- 就労支援スタッフ(関東)
- 経理
- Systems Engineer
- Other occupations (31)
- Development
- Business
- Other
公民連携事業部相談支援員の津名祐樹です。現在キズキのひきこもり支援事業に携わっています。
私の支援への想いの原点は中学時代の不登校とひきこもりの経験です。中学生のとき、ほとんど学校に行けませんでしたが、小学校時代の楽しい記憶があったからこそ、「やり直したい」と思い、高校から復帰できました。この経験から 「不登校を未然に防ぎたい」「小学校で人とのつながりを学べる環境を作りたい」 という想いを持ち、社会人になってから通信教育で教員免許を取得し小学校教員になりました。
教員として学級担任や生活指導主任を務め、いじめ対応や不登校支援に取り組みました。しかし、「目の前の子どもは支援できても、それ以外の困っている人には手が届かない」と限界を感じ、もっと幅広い人を支えられる仕組みを作りたい、これからの自分の命はそのように使いたいと思うようになったんです。
そんなとき、キズキを見つけました。「何度でもやり直せる社会をつくる」というビジョンに心底共感し、ここなら自分の目指す支援ができると確信。すぐに応募しました。
|ひきこもり相談支援員の3つの業務
私は現在、東京都内のひきこもり支援事業で相談支援員として働いています。主な3つの業務をご紹介します。
1つ目は、ひきこもり当事者やそのご家族への相談支援です。支援の対象となる方は、電話やLINE、ホームページからお問い合わせをいただいた方、福祉事務所や就労支援の窓口等の関連機関からの紹介を受けた方、または区のアンケートに回答された方などです。
まずは電話で簡単にお悩みを伺い、面談の日程を調整します。面談は、事業所・公民館・区民館のほか、ご本人の希望があれば自宅訪問かオンライン面談という形で実施します。そして、ご本人やご家族ご希望をお伺いし、必要な支援を一緒に考えていき、適切な関係機関の提案や時には同行支援を行います
2つ目は、ひきこもり当事者やそのご家族のための「居場所づくり」 です。例えば家族会や当事者会のイベントを企画・運営しています。家族会 は、ひきこもり当事者のご家族が情報交換や悩みを共有できる場です。毎回トークテーマを設定し、支援員が進行役となってグループトークを行います。たとえば、「ひきこもりになった当初と現在での心境の変化」や「今、一番悩んでいること」などを話し合います。子どもとの接し方に悩む方がヒントを得たり、普段言えない気持ちを話してほっとできる場として、毎月参加される方もいます。当事者会 は、「人と関わりたいけれど、一歩踏み出すのが難しい」という方が、社会参加のきっかけを作れる場です。内容は毎回異なり、参加者の趣味をテーマにした会や、価値観を考えるカードゲームなどのアクティビティを実施しています。参加者の意向を踏まえ、ポケモンカードが好きな方がその魅力を語る会を開いたこともありました。「まだ働くのは難しいけれど、同じ状況の人と安心してつながりたい」という方にとって、最初の一歩を踏み出せる場になればと考えています。
3つ目は、関係機関との連携です。私たちは、支援が必要な方に適切な支援先を紹介できるよう、さまざまな機関と連携しています。例えば、「働きたいが相談先がわからない」という方には、自治体の就労支援係や東京都が行っている就職支援プログラムや障害者向け支援機関などを案内し、就労支援の選択肢を提供します。また、「発達特性や障害があり、自立に困難を抱える」という方には、就労移行支援や自立訓練など、活用できる福祉サービスを調べ、適切な支援につなげています。こうした連携を通じて、支援を必要とする方々が孤立せず、自分のペースで社会とつながるサポートを続けています。
|一人ひとりに向き合う支援の魅力と、繋ぐ新たな居場所
ひきこもり支援の仕事は、とてもやりがいを感じています。もともと、「目の前の子どもたちだけでなく、もっと困っている人たちを支援したい」と考えていたので、相談支援を通じて ひきこもり当事者やご家族と直接つながり、支援できること に大きな意味を感じています。面談では、「なぜこの方はひきこもることになったのか?」を理解するために、相談者の背景を聞く機会が多く、発達特性や社会環境など、ひきこもりに至った理由はさまざまです。こうした一人ひとりの人生に深く関わりながら、最適な支援策を考えることが、この仕事の魅力だと感じています。
特に印象的だったのは、自殺未遂を経験した方の支援に関わった時のことです。
その方は、自殺未遂をした後いくつかの支援窓口を転々としながら、最終的に私たちのもとへ相談に来ました。面談を重ねる中で、「支援を受けることで頑張らなければならないと感じ、かえって動けなくなる」という葛藤を抱えていることがわかりました。
そこで、ひきこもりの方を受け入れる地域の居場所を紹介しました。すると、そこで手話に出会い、どんどんのめり込んでいったんです。それまでの暗い表情が一変し、楽しそうに手話の話をしてくれるようになりました。最終的には私たちの当事者会にも参加いただき、参加者の前で手話クイズをしてくれるまでになりました。支援を通じて、その人の世界が広がる瞬間に立ち会えたことは、本当に嬉しい出来事でした。
|キズキは支援とビジネスの両方に興味がある人に最適な場所
まず、「困っている人に何かしたい」という想いを持っている人が向いていると思います。キズキは幅広い層に支援を行う会社です。そのため、「特定の誰か」ではなく、「困っている人全般に支援を届けたい」と考えている人が活躍できる環境だと思います。
もう一つは、ビジネスに興味がある人 です。私自身、新卒で求人広告営業の仕事を経て公務員になりましたが、「もう一度ビジネスに挑戦したい」と思い、キズキに入りました。キズキは福祉の要素が強いですが、それだけでなく、事業として継続・発展させることも求められます。支援への想いが強すぎると、「こういう支援がしたい」というこだわりが強くなりすぎ、会社の方向性と合わないこともあるかもしれません。
ビジネスとして継続するには、現状維持ではなく、新しい支援の形を模索しながら事業を広げていく必要があります。市場の変化に対応しながら挑戦を続けることにワクワクできる人にとって、キズキは最適な場所です。
私は今、シンプルに、「キズキに入ってよかった」と感じています。今もこの文章を書きながら、「自分はこの会社に合っているな」と実感しますし、それがとても嬉しいです。
これからは、ひきこもり支援にとどまらず、さらに多くの困難を抱える人たちに支援を届けられるよう、成長し続けていきたいと思います。私のように他業種からの転職でも、支援への思い、社会課題への思いがあれば全く問題ありません。
「困っている人に何かしたい!」「ビジネス通して支援を届けたい!」という思いを持っている人はぜひ一緒に仕事をしましょう!