「同じMサイズなのに、なんで着心地が違うんだろう」
オンラインで洋服を選ぶとき、そんなふうに思ったことはないでしょうか。その違和感の一因は、ブランドごとに基準となる体型(ボディ)が異なり、同じ「Mサイズ」でも身幅や着丈に数センチの差が生まれることにあります。この数センチのズレが、実際に袖を通したときの着心地の違いにつながっています。さらにECサイトでは、サイズ表の項目名が同じでも、ブランドによってその項目が指している内容が異なることもあります。
このようなズレを、クライアント様とひとつずつすりあわせ、揃えていく。サイズレコメンドエンジン「unisize」が安定して正確なサイズレコメンドを行えているのは、「サイズ定義」の理解に時間をかけて丁寧に取り組み、導入後のケアまで徹底してクライアント様に伴走しているからです。その一連の運用を担っているのが、メイキップの運用部です。
unisizeでは、1ブランドあたり平均1,000アイテムのサイズ情報を管理しており、取り扱いアイテムの多いブランドでは2万点を超えることもあります。これだけの量のサイズ情報を、どうやって精度高く整え、保ち続けているのか。運用部の村尾・鈴木へのインタビューを交えてご紹介します。
Q. サイズの定義にブランドごとの違いはありますか?
村尾:はい、項目名が同じでもブランドによって定義がズレていることは少なくありません。わかりやすい例が「ウエスト」です。本来はお腹周りをぐるっと測った腹囲を指す項目ですが、平置きで採寸した身幅をウエストとして表示しているクライアント様もあります。表記を見るだけでは区別がつかないので、「この項目はどのように測っていますか」とクライアント様に確認してはじめて実態が見えてきます。こうした定義がズレたままデータ化されれば推奨サイズの精度が下がり、ユーザーの購入体験にも影響が出ます。だからこそ、細かく「これはこういう定義ですね」とやり取りを重ねて、クライアント様ごとのサイズの定義を正確に理解することから仕事を始めています。
Q. レコメンド精度を担保するために、クライアント様とはどのようにやり取りを進めていますか?
村尾:普段はテキストコミュニケーションが中心です。ただ、テキストだけだとどうしても伝わりきらない場面が出てきます。そういうときは直接お話しする時間をいただきます。相手の方の知識や立場に合わせて伝え方を変えながら、こちらが何を確認したいのか、なぜそれが必要なのかをひとつずつ目線を合わせていきます。言葉の定義が揃わないまま作業が進んでしまうとレコメンドの精度に大きな影響が出るため、まずは双方の認識を合わせることを大切にしています。こうしたすりあわせがあるため、営業部から案件を引き継いでunisizeの提供開始となるまでには、平均で約1ヶ月かかります。
Q. unisizeを安定して提供するために、どんな工夫をしていますか?
鈴木:unisizeでは、ECサイトを自動で巡回してサイズ情報を取得する「クローラー」という仕組みを使っているのですが、このクローラーの仕様をブランドごとに個別に設計することを大切にしています。ECサイトによってサイト構成やサイズ情報の持ち方、情報の細かさがそれぞれ異なるため、まずはそのECサイトの特徴を理解するところから始めます。その上で、どのようにデータを取得してunisizeのデータ形式に合う形で整理するかを考えながら仕様を固めていきます。ECサイトの構造はリニューアルや商品追加のたびに変わりますが、その変化の中でも安定してデータを取得できるよう、ブランドごとにサイトの構造と情報の持ち方を把握した上で固有の仕様を設計しています。ここまで一社ずつ丁寧に作り込むことが、unisizeの高い精度につながっています。
Q. unisizeの効果を実感いただくために、クライアント様とはどのように関わっていますか?
鈴木:導入して終わりではなく、その後も定期的にクライアント様の状況を伺い、必要な調整を続けるまでが運用部の仕事です。以前、他社のサービスからunisizeへ切り替えてくださったクライアント様から「以前利用していたサービスでは導入した後はほぼ連絡がない状態だったが、メイキップは導入後も使い勝手や運用上の課題を細かく聞いてくれるし、データも細かく教えてくれるので助かる」というお声をいただきました。導入後もクライアント様のビジネスが動き続けるのに合わせてクローラーやデータの調整を重ねること、そして、運用状況をヒアリングし対話できる体制を持つこと。これによりunisizeの効果をしっかり実感していただくことができ、結果としてunisizeへの信頼につながっていると感じています。
ひとつ一つの積み重ねがunisizeの精度を支えている
項目名のズレを対話で揃え、ECサイトごとに固有の仕組みを設計し、提供開始後も伴走し続ける。ひとつ一つは外からは見えにくい工程ですが、ここまで踏み込んで向き合い続けていることが、unisizeのサイズレコメンド精度の高さを実現し、クライアント様から選ばれ続ける理由だと私たちは考えています。サイズレコメンドの精度が高いということは、ユーザーがサイズで迷わずに納得して洋服を選べるということです。それはユーザーにとっての購入体験の向上につながり、結果としてクライアント様のブランドへの信頼にもつながります。
どこまで踏み込んで運用するか、その姿勢がそのままunisizeの精度になる。私たちはそう考えています。これからも私たちは、サイズの定義一つずつに向き合いながら、その精度を磨き続けていきます。