採用担当の末永です。私は採用と人材育成を担当しています。
今回は、新人教育で実際に体験して自身が勉強になったので、共有致します。
弊社の強みは、『教育制度』です。しかし、色々な性格や業界で経験したエンジニア未経験の新入社員が入社してきますので、毎回試行錯誤しながら修正を行っています。
新人エンジニアの育成は、私たちにとっても大きなチャレンジの一つです。技術力はもちろん、チームでの協調性や問題解決能力など、多岐にわたるスキルを習得してもらう必要があります。しかし、新人研修の現場では、ときに思い通りに進まないこともあります。今回は、そんな新人研修の中で感じた「先輩エンジニアの観点」の大切さについてお話ししたいと思います。
登場人物:先輩エンジニアMさん、新人エンジニアAさん
なかなか理解が進まない新人エンジニア
新人研修に参加していたAさん。非常に真面目で向上心の高い方でしたが、与えられた課題や講義内容の理解がなかなか進まず、苦戦する場面が多く見られました。何度も説明を繰り返したり、個別にフォローを行ったりしましたが、どこか噛み合わない様子。私たち研修担当者としても、どのようにサポートすればよいのか手探りの状態でした。
先輩エンジニアに相談してみた
行き詰まりを感じた私たちは、本社で活躍している先輩エンジニアMさんに相談することを決めました。Mさんは、現在、新しいプロジェクト業務を行いつつ、後輩エンジニアの教育担当で忙しい中でしたが、相談してみました。
「Aさんのどこに壁があるのかを一緒に見つけてもらえないかな?」
そう依頼したところ、Mさんは快くサポートを引き受けてくれました。
視点を変えた指導で見えた「成長の芽」
Mさんは、Aさんの悩みや苦手分野を丁寧にヒアリングし、独自の観点でアプローチを始めました。特に印象的だったのは、「Aさん自身の得意な分野をベースに、課題を再構築する」という方法です。これにより、Aさんは自信を取り戻し、自らの強みを活かして課題に取り組むことができるようになりました。
さらに、MさんはAさんに具体的な「成功体験」を積ませることを重視しました。小さな目標を設定し、達成するたびにしっかりとフィードバックを行う。その繰り返しの中で、Aさんはみるみるうちに成長し、今では研修の課題を前向きに取り組む様になり、何より表情に自信を伺える程に急成長しました。
新人教育で見えた5つの重要なポイント
今回の体験を振り返り、新人教育において重要だと感じたポイントを総括しました。以下に挙げる5つの気づきは、今後の研修プログラムやチーム運営に活かしていきたいと考えています。
1. 「多様な視点」を取り入れることの重要性
教育者が一人で全てを解決しようとするのは難しい場合があります。特に今回のように、新人エンジニアAさんがなぜ課題に苦戦しているのかが明確にわからなかったケースでは、外部の視点が非常に役立ちました。
→ 外部のサポートを積極的に活用し、多様な視点で問題解決を図る柔軟性を持つべきだと実感しました。
2. 個々の強みを活かしたアプローチの大切さ
Aさんにとって「自分の得意分野」を起点に課題を再構築したMさんのアプローチは、成長の大きな鍵となりました。この方法により、Aさんは自信を持ち、自主的に学ぶ姿勢を取り戻しました。
→ 研修では、一律の方法ではなく、個々の性格やスキルセットに応じた柔軟なカリキュラム設計が必要です。
3. 成功体験の積み重ねがモチベーションを育てる
Aさんが目に見える形で小さな成功を積み重ねたことで、次のチャレンジに積極的に取り組む姿勢が育まれました。この過程での適切なフィードバックも重要でした。
→ 新人教育では、無理な大目標を設定するよりも、小さな成功体験を積ませ、成功の手応えを実感させることが効果的です。
4. 「教える」ではなく「共に考える」姿勢
Mさんの支援では、Aさんに一方的に教えるのではなく、課題を一緒に考えるプロセスが重視されていました。この姿勢は、Aさん自身が課題に取り組む主体性を育てるきっかけになったようです。
→ 新人教育では、教える側が答えを与えるだけでなく、一緒に考えたり試行錯誤する過程を共有することが大切です。
5. チーム全体で取り組む新人教育の意義
教育の責任を特定の人に集中させるのではなく、チーム全体でサポートする仕組みが必要だと感じました。今回のように先輩エンジニアが関与することで、新人も幅広い視野や知識を得られるメリットがあります。
→ 教育体制を「個人の努力」から「チームでの取り組み」にシフトさせることで、効果的かつ効率的な育成が可能です。
【今後のアクションプラン】
今回得た気づきをもとに、以下の施策を進めていきます:
多様な視点を活用する研修設計
本社や他部署のメンバーと定期的に新人教育の意見交換を行い、新しい視点を取り入れます。
個別対応の強化
新人一人ひとりの得意分野や興味を研修初期に把握し、それに応じた指導計画を作成します。
「成功体験」重視のカリキュラム
課題を細分化し、小さな成功を積み重ねるステップアップ型のカリキュラムを導入します。
今回の体験は、ただ新人が成長しただけでなく、私たち教育側にも多くの学びをもたらしました。これからもチーム全体で新人教育に向き合い、共に成長していきたいと思います。