ベトナムからフルリモート勤務しております、コーポレートコミュニケーション担当のもりこです!
MOVOの急拡大を支えてきたのがHacobuエンジニアチーム。重要な経営判断であり、Hacobuの転機ともなったのが2019年の大規模「フルリプレイス」。技術負債を解消し、業界初の「物流情報ビッグデータ」構築を推進するHacobu CEO佐々木太郎とCTO戸井田裕貴に、約1年半の死闘の裏側について語ってもらいます!
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───前半セッションでは、CEOとCTOの出会いから、Hacobuの技術開発まで盛りだくさんに有難うございました!では、いよいよ2019年、転機となった「フルリプレイス」の話を聞かせてください。
戸井田(CTO):もともとMOVOの各プロダクトは、それぞれ異なるプログラミング言語やアーキテクチャで構成されていました。創業当時は、各エンジニアの得意な言語で一刻も速くリリースし生き残ることが最優先だったからです。ただ、運用をしていく中で、PMFが見えてきたり、会社のフェーズが変わったり、それなりに技術負債も貯まり、属人化も進みと、あるあるの展開をむかえたのです。そこで2019年、目先ではなく未来のHacobuに投資すべく全プロダクトをフルリプレイスしました。具体的には大きく3つのことを実現したかったからです。
1つめは、車両や車格や荷姿等のマスタデータや、位置情報等の共通トランザクションデータが、プロダクト横断の共通データとして定義されていること。
2つめは、各プロダクトが共通のUIを通し、シームレスに機能連携していること。
3つめは、技術スタックを共通化し、最高効率でMOVOの開発を行えていること。
このフルリプレイスは、文字通りSaaSを構成する「全て」のリプレイスです。パブリッククラウドしかり、DBしかり、ソースコードしかり、デザインしかり、全てをリプレイスしました。エンジニアチームの総力をあげてこのミッションに取り組み、紆余曲折を経てなんとか無事リリースできました。約1年半の死闘でした(笑)。
そりゃ、お腹も痛くなるよね(笑)
───死闘ですか。
戸井田(CTO):死闘でしたよ。メンバーの働き方は凄まじいものでした。僕も24時間365日ずっとフルリプレイスの事だけ考えていましたし、ご飯食べてるときも、シャワー浴びてるときも、娘と遊んでる時も、ずっとあーしたらもっとスケールするとか、こーしたらもっと開発速度あがるかもとか、そんな日々が続いてました(笑)。
あとこれを実現したら、Hacobuが次のステージに進むことができるという事も確信していました。無理かも?と頭をよぎっても、それを承知で乗り越えて前に進む人が、新しい価値を生み出していくと思うんです。実際、今までこれは無理だなと思ったことが何回かありましたが、何とかなってきてるので、そういう意味で楽観的に進めていました。
実際、フルリプレイスを成し遂げたメンバーは、大きな自信と経験を得ました。でも、もうみんなお腹いっぱいなので、「もう絶対にリプレイスは起こすまい」という強い気概のもとMOVOの開発に日々取り組んでいます(笑)。
───「MOVO」のフルリプレイスはどのように進んでいったのですか?
戸井田(CTO):まず内容ですが、データベースの設計をゼロからやり直し、ソースコードは全て新言語で書き直しました。DevOpsもゼロから構築し直し、旧環境(MOVO1.0)から新環境(MOVO2.0)へのデータ移行も行う、という非常に難易度の高いものでした。(Hacobuでは完全なリプレイスだという意味を込めて、社内ではフルリプレイス前のMOVOをMOVO1.0、フルリプレイスを終えた後のMOVOをMOVO2.0と呼んでいます)。前述のようにエンジニアチームが総力をあげて臨んだので、その間、毎月2回機能リリースをしていたMOVO1.0の新規開発を凍結せざるを得ませんでした。お客様の機能要望に応えたいが、応えてしまうとMOVO2.0にも開発項目が増えてしまい、リリースが遅れてしまうというジレンマでした。
───フルリプレイス中は、ビジネス側も相当苦労されたとか。
佐々木(CEO):MOVO1.0の機能開発を止めたことで、セールスやカスタマーサクセス部隊の、お客様への対応はとても大変でした。エンジニアも心苦しさを抱えつつ、リプレイスに集中していたというのが実態です。ただ、短期的には大変でも、中長期的には、このフルリプレイスが日本の産業やお客様のためになるという想いが強かった。社会課題を解決したいメンバーが集まっているので、エンジニアもセールスも本気度が違う。大変だったけど、組織自体をさらに強固に成長させた気がします。
───フルリプレイスを決意した、経営判断の背景を教えてください。
佐々木(CEO):2018年、旧環境(MOVO1.0)の時に、古株のエンジニアに機能開発の相談をしたら、「太郎さん、この開発もあの開発も、かなり工数がかかります」と半ば輝きを失った目で言われました。これはいけないと思って、全エンジニアと1on1で話したら、各プロダクトの中身がぐちゃぐちゃになってきていた。ちょっとした変更でも、影響範囲が大きくなりすぎてしまっていたので、このままでは数年後に破綻する、と危機感を覚えました。
それでも、その状態のまま突っ切るベンチャーも多い。ただし、その代償として、これ以上グロースできないケースがあることを知っていました。我々は何より長期的な目線で物流情報プラットフォームを創る、という社会課題に挑んでいます。ここで投資しないという判断は、あり得なかった。
戸井田(CTO):実際、新環境(MOVO2.0)になる直前に、旧環境(MOVO1.0)のデータベースが、ユーザー数の増加に耐えられなくなってきて、マジでヤバい状態になったんですよね。もうこれ以上スペックあげられないんだけど、という状態です。今思うとあのタイミングでフルリプレイスの意思決定していていなかったら大変なことになっていたと思います。やっぱ太郎さんは持っている。
佐々木(CEO):なんか、改めてドキドキしてきた(笑)。フルリプレイスを成し遂げたこともあって、MOVOは42万名のトラックドライバーの方に利用いただける(*1)サービスに成長できた。あの時、現場の声に向き合って本当に良かったと思っています。
(*1)累計利用ドライバー数とは、利用者が「MOVO Berth」を利用する際に登録するドライバー電話番号のID数
───これまでの7年と、これからの7年――。2030年に、どのような未来を描いていますか。
佐々木(CEO):7年後の2030年ですよね。この7年、事業を展開してきて、物流の社会課題を解決するためには、数多くのステークホルダーと、データを軸に対話を重ねていくことが必要不可欠だと分かりました。冒頭にも述べたとおり、持続可能な物流インフラを創るために、「物流情報プラットフォーム」を構築していくことに全力を尽くす。そのためにはMOVOのネットワークの輪をもっと広げていきたいし、技術的にもアイデア的にも様々な人たちと交流をして、「ロジスティクス・イノベーション」への化学反応を起こしていきたいです。
戸井田(CTO):そうですね。まさにHacobuの目指す姿でもあるわけですが、僕はWebアプリケーションの最高到達点を目指し、SaaSの限界を超えていくことに注力したい。今後はデータ分析を筆頭に、機械学習、AI、ハードウェアを活用して、MOVOをインテリジェント化していきたいと考えてます。MOVOを使って積載率を可視化したり、共同配送したりといった、業務改善に留まらない新たな価値を提供していく。
佐々木(CEO):Hacobuは、物流の社会課題を解決するという強い信念を持ったメンバーが集まった会社。最高のメンバーと未来を創っていけることに、心からワクワクしています。物流の社会課題解決は、確かに難しい。だけど、「最難解の課題に挑戦したい」そんな志を持つ皆さんと共に、日本の新しい物流インフラを創造する日を夢に描いています。
いかがでしたでしょうか。今まであまり語られてこなかった、大規模フルリプレイスの裏側と今後の展望をたっぷり語ってもらいました!
今後もMOVOのインテリジェント化やフルリプレイスに関する深掘り記事を公開してまいります。
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皆様にお目にかかれるのを楽しみにしています!