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BaaSプラットフォーム事業部
ビジネス開発部セールスエンジニアリングチーム 兼 事業企画部プロダクト戦略チーム
白川 文寿
BaaSプラットフォーム開発初期の2019年3月からインフキュリオンに参画し、現在ITコンサルタントとプロダクト戦略を兼務する白川文寿さんに、インフキュリオンの組織のあり方として目指す方向性や、プロダクトおよび事業に対する考え方について聞きました。
PLからスタートし、2年間でPMを経てITコンサルタント兼プロダクト戦略担当へ
―2019年3月からインフキュリオンに参画されていますが、当初はどのようなお仕事をされていたのですか。
Wallet Stationの顧客への導入にあたってのプロジェクトマネジメントに携わりました。PLとして、開発に関わるところでは顧客のシステムとの連携に必要な機能を開発するための詳細設計も書きましたし、運用面のフロー策定や体制構築などもやりました。PMの補佐としてやれることは何でもやっていました。その後2019年12月には別のプロジェクトのPLとなり、2020年の夏頃にはPMを任されるようになっていました。
その後もプロダクト開発部にいましたが、2021年4月にビジネス開発部の所属となりました。
ここでは、当社サービスを活用したクライアントのビジネスモデルの企画・提案をしており、私はITコンサルタントとして技術的観点からの情報提供や、仕様の策定に向けた調整などを主にしています。プロダクト開発とのブリッジ的な役割です。
2021年10月からは、新しく立ち上がった事業企画部にも所属しており、ITコンサルタントと兼務しています。事業企画部での仕事は、Wallet Stationをプロダクト視点でどのようにグロースさせていくか、その戦略を考えていくことが中心になります。
2つの顔を持ってプロダクト戦略の意思決定に携わる
―2つの部署を兼務されているわけですね。それぞれについてもう少し詳しく仕事の内容をお聞きしていきたいと思いますが、まずビジネス開発部でのITコンサルタントの役割について教えてください。
当社とお取引のあるお客様の場合、たいていビジネスサイドから「こういうことがやりたい」という構想段階の相談が来ます。それに対して、自分たちのプロダクトをどのように使い、システム的にどう実現するか、技術的な観点での解像度を上げていくところがITコンサルタントの役割です。
相対するのは、事業企画などのBiz担当部門や、技術系の部門だとしても企画寄りの方が多いです。お客様と一緒にミーティングをしたり、「どう実現するか」のイメージを資料化してお客様に伝えたりするのが主な仕事です。
―事業企画部におけるプロダクト戦略チームとしての役割はいかがですか。
ITコンサルタントがお客様のビジネス目線だとすると、それに対して事業企画部はインフキュリオンのプロダクト戦略を検討・策定していく役割を担っています。
ですので、兼務している私は2つの顔を持っているようなものですね。ある場面ではITコンサルタントとしてお客様のビジネス目線で、別の場面では事業企画部の目線でプロダクトのことを考えています。
事業企画部は「プロダクト戦略会議」をホストしており、各所から上がってくるプロダクトに対するアイデアや要望は、基本的にその場で議題に上げる形です。そこで、フィジビリティや意義について部門横断的にディスカッションした上で、どうするかを決めていきます。
例えば機能追加の要望であれば、BaaSプラットフォームとして必要だと判断して実装することもありますし、プロダクト戦略と合致しなければ別の方法でお客様のやりたいことが実現できないか再検討することもあります。そうやって、Wallet Stationのプロダクト戦略上、できること/できないこと、やること/やらないことを意思決定するのが事業企画部のミッションです。
その意思決定は、ITコンサルタントとしての自分のネクストアクションにもつながり、お客様への最終的な提案内容を決めて、契約成立までをサポートしていきます。
事業企画部が10月に新設された理由もここにあります。要望が出てきた際に、単にそれに応ずるのではなく、プロダクト視点で是か非かの検討をした上でソリューション提案する必要性が顕著になってきたということです。
誰もがエンジニア、誰もが事業企画でいい
―顧客の要望を単に受け入れるのではなく、異なる視点から検討してプロダクトがどうあるべきかを決めていくわけですね。
そうです。そのため事業企画部は、プロダクト開発側とビジネス開発側からそれぞれ兼務する形で人が来ていて、バランスをとりつつBaaSプラットフォーム事業全体を見る部署として成立させている感じです。
―事業企画部ができ、兼務の体制になって、やりやすくなったこと、よくなったことはありますか。
以前だと、例えばお客様のニーズに対してプロダクトとしてどう応じるかは、見積もり作成担当者間で調整して終わりでした。今は、そこに対して部署横断で、ステークホルダーを増やして、プロダクト戦略の視点を入れたディスカッションができるようになったのは、よいことだと思います。
今の体制になったことで、各部門がWallet Stationで自分たちが何をしようとしているのか、目線が揃えられるようになったと思うんですよね。そうすると、例えばITコンサルタントの立場では、「お客様からの要望に基づくその機能はWallet Stationのスコープ外だから、別の形でニーズを満たす方法を提案するよ」とか、逆に「僕らのプロダクトはこうなる予定だから、こういうカスタマイズの要望は受けるべき」といったプロダクト戦略に基づいた会話を、他部門とできるようになります。
個人的には、そういうディスカッションがこれまで社内に足りなかったと思っています。これはもう、全社レベルで。理想論でしかないですけど、たぶん僕らのような会社って、誰もがエンジニアで誰もがビジネス開発をやっていいと思うんですね。ポジションはエンジニアでもビジネスのことを考えていいし、ビジネスサイドのメンバーがプロダクトについて意見してもいい。
それができる方向に進み始めたので、何がインフキュリオンのビジネスにとってよいことなのか、Wallet Stationというプロダクトにとってよいことなのか、事業企画部を中心にもっと深掘りしていければいいと考えています。
組織として成長したからこそ見えてきた「新たな課題」
―Wallet Station開発の初期から関わられている白川さんから見て、インフキュリオンの組織としての成長をどのように感じていますか。
人は増えましたよね。それも、ただ増えただけでなくいろいろな経験を持つ人が参画して、視野に入れるマーケットも広がったと思います。2年前は金融機関を中心に見ていましたけれども、今はそれ以外の業種ともビジネスしたいという思いがありますので。また、XardやPayDashなどプロダクトも増えました。
ただ、そうした変化を成長と呼ぶのかというと、そうは思わないですし、自分自身もあまり成長実感というものはありません。
―控えめなお答えですね。
もちろん、個別に見れば成長していないということはないと思います。ただ、私たちがグローバルNo.1のBaaSプラットフォームという高い目標を掲げている中で、海外企業の進化のスピードと比べると、自分たちの2年でできたことはまだ全然足りていないと思っているんです。これを「成長」と呼んでしまったら、自分たちが本当に目標とするレベルまで成長できないんじゃないか、そう思って口にしたくないのかもしれないです。
ただ、自分たちが2年間懸命に走ってきたことも事実ですし、だからこそスコープが広がった部分があって、逆に見えていない部分があることも分かってきました。そういうフェーズに入ったことが組織としての成長と言えるのかもしれません。
―スコープが広がった部分というのはどういう点でしょうか。
それは、Wallet Stationを導入することに集中していたフェーズから、その先でBaaSプラットフォームとしてビジネスを成立させること、それを成長させ続けることに目を向けるフェーズに移ったということです。
この最初の1、2年は、お客様に導入していただくことが大事でしたし、プロジェクト単体の完遂に目が向いていたと思います。そしてそれは、このフェーズにおける戦略として必要なことだったと思います。
でも今後は、導入社数を増やすことやトランザクションを増やすことも含めてプラットフォームの拡大に力を割いて行く必要があります。それこそが本来、僕らが創ろうとしているBaaSビジネスだからです。ようやくその課題にぶつかれた、これからスケールしていく上でのスタート地点に立てたことが成長と言えるのだろうと思います。
自分を枠にはめず、やれる限りのパフォーマンスを発揮したら何ができるか
―白川さんが感じる、インフキュリオンならではの「仕事の面白さ」や「やりがい」は何ですか。
1つは、やはりフィンテックという、いま非常に動きが激しく“熱い”領域で仕事ができることです。そういう領域で、自分が面白いと思ったことを形にして世の中に価値を提供していけるのは、インフキュリオンならではの仕事の面白さだと思います。
もう1つは、この“熱い”領域に対しての立ち向かい方を組織全体で一生懸命模索して、アメーバみたいに変化しながら動いているところです。例えば、セールスエンジニアリングチームができたのは2021年の4月ですし、事業企画部ができたのは10月です。僕の今いる部署って、どちらも新しくできた部署なんですよ。
しかもそれは、僕が「やらせてください」と会社に言って承認されたとかそういう話ではないんです。会社として変化の必要性を感じて、「こいつにやらせてみよう」と僕に新しいポジションを任せてくれた。僕もそれに対して、自分でどういう動きが必要かを模索しながら仕事をしていったら、また次の課題が見えてきて、ポジションが増えた、そういう流れなんです。これって、経営層がちゃんと社内を見ているからこそできることですし、そういう環境の中で働けるのは、とても面白いことだと思っています。
―白川さんが仕事をする上で大切にしていることはありますか。
それぞれの立場の人が、パフォーマンスを最大限に発揮できるようにすることです。平たく言うとWin-Winですね。これはPMをやっていた時から今まで、変わらずに大切にしていることです。
例えば開発部門だったらお客様にとってもエンドユーザーにとってもベストなサービスを提供することを考えますし、PMだったら自分たちの開発メンバーがそこに価値を置いて彼らの力を最大限発揮させること、その結果としてお客様やエンドユーザーの満足度を最大化することを考えますよね。
今の私の立場だったら、その対象は社内の人に限りません。お客様の要望をできるだけ叶えつつ、自分たちのプロダクトも成長させるし、そこに対してエンジニアが最大限力を発揮して、納得感を持って仕事ができる機会をつくろうと考えます。
自分のことはあまり考えてないんですけど、周りの人たちにとって一番いい形になるように、自分がどれだけ頑張れるか、結果を出すために周りを高められるかということをいつも考えて仕事をしています。お客様も含め、関係する人たち全員に共通する目標は何かを考えて、それが達成できたかどうかが自分のパフォーマンスの評価だという捉え方です。
―現在、さまざまなポジションで求人募集をされていますが、どういう人にチームに加わってほしいと思いますか。
チャレンジ精神がある人。それはポジションに関係なく、どの立場の人でもです。あとは、グループの目標を自分事として動ける人。大企業のように役割分担がはっきりしている環境ではないので、自分の役割を決めてそれができていさえすればいいと考える人はたぶん合わないと思います。
インフキュリオンのValueの1つに「Great Work, Great Team.」というものがありますが、自分はそれにとても共感しています。チームの中で割り当てられた役割の中でどこまでやれるかを考えるのではなく、自分を起点に個人として最大限の仕事をしたら、チームにどのような力を与えることができるのか、何を成し遂げられるのか、そういう考え方で働ける人にチームに加わってほしいと思います。