今回は、Verification Engineerとしてご活躍中のTさんに、入社決定に至った経緯やLeapMindでの業務についてをお話しいただきました!
担当の業務内容、範囲を教えてください
Efficiera IP のハードウェア設計検証とコンパイラ実装を担当している、Accelerator and Compiler Teamの所属で検証業務を担当しています。
主な業務は、まず第一に機能検証で、設計されたハードウェアが仕様書に従って正しく機能するかを確認する作業です。具体的には製品の品質を確保するためのテストプランを作成し、テストを書き実行します。さらに結果の分析・レポートを行い、バグ(不具合)があれば設計者と協力して解析し、原因の特定ができれば解決策の提案も行います。
このチームでは、検証環境やフローそのものの構築から行うので、EDAツールの評価や選定、実行環境の立ち上げも行っています。またPPA見積やゲートレベルシミュレーションのための論理合成に関する業務も担当しています。
現在、業務はフルリモートで行っています。対面でミーティングが必要な時以外はオフィスに行くことは少なくなりました。
毎日スクラムMTGを行い、検証のサブチームは週2回 朝にMTGを行っています。チームリーダーMTGやマネジャーとの1on1もそれぞれ週1回程度実施しています。
職務経歴を教えてください
前職では今とほぼ同じですが、FPGA 向けの車載ステレオカメラのアクセラレータIP を設計・検証するチームで、ハードウェアIPの設計検証エンジニアとして働いていました。
私がジョインした頃は、すでに新しいハードウェアIPの設計が完了していて、そのIPが要求される仕様や規格に準拠して正しく動作するか、またIPが組み込まれたシステムとして必要な性能を達成できるかを検討していく段階でした。
求められる品質レベルに到達させるために、どのような手法・基準でテストを行い、またスケジュール内に終えるかチームで議論を重ね、シミュレーション環境や実機テスト環境を構築していきました。
私の成果としては、最初は導入できていなかった UVM (検証メソドロジ)を採用し、ランダム検証や網羅的なレジスタ検証を可能にしました。また規格が定まっているインタフェースにはVIP(検証IP)を導入し開発期間の短縮を実現しました。それによりプロトコルチェッカーも使用可能となった為、規格の準拠性確認が自動的に常時行われ、実際にそれまで見つかっていなかった規格違反のバグを発見できました。
さらに開発終盤になると最終製品レベルのソフトとともに高負荷状態の長時間試験を行いましたが、発生頻度が低い問題も発見することができました。この問題も自分のチームと他のソフトウェア開発チームとコラボレーションしながら、問題再現環境・性能測定環境の構築をリードし最終的なソリューションの提案まで行いました。
前職以前は外資半導体ベンダーや日本の電気メーカーの半導体部門で、LSIの設計や検証、組み込みソフトウェアの職務を担当していました。
LMへの入社理由、きっかけは何ですか
選考に進む前からLeapMindのことは知っていて、おもしろい会社だと思って注目していました。
前職まで職務上は検証専任というわけでなく、RTL設計をはじめ、時にはソフトウェア関連、顧客の技術サポートなど、さまざまな業務を担当しましたが、今後はハードウェアの検証にフォーカスした職務につきたいと考えていました。
前職も大変良い会社でしたが技術的な方針の変更により、同じ職務が続けられなくなったため退職を決意しました。その頃、複数のエージェントからLeapMindを紹介され、また検証専任のエンジニアを募集していたこともあり、さらに興味を持ちました。
実際の選考では、最初にオンラインのコーディング試験がありました。その後の技術面接ではRTLのコーディングをしながら、その回路をどのようにテストしていくか具体的にディスカッションをしました。面接ではあるのですが、自分の考えをありのまま100%述べて、それに対して意見交換やアドバイスをもらいました。その中で、自分としても大きく成長できそうな人々が働いている職場だと感じましたし、深く議論したおかげで自分の進みたい方向性と合っていて、これまでの自分の技術や経験を十分に活かせるポジションだと確信できました。
入社後、印象は変わりましたか。
選考を通してエンジニアリングスキルの高い人たちが集まっているんだろうな、と感じていたので印象はあまり変わりませんでしたが、想像よりも少ない人数でプロダクトを作り、開発環境を構築・運用していることに驚きました。ですが、それが可能なようにインフラチームと設計チームが協力し、徹底的に効率的な開発環境を作り上げていたので納得しました。
今までの会社ではさまざまな組織上の問題もあり、新しい技術の検討を行ったり、それを実現するためにコードを書く時間がなかなかとれませんでした。当たり前のようでなかなか難しい話なのですが、 LeapMind はそのようなことがなく、エンジニアがエンジニアリングに集中できる環境だと感じています。事前にマネージャーやメンバーとの合意形成は必要ですが、新しい技術検討もコードを書くのも自分で取り組みたければそのようにもできますし、チームのみんなで手分けする必要があるときはそのように進めることもできます。私のマネージャーやメンバーも比較的新しいことに興味があり、改善活動にも前向きなので、プロダクト開発にとって良い方向に進むなら、まずはやってみようと言ってもらえることが多いと思います。
また LeapMind のエンジニアリングチームはメンバーだけでなくマネジャーも含め、全体的にかなり高いレベルのコーディング力を持っている方が多く、入社して2年以上経ちますが、今でも周りのメンバーが書くコード品質やスピードに驚くことがあります。ソフトウェアだけではなくハードウェアにもコードレビュー文化が完全に浸透しているので、そこでのやりとりを通して自分自身のコーディング力も成長できていると思います。
LeapMind が開発しているコードは社員全員が見られるようになっているので、本来は自分が担当ではなかった範囲のものや、担当者が忙しくて解決できない問題があった場合、誰でも課題解決を進められます。一人では解決が難しい場合や問題の影響範囲が大きい場合はドキュメントを書いて事前にレビューを行い、一時的な体制を構築して改善活動を行う場合もあります。
LeapMind ではハードウェア検証に限っても、多岐に渡るさまざまな業務にチャレンジする機会があると思います。無理に不得意なことをやる必要はありませんが、望めば新しいチャレンジが多く大変刺激的な環境だと思います。
LeapMindでやりたいこと、叶えたいことは何ですか
入社してから課題解決や新しい技術を導入する中で、設計・検証品質や開発効率は大幅に改善できていると思いますが、検証フロー全体でみるとさらに改善したい内容は多くあります。半導体・EDA 業界としても新しい手法や技術がどんどん出てきているので、今取り組んでいることだけにとらわれずに、それらの導入を継続していきたいと思います。
LeapMindに入って一番印象に残ったエピソードを教えてください
社内の GitHub を見ると、毎日かなりの数の PR (プルリクエスト)が作成・マージされ、プロダクトに関わるコードだけでなく開発フローやインフラに関する変更がされていて、変化のスピードに今でも驚かされています。
またコードレビューでも機能面だけでなくコード品質観点でも活発な議論が交わされていて、ほかのメンバーが作成した PR (プルリクエスト) から学ぶところが多くあり、技術的にも大変刺激的な環境です。
好きなこと、趣味は何ですか(休日の過ごし方など)
子供の頃から音楽が好きなので、今でも多くの時間を割いていて、土日や平日の夜は音楽教室でギターのインストラクターをしています。もちろん規定はありますが副業を認めている点も LeapMind の良いところだと思います。
ただ、仕事もリモートワーク中心になったことで完全に運動不足なので、そろそろスポーツ系の趣味を再開したいと考えています。
LeapMindは、フルフレックス制度(フルリモート可能)ですので以前よりもプライベートの時間調整がしやすくなりました。たとえば、平日に子どもの授業参観などの学校行事がある場合は、少し事前に調整は必要かもしれませんが、朝は定刻通り業務を開始、昼過ぎにいったん抜けて学校行事に参加、その後戻って仕事を再開、さらに夕方の進捗会議がおわったら、塾の送り迎えをして、また仕事に戻ったりなど、その人の生活スタイルに合わせてフレキシブルに働ける環境だと思います。
最後に自由に一言お願いします
LeapMindはまだ規模の小さい会社ですが、エンジニアたちが毎日切磋琢磨し良いチームを作っています。プロダクトの品質向上はもちろん業務の効率化などさまざまな改善が日々行われていますので、非常に働きがいのある職場だと思います。
とくに組織が大きくなるとよく見られるケースかもしれませんが、意欲もあり実践する力があっても、さまざまな理由から「その仕事はやらなくていい」とか「そこは違うチームが担当だから」という自分の業務範囲を強く意識しなければならない機会があると思います。そのような、少し今の職場環境に窮屈さを感じている人はLeapMindに来るとおもしろいかもしれません。