みなさん、こんにちは。新入社員の伊藤です!
今回は新人研修特別講義ということで、M-SOLUTIONS株式会社の代表取締役社長 植草さんにジョイゾーにお越しいただき、SI講義をしていただきました。
M-SOLUTIONS植草さんってどんな方?
植草さんは、2000年にM-SOLUTIONS株式会社に入社後、会社の立ち上げを複数経験したのち、2019年にM-SOLUTIONS株式会社代表取締役社長に就任されました。
趣味は読書で、漫画・小説・ビジネス書まで幅広く読んでいるそうです。何かを勉強するときには、「漫画でわかる!」のように漫画で解説しているものを読むと、わかりやすく理解がしやすくおすすめだと教えていただきました。私も何かを学ぶときは、漫画から入ってみようかなと思います!
講義内容
SIのタイプを知る
初めに「SIとは」ということを教えていただきました。SIとは、システムインテグレーションの略で、顧客からの依頼を受け、要件定義(何を作るか?)から設計(どう作るか?)・開発・納品・運用保守まで情報システムの構築を請け負うITサービスのことを指しています。これらは、ウォーターフォール型という開発プロセスですべて人が行うビジネスモデルです。ウォーターフォール型については後ほど説明します。
SESと請負開発
SIの中にも2つの契約タイプがあります。
1.SES(システムエンジニアリングサービス)
SESは受託契約で、納品物の成果に対する責任を持たず、時間精算(Time & Material契約)の契約方法です。時間精算の場合、過去の実績を見て単価が決まり働いた時間に対してお金が発生します。
過去の実績に基づき案件が決まるので、新しいことにチャレンジするというより、自分に実績があるものを受託するということになります。
またSESの契約タイプでは、違う強みを持ったグループで提案をして、数ヶ月の契約をすることが多いです。そうすることで得意分野で分業ができるので効率よく、良いものを提供することができます。
↑このような管理の仕方をすることで誰がどの契約に入るのかわかり、月次精算なので毎月会社に利益が出る仕組みになります。
2.請負開発
請負開発は、一括請負契約で納品物をお渡ししてそれに対してお金が発生する契約方法です。SESとは異なり、働いた時間は関係なく成果物に対してお金が支払われます。契約時に請負範囲を決めるところも特徴です。
↑自分の要求が伝わらないことを表した図です。
請負開発は、自分の要求を正しく表現できないことが多いといわれ、受注から納品まで様々な人を介して行われるので要望が伝わりにくいことがあります。契約の際に、顧客が求めているものは何か理解してからシステム構築をすることがポイントです。
SIのビジネスモデルを知る
次に、ビジネスモデルについて教えていただきました。
1.プライム
プライムとは、元請けのことをいい、顧客から直接受注する契約関係のことです。何を作るのかということを決めていくのでコミュニケーションと提案力が求められます。
2.サブコン
サブコンとは、サブコントラクトの略称で下請けのことをいい、プライムと契約し業務を受注する契約関係です。元請け企業と契約を行うため安定した受注を行うことができ、リスクも軽減することができます。
↑ プライムとサブコンの契約パターン
SI事業の拡大
予算が決まっている中で開発をしていくときは人月・単価がよく使われます。人月・単価という考え方だけではなく、
価値=価格
という考え方を持つことが大切だと教わりました。価値を提供してそれに対して対価をもらうという考え方です。
ここでは、ピカソを例に教えてくださいました。上にも書いてあるとおり、「30秒で書くために30年かかった」というこの発言は、私たちでいうと「kintoneでシステム構築する時は短時間で進められるかもしれませんが、そこに至るまでにたくさんの時間を費やして技術を習得した」ということになります。
高い価値があるものには、高い価格で提供するというビジネスモデルを今回学びました。原価の積み上げで考えるだけではなく、価値で価格を決める考え方を忘れないようにしたいです。
プロジェクトマネジメントを知る
プロジェクトとは、独自のプロダクト・サービスを創造するために実施される、有期的な業務のことをいいます。例)プラグインの開発,セミナー企画
そのプロジェクトと対になる言葉は定常業務で、会社が継続するために継続的に行われる業務のことを言います。例)電話,日報,プラグインのアップデート,交通費の精算
今回学ぶプロジェクトですが、リソースが割り当てられ目標達成・遂行に責任を持つ人のことをプロジェクトマネージャーといいます
プロジェクトマネージャーの仕事は主に以下のことを行います。
- 要求事項の特定
- 明確で達成可能な目標を確立
- 品質・スコープ・タイム・コストなど競合する要求のバランスを取る
- 各種ステークホルダー(利害関係者)の異なる関心と期待に対して仕様・計画・取り組み方法を適用させる
プロジェクトを進めていく中で最も大切なことは、コミュニケーションをとるということです。プロジェクトというのは、ほとんどのものが1人で進めることはありません。プロジェクトに関わる人と、意思疎通をとりながら進めていくことが大切です。
プロジェクトの流れ
↑こちらの図はウォーターフォール開発(予測型)です。ウォーターフォール開発は一括請負をすることが多く、最初から最後までの計画を立てるので、予測をしやすいことが特徴です。時代の変化が激しい現在は、2年や3年かかって構築していくものはウォーターフォール開発(予測型)だと世の中の変化に適応できないことがあります。
ウォーターフォール開発に対して、アジャイル開発(適応型)は、反復型や前進型の2つがあります。「ここまで作ろう」とフィードバックし、ある一定の期間で徐々に作り上げていくという特徴があり、時代の流れに適応しながら作っていけることが利点です。
弊社のシステム39は、アジャイル開発にあたります。お客様と対面でお打ち合わせを進めながらシステムを構築していきます。システムを作っていく中で、変更が生じた時にも柔軟に対応できるところが特徴です。
基礎となるWBS(Work Breakdown Structure)を知る
WBSとは要素成果物の構成要素とアクティビティを使ってプロジェクトの要素成果物をツリー構造で表現したものをいいます。
- WBSの構成要素は名詞で構成する
- ブレークダウンするレベルは管理しやすいレベル(コストや所用期間見積もりが出来る)まで、要素分解する
- 一番最後のレベルをワークパッケージ
WBSでは、初期段階では大まかに全体像を把握し、プロジェクトが進むにつれて詳細に決めていく方法で進めていきます。
WBSの作成を体験する
今回、私たちは「カレーライス」をお題に先輩とペアを組みWBSに挑戦しました。今回は、模造紙に付箋を貼っていき作成していきました。
私のチームはカレーライスを作るために、「料理」「レシピ」というところから段階的に詳細化していきました。レシピの中にも、具材選定、調達など詳細にしていくと何項目かありました。できたものを発表してみると、同じカレーライスをお題にしていても詳細にしていく過程が違ったり、足りないものに気づくことができました。
今回のWBSは、今新人の私たちが企画しているセミナーでも企画段階で誰がどのように進めていくか、など順序立てて管理することができたのではないかと思います。今後、プロジェクトを管理するようなことがあった時には、WBSを作成し、仲間とコミュニケーションをとることを意識しながら進められたら良いと思います。
仕事=つらいものではなく、仕事=楽しいものであってこそ働きがいも感じるということを教えていただきました。プロジェクトで何よりも重要なことは、笑顔です。これから仕事をしていく中で困難もあると思いますが、笑顔を忘れずに仕事を楽しむ気持ちを持って働きたいと思います。
まとめ
これからSI業界で仕事をしていくにあたりジョイゾーだけでなく、業界全体としてのビジネスモデルやタイプを知ることができ、とても良い勉強になりました。お客様へ良いものをスピード感を持って提供することが大事だと思いました。
プロジェクトには、コミュニケーションと笑顔が大事ということを教えていただきました。新人が企画・運営する新人セミナーまで日も近づいてきましたが、笑顔とコミュニケーションをとることを忘れずに、最後まで進めていきたいと思います。