今回はGoodpatch AnywhereでUIデザイナーとして働くハマダナヲミのインタビューをお届けします。彼女は2018年のAnywhere立ち上げ当時から活躍し続けているメンバーのひとり。フリーランス時代に学んだタイポグラフィやグラフィックデザインなどを専門に活動し、Anywhere内で勉強会を開催するなど頼られる存在です。
2021年9月にはAnywhereのMVPも受賞した彼女に、フリーランス時代と現在の環境の違いや、多様なスキルを持つメンバーが集まるAnywhereならではの働き方について聞きました。
フリーランス時代に出会ったフォントの魅力
学生時代は映像やグラフィックデザインを勉強していました。絵を描くことも好きで、油絵を描いたりもしていたのですが、なかなか成果を出すことができず、学んだことをすぐに表現できるWebデザインの世界にのめり込んでいきました。学生時代は福岡に住んでいましたが、デザイナーをするなら東京の方が働き口が多そうだと考えて上京。Web制作会社に入社し、コーポレートサイトや紙媒体のデザイン、アートディレクションを担当してきました。
現在はWeb3という言葉を耳にする機会が増えましたが、私がWebデザインを始めた2000年代はWeb 2.0が生まれたばかりの頃。当時はデザインツールも今のように充実していなかったし、私の周りでは長時間労働が当たり前という風潮がありました。「同じ働き方をこれからも続けていくのは難しいな」と感じて、自分で業務量を調整しやすいフリーランスに転身しました。
(ハマダが2013年に共著で刊行した書籍。グラフィックデザイナーの視点で、当時編み出したTipsを紹介している。)
フリーランスになってから、より実践的な知識を身に付けたくてタイポグラフィについて改めて学び始めました。
特にフォントは視覚表現の一つの到達点だと考えていて、知れば知るほどおもしろいものでした。見せるものなのか読ませるものなのかで役割が異なったり、私たちが日常でふと見るフォントにも、実は奥深い意味が込められていたりします。それぞれのフォントが作られた時代背景や、作った人の想いをデザインに生かすことで、よりいいものづくりができると考えるようになりました。
遠隔密着型のAnywhereらしさを感じた初プロジェクトの思い出
Anywhereの存在は、当時Goodpatchで働いていた友人経由で知りました。地方にいながらリモートで働ける点に魅力を感じて応募したんです。ちなみに同時期にジョインしたのが、UIデザイナーの佐々木です。
関連記事:
「Anywhereだから、夢を叶えられる」メンバーと一緒に実現したい世界とは。UIデザイナー佐々木優子
当時は正直、Anywhereの仕事も「フリーランスとして受ける外注仕事の1つ」という感覚でいました。でも、実際には全くそんなことはなくて。Anywhereのプロジェクトに入って驚いたのが、チームにディレクターがいなかったことです。今まで私がデザイナーとして受けてきた仕事は、ディレクターが役割分担や指示出しをする決定権を持っていて、それに従う形だったので、いい意味でギャップを感じました。「どうやって進めるんだろう?」と思いながらも、手探りで動いていく中で「プロジェクトの成功のためにはハブ役を作らない、ときには自分の領域を超えてサポートし合う」というマインドを学びました。
Anywhereメンバー同士、ときにはクライアントも一緒に議論しながら、ベストな方法を導き出す中で、チーム全員が同じ方向に向かって進んでいる空気を初めて感じました。今までは意図や背景が分からない修正依頼が飛んできて、モヤモヤしながら対応をすることもありましたが、Anywhereではそうしたことが一切ありません。プロジェクトの背景やWhyを深く理解して関わることで、精神的にも安心してプロジェクトに向き合えるようになりました。
ほかにも、プロジェクトが開始する段階で全員がクライアントと顔を合わせてチームづくりをすることも初めての体験でした。当時からすでに「遠隔だけど密着型」のAnywhereらしさが出来上がっていましたね。
関連記事:
遠隔密着共創組織のXXトークセッション①フルリモートでもエンゲージメントが高い理由
コラボレーションをするために僕らは、心理的安全性のあるチームを作ることを宣言していて、お客様も含めたチームビルディングをしていきます。週に1回じゃ遅すぎるので、毎日顔を合わせて、心理的な距離が開かないうちにどんどんディスカッションできるチームを作っています。
地理的なところでいうと、僕らはFigmaやStrapやMiroなどのデザインツールを使っているのですが、こういったものもお客さんにリアルタイムで入ってもらえるようにしています。隠し事が何もなく、情報がオープンになっている上で、エンドのお客さんと一緒に作っていきたいんですよね。そういったコミュニケーションのスタイルは、この「遠隔密着」というワードに凝縮されているんじゃないかと思っています。
多様な専門性を持つメンバーと共創できる魅力
Anywhereで働くようになってから、自分自身のマインドにも変化がありました。今までは意見の衝突を避けてきた部分がありましたが、Anywhereで異なる専門性を持つメンバーと共創する中で、「立場が違えば、意見も違って当たり前」「他の人の視点を知ることは楽しい」と思えるようになったんです。
UIデザインへのフィードバックひとつ取っても、ブランドの観点で見てくれるメンバーもいれば、情報の構造が正しいかどうかを見てくれるメンバーがいたり。専門性が高いデザイナーやエンジニアが集まっているからこそ、化学反応が起こりやすい。そんな環境なので、自分自身の知見がひとつの領域に閉じず、Webもアプリも「いいとこ取り」で学んでいけることもすごくいいなと感じています。私も自分の知識をみんなと共有するために、Anywhere内でフォント勉強会を開いたこともあります。
Anywhere内はもちろん、クライアント向けにUIデザインやタイポグラフィに関する講座を開くこともあります。最近では他のプロジェクトのメンバーからも相談や質問をもらうことがあり、少しでもみんなの役に立てていたら嬉しいです。
私は気付いたらAnywhereの中でも古株メンバーになりつつありますが、今も悩みは尽きません。他のプロジェクトとのバランスを取るのも難しかったりします。でも、Anywhereはデザイナーとしてだけではなく、ビジネスパーソンとして成長していける環境です。
フリーランスをやりながらも、誰かと一緒に働いて成長したい方にはぴったりな環境だと思います。メンバーそれぞれが深い専門性を持っているので、みんなでナレッジを共有して高め合っていけたらいいなと思います。
Goodpatch Anywhereでは、一緒に「デザインの力を証明する」メンバーを募集しております!インタビューを読んで少しでも気になった方はお気軽にお問い合わせください。