2022年4月より育児・介護休業法の改正(※1)が行われ、厚生労働省によるさまざまな男性育休取得促進に向けたイベントが開催されるなど男性の育休が注目を集めています。
medibaにおいても育休を取得する男性社員が増加傾向にあるものの、より一層の制度の認知向上が求められています。そんな中、実際に育休を取得した男性社員はどのようなことを考えたのでしょうか。この春育休から復職したばかりのY.N.さんに、育休を取得したきっかけや育休中の過ごし方などを聞きました。
男性でも育休を取りやすい環境
――育休を取得した期間ときっかけを教えてください。
育休は2022年の9月から4月半ばまでの約7か月半取得したのですが、実際には8月下旬頃にもう産まれそうとなったタイミングで有給休暇を取得し、急遽前倒しで休みに入りました。
私も妻も実家が遠く家族に子どもの面倒を見てもらうことができないので、以前から子どもができたら育休を取得したいなと思っていたんです。それで実際に妻の妊娠がわかりマネージャーに相談したところ、「育休は取ったほうがいい」と後押ししてくれました。そのマネージャー自身も、男性ですが育休経験者だったんですよね。
――政府も男性の育休取得率を引き上げようと動いていますね。
この4月から従業員1000人を超える企業に対して男性従業員の育休取得率を公表することが義務づけられましたし(※2)、男性の育休取得が社会的にも要請されているように感じます。そのような流れの中、私が育休を取得することも社会的な意義があるのかなとも考えました。
――育休を取得すると話した時の周りの反応はどうでしたか?
妻は「素晴らしい会社だね」って大歓迎してました(笑)。父親になることや育児への不安もありましたが、チームメンバーからも「おめでとう」と言ってもらい、当たり前かもしれませんが反対する人はいませんでした。
育休期間についても他の男性社員で半年程度取得していた方もいたので、前例もあって抵抗は少なかったです。medibaは男性も育休を取りやすい環境かなと思います。
育児の大変さを妻と共有できた
――育休中の過ごし方を教えてください。
だいたい朝8時半頃に起きて夜10時半くらいに寝る生活でしたが、1日10回以上おむつ替えをしますし、数時間おきにミルクをあげたり、それ以外にも細々とお世話しないといけないことがあったりで、子どもを育てるってこんなに大変なのかと痛感しました。
それでも妻と育児を3時間ごとに交代する仕組みにして、自分の時間も持ちながらやれたのはよかったですね。どちらかに予定があって 3時間以上外出する場合は、その分別の日に長く担当したりなどの調整をして、負担が平等になるように工夫していました。
また、育休中に仕事をすることはありませんでしたが、コードを書いてみたり、新しい知識や情報をキャッチアップしたりというのはたまにやっていました。プログラミングは仕事ではありますが、趣味でもあるので。
――育児で印象に残ったことはありますか?
それなりに1人で育児をするタイミングがあったんですけど、子どもが嘔吐したり、おむつ漏れしたり、なかなか寝てくれないとか、泣き続けているけど理由がわからないとか、いろんなことが一気に重なったりすると本当に大変で。普通に仕事をしていたほうが楽かもしれないと思ったくらいです。ずっと家にこもって1人で育児していると孤独感も出てくるんですよね。
私の場合は限られた日だけなので何とかなりましたけど、これを例えば男性が育休を取らないで女性が1人でずっと育児するというのは、私が実際にやってみた感覚からすると、すごい大変なことなんだなと思いました。
ネガティブな話になってしまいましたが、寝返りを打てるようになったり、ずりばいできるようになったり、日々子どものできることが少しずつ増えていくので、それを間近でたくさん見られたのは嬉しかったですね。育休を取ってよかったなと思う瞬間でした。
――仕事復帰する上で不安なことはありましたか?
半年間も仕事をしないというのをこれまで経験したことがないので、スムーズに復帰できるのか不安な面もあります。スキル面もそうですが、一番大きいのは生活習慣ですね。半年間別の世界を生きていた感覚なので。まだ仕事復帰して間もないので、徐々に仕事のペースを取り戻したいと思っています。
――最後に半年間の育休を終えた感想を教えてください。
育児を妻ばかりに頼ってしまうとどうしても夫婦関係がギクシャクしたりすると思うんですけど、育児の大変さを一緒に体験できましたし、子どもの成長も共有できて、夫婦関係を円満に保つためにも育休を取ってよかったなと思っています。
また、私と妻とで子どもに接する時間がほぼ同じなので、どちらがミルクをあげても飲んでくれるし、どちらが寝かしつけをしても寝てくれるしで、片方だけに懐くというのがないのもよかったですね。「ママじゃないと嫌」となったら寂しいじゃないですか(笑)。
あとは先ほども少し触れましたが、日本の少子化対策には男性の働き方や意識を変えることがカギになると思うので、微力ながらそれに貢献できたかなと思っています。男性である私が長期間育休を取ったり、こういった取材を受けたりすることで、男性でも育休を取ろうと思う人が少しでも増えたらいいですね。