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ビジョンを定義し、rootはデザインの「実践」の先を目指します

創業から10年目に突入した今期、rootは新たなビジョン「Design Doing for More」をリリースしました。

https://ic-root.com/aboutus/

Design Doing for More
デザインの実践を個から組織・事業へ

デザインの根源的な力をより多くの人々、より多くのものごとへ活用することで、世界はより良く前進できる。わたしたちは、そう信じています。

デザインの根源的な力とは、人の想いを形に変え社会へ届ける行為であると考えます。
1人の志からはじまる事業もその志が形となり社会を変えるように、その過程において本来あるべき姿を問い形作る行為こそがデザインの力によって為せるものです。

今、デザインは個から組織・事業へその可能性が広がっています。
我々は事業の成長によりそい、デザインを実践しようとする人々を支え、より多くのものごとへ活用していくことで、世界をより良く前進させていくことに貢献します。


プレスリリース

サービスデザイン会社 root が、新ビジョン『Design Doing for More』のもと、デザイン組織の立ち上げ・運用支援サービスを開始
■サービス化の背景 創業からの10年目、多様なクライアント支援をする中で、「経営や戦略視点から組織的にデザインを利活用していきたいが、どのように実行していくべきか見いだせない」という企業が少なくないことを実感してきました。 ...
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000010949.html

それに伴い、本記事ではビジョン策定の経緯、およびroot が今後どのような世界を目指そうとしているのかを、創業者である僕自身の考えも交えお話していきます。

目次

  1. ビジョン策定は、組織として前へ進むために
  2. Design のその先に Doing for Moreを
  3. Design Doing for Moreの定義
  4. 新たな支援サービスとしてデザイン組織の立ち上げ・運用支援
  5. まとめ


ビジョン策定は、組織として前へ進むために

rootでは、昨年CIリニューアルに際し、ミッション・バリューを策定しました。

その段階では、クライアントワークを主軸とした事業形態を踏まえ、「ビジョンは定義せずクライアントのビジョンによりそうことが我々のミッション達成においても必要だ」と考え、ミッション・バリューのみの定義に至っていました。


rootのフィロソフィーを刷新、デザインパートナーとして新たなスタートへ|西村 和則|note
今回、サービスデザイン会社である root は、CIの刷新を行い、改めて企業としてのフィロソフィーを見つめ直しました。この記事では、root が取り組んできたCIリニューアルの流れとともに、今後、私たちがどのようにサービスデザインと向き合い何を目指そうとしているかをご紹介させていただきます。 ...
https://note.com/nishimuu/n/nba81b645da07


しかし、この半年ほどで組織が拡大していく最中、僕自身の役割も変化してきました。メンバー、パートナーの増加につれて、自身の視点や考えを共有しつつ組織を推進していくことが難しいと実感する場面が多々あったのです。

元々、自分自身もWebデザイナー出身で、人とコミュニケーションを取ることよりも作ることが得意なタイプ。また、拡大していく組織の中で、一人ひとりと意識をあわせてrootが今後どのようになっていくのかの目線合わせを、対話だけで行い続けるのは難しい。そう実感する瞬間が増えてきたのがこの半年間でした。

特に重要だと感じた場面が、採用面談です。初めてお会いする方々にrootとはどんな会社で 何を目指しているのか?とお話をする機会が増えるなか、今後メンバーも、自分と同じ視点で伝えられるようになっていけるのか?この点は大きな課題になるだろうと想像が付きました。

こうした観点をすり合わせる上で、改めて「ビジョン」が必要ではないかと考えたのです。

ただ、明確な言葉にこそなっていなかったものの、「この先会社として進むべき道や目指すべき先」は、ミッション・バリューを定義した時点で、ある程度定まっている感覚もありました。

創業からの時間を振り返ると、自分自身がどのようにデザインと向き合っていくか、どうデザインをしていきたいか、と考えることが多かったと感じます。しかし、ここ数年組織を拡大していくと決めた時点から、徐々にデザインという領域自体や、rootに関わっていただくクライアントやメンバー、パートナーにどんな経験や学び、成長を提供できるか。そのために何ができるかを考えるように変化していることに気づきました。

背景には、自身がデザイナーとして経験してきたいくつかの失敗や、拡大していくスタートアップへ支援するなかで、一人でできることの限界を知ったのもあります。支援する事業やそこに関わる人の力になるためには、組織としてデザインを支援し、より大きな成果を残していかなければいけない。それが自分自身が果たすべき役割だと考えました。

これは、デザインに向き合ってきた10年間から見る、経営者としての自分の視点です。

Design のその先に Doing for Moreを

それを踏まえ、我々は何を目指し、どうデザインをしていくか。

これまで様々な事業の立ち上げや成長を支援させてもらう中で、「事業づくりは、人と人が行うモノづくり」––それに尽きると実感しています。

事業の立ち上げでは、人と人が重なりながらモノづくりをすることで起こる課題がたくさんあります。それに対し、デザインという手段は、時に人と人を繋ぎ大きな求心力を生み出すハブとなることを実感してきました。

であれば、デザインを特定の人や領域に留めるのではなく、「あらゆる人が組織・事業の中で共通した思想や思考を持ってデザイン活動をしていくこと」を目指すべきではないか。そう考えるようになりました。

これは、デザイン自体を捉え直しても同様のことが言えます。デザインとは、本来誰もが持っている創造性の力を発揮する行為。ものごとをよりよい方向へ導く活動を行っている人は、誰もがデザインをしていると言えます。それ故、これまでデザイナーが専門的に行ってきたDesignという営みは、より広義になり、より一般化され広がってきている。

ビジョンに掲げた「Design Doing for More」は、そうした背景をふまえたものです。我々は、「誰もがデザインを実践しその力でものごとをより良く進めること」 = 「Design Doing for More」と定義します。このビジョンに向け、rootの役割はデザイン成果物の提供に留まらず、Design Doing(クライアント組織のデザイン実践)を手助けするファシリテーション、ナレッジ、ソフトウェアやプラットフォームの提供へと昇華していくと考えています。そのために必要な姿勢を我々は以下のように定めました。

  1. 不確実なもの、曖昧なものをそのまま受け入れ、実践を繰り返す中から精度を高めていくこと。
  2. 固定観念に囚われず、無知の知を認識し、現場にあるものごとに真摯に向き合い、共感と直感を元に真に必要とされるものに近づくこと。
  3. さまざまな感覚を活用し、本当に驚きや喜びのある体験を生み出すこと。
  4. 遊び心やユーモアをもって、ものごとに愛着の感じられるような親密さを生み出すこと。
  5. 矛盾する様々な視点や情報を総合し、より高次なものへと変化させていくこと。

Design Doing for Moreの定義

こういった「デザインに対する姿勢」をデザイナーだけのものとせず、事業づくりに関わる関係者すべての共通認識としていくことで、「組織としてのデザイン実践」へつながっていくと考えています。

クライアント支援のあり方として、アウトプットの提供(図の①)に留まらず、伴走を通じて(図の②)チーム内のデザイン姿勢を高め当事者自身(図の③)がチームや組織としてデザインを実践していくことを支える。

新たな支援サービスとしてデザイン組織の立ち上げ・運用支援

このビジョンへ向かう一歩として、rootは「デザイン組織の立ち上げ・運用支援サービス」を開始していきます。

これは、これまで取り組んできたUI・UXデザイン支援での経験をもとにしたもの。そして、組織のデザイン理解や活用を高め、デザイン実践を広げるためのものです。組織内で少数派となりやすいデザイナーは、デザインの価値を社内で認知・活用してもらうには、その土台から作らなければいけません。しかし、その段階で疲弊してしまうことも多々あります。 我々が支援するのは、そういったデザイナーの課題意識を解き、事業や組織全体へデザインの実践を広め、定着させていくまでのすべてです。

具体的には、以下のような支援内容を考えています。

  • グロースフェーズにおいて、デザイナー人員増加に耐えうるデザインプロセスの体系化や整備
  • 開発者や他デザイナー含めてデザインアセットを活用できるような、デザインシステム整備や運用の支援
  • PdMやエンジニアも含むプロダクトチーム、および開発サイクルでの、デザインアプローチの導入(UXリサーチや顧客インサイトを元にした施策立案・プロセス導入など)

もちろん、クライアントの課題に応じて支援内容は変化します。ただ、共通しているのは、我々は手法やフレームを提示しやり方を伝授するのではなく、チーム内で協働し一緒に走っていく点にあります。

事業づくりは常に変化していくもの。プロセスや手法を提示するだけで当事者として実行を伴わない支援では、事業成長に対してインパクトのあるデザイン活動は難しいと考えるからです。

我々はクライアントのプロダクトチームに参加し、デザインチームとして機能しながら伴走。その中での活動を体系化し、アセットとして残すのが役割です。それによって、プロダクト開発に関わる(クライアント側の)メンバーや新たに参加してくるデザイナーに対しても、それまでのプロセスや過程・経験を活かした活動を行ってもらいやすくなる。その素地づくりをしていきます。

「デザインをデザイナーだけのものにしない」という言葉を聞くことがあります。まさしく我々が支援する対象はデザイナーのためのデザイン支援ではなく、事業づくりに関わる人々を対象に、その輪を広げる取り組みなのです。

これまでの案件の中でも、複数事業を横断した支援ケースがあり、クライアントチームと共にデザインした活動の結果をナレッジとして体系化し、次の事業へ広げる実績も生まれています。

最初は1つの新規事業の相談からはじまり、その中で実践した活動内容をナレッジとして体系化。応用する形で2つ目、3つ目の新規事業へ展開しました。同じクライアント組織内。インハウスのデザイナーや開発チームとも協働しながら組織内でデザイン姿勢の認知と実践の輪を広げ、顧客起点での事業開発を実践していきました。

まとめ

僕はこれまでスタートアップのコミュニティに属しながら、デザイン支援の事業を10年にわたり続けてきました。

その中では「なぜ、調達やイグジットを視野に入れた事業で拡大を目指さないのか? 」「クライアントワークって労働集約では?」といった声をいただくこともありました。もちろん、指摘は間違ってはいないのですが、僕自身がデザインファームを続ける理由は、至ってシンプルに「デザインが好きだから」に尽きます。

自分の手がけたものが、誰かに届き、それが喜ばれる。この感動をより多くの人に味わってもらいたいから、デザインを探求できるデザインファームを経営し続けている。

ゆえに、日々そう感じて働けるデザイナーを増やしたいですし、事業づくりに関わる人みなにもそう感じてもらえる瞬間を増やしたい。そのためには、組織を横断しながら輪を広げる存在がいてもいいんじゃないか。そう思うからこそ、このビジョンに至ったという側面もあります。

とはいえ、まだ掲げているものに対しては、1合目あたり。共にDesign Doing for Moreを実現していきたいよという方はぜひお話しましょう。

プレスリリースURL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000010949.html

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