで悩み、メンタルが限界ぎりぎりになりました。
因みにスタバに行ったら同年代がいましたが、話しかけるのは思いとどまりました。
もしいきなり「ちょっとお話しませんか?」って声をかけていたら、宗教かネットワークビジネスの勧誘と間違われて通報されてた気がします。

そうだ、働こう

うん、働こう、と考え、某IT企業の支社で働くことになりました。
地元の法律事務所にも内定をいただき、そちらの方が経験分お給料は良かったのですが、前述のインプット足りないトラウマから、新しいことを学びたくてあえての選択をしました。

この時点でITリテラシーはさっぱりで、入社時の研修で「ブラウザってなんですか?」と質問したレベルです。よく採用してくれたなと今でも思います。

法律事務所→IT企業のカルチャーショック

とにかく最初は戸惑いました。主要な所では、

  • まず服装が違う。
    • 法律事務所にパーカー&デニムを着ていったら、今日は休日じゃないよ?疲れてる?と心配されるか、絶対クライアントの前に出るなと怒られる。
  • スピード感が違う。
    • 一度習得した知識は基本法改正まで活かせる法律事務所に対し、IT企業では前期の情報は既に古い。常に爆速アップデート。
  • 求められる役割が違う。
    • 弁護士の補助ではなく、ディスカッションに参加してどんどん意見を発信することを要求される。
  • 使う言葉はカタカナとアルファベット略語ばかり。
    • 「この10分はバッファで」と言われ、ば・・?と思考停止したのを覚えている。
  • 評価基準。
    • 期初に発表される全社目標に沿って自分がどうやったらそれに貢献できるのか自分で考え、個人目標を設定する。
  • 紙がない!
    • 紙の束の城のような法律事務所に比べ、年間1枚プリントアウトするかどうか

そしてリーガルテックへ

IT企業での勤務は、大小カルチャーショックはあったものの慣れれば合理的だし、自分の中に新しい知識が貯まっていく感覚がありました。仕事を通じて新しい土地に馴染むことも出来ました。
ただいずれまた転勤の時期は来ます。

そのときどういう道があるだろうと色々情報収集をしていたところ、GovTechやLegalTechといういわゆるX-Tech(クロステック)の分野を知り、俄然興味を持ちました。

あのアナログな法律の世界にITが加わるとどんな化学反応が起こるのか・・?
エンジニアさんと一緒にものづくりが出来る、自分のやった仕事が自分が元いた業界を少しでも変えるきっかけになるって面白そう!

ちょうど電子決済が一般化してきた頃で、ITの力で生活が変わる、を中の人として体感したことも大きかったと思います。
たまたま学生時代の友人が弊社に出向していたことから、すぐにカジュアル面談を申し込み、そこからあっという間に話が進み、入社となりました。

IT老舗企業→設立2年目ITベンチャー

正直、法律事務所→IT企業というキャリアパスを持っていれば、その二つが合わさった会社なのだから、最初からそんなに困ることもないだろうと思っていました。ITカルチャーショックの洗礼はもう受けて免疫もあるし、と。この見通しが甘すぎたことを初日に知ります。

ITと一口に言っても前職は20年以上の歴史があり、日本人の9割が名前を知っている大企業で社員数も四桁。その分企業体質としては縦割りでドメスティック寄りだったし、既に築き上げられた知名度にかなり下駄を履かせてもらっていました。
片や弊社は設立2年目のベンチャーで、縦に割る余地のない社員数。何より、リーガルテックという、まだ覇者のいない新しい業界でこれから戦い始めるフェーズの会社。

要するに、全く違う会社だったのです。

カルチャーショック再び

またもやカルチャーショックにぶつかります。

  • スピード感が爆速→音速。2時間前の情報は過去のもの。
  • 意見を発信するだけでなく、それを実行するまでのトータルの責任を負う。
  • カタカナと略語はさらに多い。PRはプルリクエスト、MLはマシンラーニング。メーリングリストではない。
  • 目標はトップから降りてこない。社員一人一人が目標を設定し、問題を提起する義務がある。権利ではなく義務。
  • GitHubを覚える?それはエンジニアさん達が難しそうなコードをなんちゃらするやつであって・・
  • (服装はもう慣れた。デニム通勤楽でさいこう。)

並べてみたら結構あります。
それでもここで頑張りたいと考えているのは、実はすごく後ろ向きな理由で、仕事をしていなかった期間のメンタル状態に二度と戻りたくないからです。

働けるうちは働いていたい。社会と関わっていたい。

しかし、20年後、30年後、時代に合わせて必要とされる仕事はどんどん変わり、自分もそれに合わせて武器を持ち替えないと、あるいは装備をアップグレードしないと、社会人として需要がなくなってしまう。法律事務職は果たしてどうだろうか・・?

これは二度の転職をしなかったらきっと得られなかった危機感で、おそらく社会の実状とそんなにズレていないです。

MNTSQで求められるパラリーガル像は法律事務所や一般企業の法務部のそれとは違い、プロダクト開発チームの一員です。今まで存在しなかったリーガルワーカーの形なので、先人や先例に倣うという法律職お得意の方法論は取れません。仕事は降ってこないので、自分で作らないといけない。易しくはないです。

しかし逆にここで一端の仕事が出来るようになれば、経験は自分の中に残ります。そしてその経験は世の中が今後どういう変化をしたとしても、仕事をし続けていくための武器になり得ると考えています。

結局のところ

結局、私は最初から最後まで変わらず安定志向なのです。

ただ、安定と現状維持はイコールではないことに気づいたというだけで、心身共に安定して楽しく生きるためにリーガルテックベンチャーに入社したというのは、私の中では決して矛盾ではない、というのが振り返りの結論でした。

これからお仕事を探す方には、ぜひご自分にとっての武器をランクアップ出来る環境を選んでいただきたいなと思います。その選択肢にMNTSQが入ったらうれしいです。

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