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【CTO対談に開発責任者の柴戸が登壇!】 人事領域のプロフェッショナル組織がエンジニアリング組織を作るとどうなるか|イベントレポート

【CTO対談ONLINEとは?】
CADDi社CTOの小橋さんが、毎週水曜のランチタイムに様々な企業のテクノロジーチームをリードするエンジニアをゲストに迎えし、テクノロジーやエンジニアをテーマに対談を行うCADDi社の企画です。今回は、当社開発責任者の柴戸がゲストで登壇した「CTO対談ONLINE」についてレポートさせていただきます。

【今回のストーリー登場者】

▶︎モデレーター
キャディ株式会社 
テクノロジー本部バックエンドエンジニア 村上さん

▶︎パネリスト
キャディ株式会社 
共同創業者/最高技術責任者CTO 小橋さん

▶︎ゲスト
株式会社リンクアンドモチベーション
開発責任者 柴戸さん

コンサルティング企業のエンジニア組織を、内製化するまでのプロセス・経緯について開発責任者の柴戸が語る。

大手企業などを中心に5,000社超のデータを基にした自社プロダクトを自らの手で。エンジニア中途一号、柴戸に迫る。 | リンクアンドモチベーション Tech Team
前職ではアドテクノロジー企業で開発の責任者(執行役員VPoE)を務めていました。開発に携わっていく中で、上場や新規事業立ち上げなど多くの機会をいただきました。 その後、2018年に当時パートナー企業を中心に開発を進めていたリンクアンドモチベーションに出会い、エンジニア社員第一号として入社しました。 ...
https://www.wantedly.com/companies/lmi/post_articles/216741

▲過去の柴戸の自己紹介ストーリー。これまでベンチャー企業、アドテクノロジーのスタートアップ企業の上場経験を経て、エンジニア第一号社員として2018年にリンクアンドモチベーションに参画。

(村上さん)柴戸さん、本日はよろしくお願いします!早速ですが、開発チームには、現在エンジニアは何名いらっしゃいますか?

柴戸さん:よろしくお願いします。リンクアンドモチベーションの開発組織のエンジニアはマネージャーを含めて正社員は約20名です。開発組織には、プロダクトマネージャーやカスタマーサクセスも在籍しており、全体では40名程の組織になりました。

村上さん:エンジニアが20名弱....モチベーションクラウドの事業規模から考えると、少数精鋭で事業を運営されている印象を受けました。

柴戸さん:そうですね。実際にエンジニア組織の内製化に着手し、採用を強化したのは2018年からです。僕自身、エンジニア第一号でリンクアンドモチベーションに入社しました。

当時は、社内から異物みたいな見られ方をしたんじゃないかと思います(笑)。なぜ、エンジニアには開発用のMacのPCが必要なのか、PCとは別になぜディスプレイが別途必要か、クラウドの費用が事前に確定できないことや、セキュリティなどのルールとアジリティのバランスなど、そういう話から始めたことが今では懐かしく感じます。

中途で入社するエンジニアのメンバーには、改めて内製化の重要性を語り合うなど、泥臭いことを楽しみながらやってきました。

(小橋さん)リンクアンドモチベーションさんが柴戸さんを採用した背景やストーリーが気になりますね。お伺いしても良いですか?


柴戸さん:ありがとうございます。まず、パートナーさんに助けていただく領域もあるだろうけれど、「ここは自分達で作ろう」という選択肢がない、という状況はリスクであると考えていました。

次に、弊社は「一人一人の本気」を大事にしています。しかし、外部の開発パートナー企業に頼るメリットはもちろんありますが、契約のやりとりなどがあると、別々の力学が働きやすいともいえます。本気でやるなら開発組織を外部へ切り離さず、事業と一体となり取り組んだ方が良いと考えました。

「ソフトウェアのように時代に合わせて変化させていく部分と、ミッションやビジョンのようにそうではない部分もどっちも大事で、最終的には成し遂げるために本気で考えること。それこそ目標設定ではカバーしきれない部分を凌駕していくんじゃないか」そういう泥臭いことを考えながら、エンジニア第一号として入社しました。

(小橋さん)柴戸さんの入社以前と比べて、会社全体として開発への向き合い方は変わりましたか?

柴戸さん:はい。これまでは開発で機能改善を行う場合は、パートナー企業さんへ確認をする以外に方法がなかった状態でした。そのあたりについては、現在はメンバーが自己判断しながら改善を進めています。ここは非常に大きな変化だと思います。移行初期は内製化のメリットも見えにくいため我慢の時期でした。

(小橋さん)開発の生産性が上がったのでしょうか?それとも質が上がったということでしょうか?

柴戸さん:生産性というよりも、内製化することでミッションやビジョンを自分ごととして要件化できるようになってきているという表現が適切だと思います。要件定義のミーティングにおいても自分事として「お客様は何を望んでいるのか」など、ユーザー視点で深い議論が繰り広げられるようになりました。そのような観点から考えると、プロダクトの要件定義からクオリティが高まったと思います。

(小橋さん)エンジニア組織を作っていく予算や存在意義をどのように社内で表現されていますか?

柴戸さん:はい。僕には入社と同時に2つのミッションを持ちました。1つ目はITをツールや付帯品、ではなく、ITと会社の戦略を一体化させること、2つ目は人とITの一体化、最適化、効率化というミッションでした。

1つ目のITと事業戦略を一体化させることについて、最初に行ったことは経営層の方とエンジニア、ソフトウェアの必要性について、現場の営業やコンサルタントの方に向けてプレゼンを実施しエンジニア、ソフトウェアのプレゼンスを一緒に上げてもらいました。

2つ目の全社の事業の効率化については、泥くさく事業水準の管理などの効率化を図ることや、プロダクトの改善要望に一つずつ答えていき、その結果がデータによってどう改善されたかをファクトとして見せていき、信頼を獲得していきました。

新メンバーの初期の成果は全員でつくる。そのためにもオンボーディングでは「How to live」から始めることを大切にしている

新メンバーには信頼関係と安心感を。独自のプログラムを展開するリンクアンドモチベーションの『リモート・オンボーディング』 | リンクアンドモチベーション Tech Team
リングアンドモチベーション(以下LMI)では、現在リモートでオンボーディングを行なっており、入社後のフォローなどについて気になる方も多いのではないでしょうか。今回のストーリーでは、エンジニア組織のアドミンスタッフの白井さん(写真中央)、リモート期間中に入社した野田さん(写真左)、黒崎さん(写真右)に『リモート・オンボーディング』について伺いました! ...
https://www.wantedly.com/companies/lmi/post_articles/284192

▲オンボーディングについては前回のストーリーも合わせてご覧ください!

(村上さん)さて、このCTO対談でぜひお伺いしたいことになりますが、組織開発のプロフェッショナルであるリンクアンドモチベーションさんのエンジニアのオンボーディングについて教えてください

柴戸さんはい。ありがとうございます。オンボーディング期間は大体3週間〜1ヶ月を目安にプログラムに沿って行なっています。

柴戸さん:僕は、オンボーディングで非常に大切にしている考えがあります。オンボーディングは、職場適用するための「How to live」、その次が知識・スキルを学ぶ「How to learn」、仕事で成果を出す「How to work」、他者に対して影響を与えていく「How to influence」の4つのプロセスに分けることができると、以前立教大学の中原教授がお話しされていました。

僕も中途入社なので経験があるのですが、早く成果を出すことに焦ってしまい、いきなり「How to influence」をしようとしてしまうメンバーもいます。しかし、そうなってしまうと空回りして疲れたり、うまくいかなかったりするケースが多いです。まずは泥臭いですが、チームランチ、1on1、メンター制度などを使って極力人の接点を増やし「How to live」に進めるようにしています。特に、今はコロナの影響でオーガニックな交流が測りにくくなっていると思うので、これまで以上に意図的にそのような機会を増やすことが重要だと考えています。

よって、弊社のオンボーディングのガイドには「遠巻きに見るのではなく、初期の成果は共に作る」ということを書かせてもらっています。

今後は必ずしも上司が優秀で理解があるという前提が成り立たなくなってくる。仕組み変更も必要。上下関係ではなく“ひとりの人間”として敬意をもって評価をする

(村上さん)エンジニアチームの育成・評価は特に難しい部分だと思いますが、どのようなことを意識されていますか?

柴戸さん:現状と今後の課題に分けてお話します。現状、まだ完璧に出来ている訳ではないのですが、Objectives(目標)とKey&Results(成果)を決めてから緩やかに個人の目標に紐付けるようにしています。開発組織において、この方法が最善なのかはまだ模索している段階です。

設定と評価は四半期ごとに行っていますが、例えば期末に10段階で評価するとして、上司評価と自己評価での乖離が2や3も出るのはコミュニケーションが足りない、または期待のすり合わせができていないからと言えます。そうならないようにするためには、期中にマネージャーが1on1などでこまめに軌道修正することが重要です。最後はすり合わせ程度で終わるのが理想です。

期末の評価に向けて、途中のプロセスをとても大事にしており、悪い評価でも良い評価でも、率直に敬意をもって接することを心がけています。

次に今後について。組織や機能が拡大して行く中で、必ずしも上司の方が必ず優秀、とか理解があるという前提は成り立たなくなりますよね。こういったように上司が100%上位互換でない場合の評価のあり方や方法を考えることが重要かなと思ってます。

小橋さん:これは非常に難しいですよね。柴戸さんのおっしゃる通り、上司が絶対評価しきれない領域があると思います。そこを見極めるのは、キャディでも課題に感じています。

柴戸さん:評価基準は企業によって様々あると思います。技術力だけがあれば良い評価をするというわけではなく、主体的な動きやビジネス全体への貢献度、ヒューマンスキルも加味したうえでリンクアンドモチベーションのエンジニアらしい評価基準をつくって行きたいと思います。

読者の皆さん、最後までお読みいただきありがとうございます。今回ご紹介させていただいたオンラインCTO対談はYouTube LIVEにてアーカイブ公開中です!ご興味のある方はぜひご視聴くださいませ。

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