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インフキュリオングループは、平均年齢が35歳、子育てをしながら働くメンバーは約4割在籍しています。最近では男性の育休取得者も増え、2022年度は13名の男性社員が育児休業を取得しました。
全国的な男性育休取得率が17.3%という発表もある中、インキュリオンでは、2022年度の取得率は71%、平均取得期間は45日と大きく数字を上回っています。
今回はインフキュリオンの「男性育休のリアル」をテーマに、自身も今年1月に育休取得を経験した広報の平井 隆介が、同じく育休を取得した男性社員3名に話を聞きました。
写真の左から順に
社本 拓也(しゃもと たくや)
2020年4月新卒入社。Embedded Fintech事業部 エンジニア。育休取得のタイミングがプロダクトリリース時期と重なり葛藤もあったが、会社の取得しやすい雰囲気も後押しし、2022年11月に育休取得。
藤間 達郎 (ふじま たつろう)
2021年10月入社。Xard事業部 BizDev(営業)。第一子の出産を機に、2022年12月に育休取得。里帰り出産ではなかったため、妻の体調や育児にかかる負担を考慮し取得。
深尾 尊(ふかお たける)
2022年4月入社。Embedded Fintech事業部 BizDev(営業)。2歳になる長子の世話も必要で、妻からの要望もあり、第二子出産を機に2023年5月に育休取得。
平井 隆介(ひらい りゅうすけ)インタビュアー
2020年12月入社。Corporate Design本部にてグループ全体の広報を担う。第一子の誕生を機に、初めての育児に携わりたいとの思いから2023年1月に育休取得。
育休取得のタイミングや期間にジレンマも
平井:育休に入るにあたって、不安だったことはありますか? 当時の業務やチームの状況も含めて教えてください。
深尾:第二子の出産で上の子にも手がかかるので、産後すぐに育休を取得しようと考えていました。ただ、いつ生まれるかがわからないので、引継ぎや育休取得のタイミングに不安がありましたね。上司やチームに相談しながら、いつ生まれても良いように予定日よりも早めから休みを設定させていただきました。
社本:私は、新卒入社の男性育休取得者一人目だったので、育休取得前後の想像がつかず漠然とした不安を感じていました。少し迷いましたが、国の産後パパ育休制度が後押しになり、取得することを決めました。制度も踏まえながら、事前に上司と相談していました。
しかし、プロダクトのリリースタイミングが出産予定日と重なってしまいました。予定通り育休を取得するのは非常に心苦しく、葛藤しましたが、子どもがいる上司の理解があり、快く送り出してくれました。あの状況で送り出してもらえたことに、とても感謝しています。
藤間:インフキュリオンは、男性でも育休が取りやすい雰囲気があると感じています。実際に取得した方の話も聞いていたので、妊娠がわかった時点で、上司に育休取得の意向を伝え、出産予定日の2週間前には引継ぎを完了させることを目標に動いていました。育休取得にあたっての不安は特にありませんでしたが、取得する期間は少し悩みましたね。実際1ヶ月はあっという間で、今となっては3ヶ月でもよかったと思います。
平井:期間に関してはそうですね、私もまずは1ヶ月取得しましたが、実際に取得してみて、もう少し取りたかったと思いました。制度として育休を2回に分けて取れるようになったので、活用していければいいですよね。
私の場合は、マンションを購入したばかりだったので収入面が一番不安でした。ですが、労務チームの詳しい説明を受けて不安は解消されました。労務チームもリソースが少ない中で、こちらの事情に寄り添って1on1でサポートしてくれるんですよね。個々の状況に応じてアドバイスをしてくれるので、安心感につながっていると思います。
想像以上に大変だった育休期間。子ども中心の生活への覚悟ができた
平井: 実際に育休を取得してみていかがでしたか? 事前のイメージとのギャップなどはあったでしょうか。
藤間:生まれたばかりの子どもと一緒に過ごせて、成長を見守れたのがよかったです。一方で、育児と並行して家事もあるのは想像以上に大変で「自分が育休を取らなかったらどうなっていたんだろう」と思ったほどです。
深尾:一人目のときは育休を取らなかったのですが、今回二人目で育休を取ってみると、上の子の面倒もあるので一人目のときとは比べものにならないほど大変でした。二人の育児を甘く見ていたことに気づかされ、「本当に育休を取って良かった」と思いましたね。
社本:育休を取って一番良かったのは、心構えの面です。男性の場合は子どもが生まれても、なかなか生活が変わりません。育休を取って生活スタイルが変わったことで、夫婦で話し合う時間が取れただけでなく、育児中心の生活になるイメージを膨らませることができました。あの時間がなければ、もっと夫婦間ですれ違いが生まれていたと思います。夫婦で一緒に育児をすることで目線が合ってくるというのは、育休を取ったからこそ学べたことでした。
平井:なるほど、育休は育児や家庭と向き合うきっかけになりますよね。私は育休前に、「授乳以外はすべて一人でできるようになる」という目標を立てて、敢えてワンオペをやってみて、できないことを認識することから始めました。育休期間にしっかり育児と向き合えたことで、これから10年間ほどは子ども中心の生活が続くんだと覚悟できたことが一番の収穫だったと思います。
オン・オフの切り替えに苦労した育休明け
平井:育休から復帰するにあたって、不安だったことはありますか?
藤間:チームの支援などもあり、業務のキャッチアップの面ではあまり不安はありませんでしたね。ですが、仕事と育児の両立という面では不安でした。育休取得後にリモートで働いている人の話を聞いたことがなかったので、子ども中心の生活に仕事が加わると、どんな風になるのか想像がつきませんでした。
実際に、復帰後3〜4ヶ月はうまくオン・オフの切り替えができませんでした。試行錯誤した結果、8時半~16時までは仕事、16時~19時半はファミリータイム、19時半~21時までは仕事と分けるようにしたら、ようやく区切りができてきました。自身の事情に合わせてフレキシブルな働き方ができるのは、フルフレックスでコアタイムがないおかげです。
深尾:私が仕事に復帰すると、二人でやっていた育児を妻が一人で担うことになるので、「本当にできるのだろうか」という不安がありました。実際に復帰してみると日中は頻繁に子どもの面倒を見なければならない状況が発生したので、オン・オフの切り替えが難しく、なかなか仕事に集中できませんでした。
しばらく経ってから「日中はオン・オフの切り替えは難しい」と割り切って、日中は子どもの世話を優先し、朝と夜に仕事に集中する時間を作るようにしました。
社本:私は今も手探り状態です。復帰直後は仕事のタスクと家庭のタスクがごっちゃになってしまって、なかなか仕事のペースをつかむことができませんでした。最近になって、ようやく切り替えができるようになってきましたね。
平井:皆さん、悩まれていますね。「休んでいた分を取り返さないと」という意識が強かった分、私も両立が不安でした。復帰後は、仕事の隙間時間におむつ替えや洗いものなどできることをやっていました。復帰から2~3カ月後には、18時半までは仕事、18時半~21時までは子供をお風呂に入れたり寝かしつけするサイクルができました。
パパママ社員の交流の輪を広げて、育児と両立しやすいカルチャーを実現したい
平井:コロナ禍にできた特別休暇が発展して、自身の傷病時や家族の傷病の介護時などに利用できる「病気休暇」制度が導入されました。利用したことはありますか?
藤間:制度は認識していますが、まだ必要とするタイミングがなく、利用したことはないです。1日まるまる休むほどのことではないけれど、ちょっとしたトラブルで数時間休みが欲しいということも多いので、「1日の4分の1休める」などの使い方ができると利用しやすいかもしれないですね。ただそういった休みもフルフレックスの枠組みの中で取れているので、働く環境に恵まれていると感じます。
平井:そうですね、育児中は通院や検診に行く機会も特に多いので、時間休があると助かることが増えそうですね。また、有給休暇とは別に病気休暇があるというだけで、いざというときに使えるという安心感はありますよね。
制度ではないですが、保育園入園の申請の際に労務チームの柔軟で迅速な対応に助けられました。うちの場合、様々な事情が重なり、認可保育園への入園が難しかったのですが、自宅近くに企業主導型保育園があり、「企業枠」があることを知りました。保育園を運営する企業と連携契約を結んだ企業の従業員が入園できるものです。労務チームに相談したところ、契約の締結に動いてくれて、無事に入園することができました。
私の場合はとても助けられましたが、育児に関する制度やサポートがもっと必要だと感じることは何かありますか?
深尾:育休取得を検討している人は、モデルケースを知りたいと思うので、育休を取得した社員の情報(生まれた時期、育休取得期間など)がわかるといいですよね。育休取得を検討しているけれども、その前にちょっと誰かに話を聞いてみたいといったこともあると思うので、そういったことにも社員同士で柔軟に対応できれば、取得のしやすさによりつながるのではないかなと思います。
平井:最近、Slackにpapa-mamaチャンネルができていましたが、みなさんは参加されていますか?
社本:参加しています。社内SNS感覚で見ていて、「わかる!」と共感することも多く楽しんでいます。小学生の子どもを持つ先輩パパ・ママ社員の方々の投稿には、知らない情報が詰まっているので学びもあります。子どもの月齢が近いパパ・ママとのランチ会など、交流できる機会もあると面白そうですね。
平井:ありがとうございます。今後男性の育休取得者はさらに増えると思うので、これからも制度や体制をアップデートしてしていきながら、私たちの経験が後輩パパの役に立っていくと嬉しいですね。