こんにちはフーディソンの広報です。
弊社はスタートアップとして日々『世界の食をもっと楽しく』することを目指しています。今回は上場企業から創業3期目のベンチャーへ移り、新規事業に果敢に挑戦する新規事業開発部長に様々な想いを伺ってみました。
編集部:伊藤さんのご経歴を教えてください。
伊藤さん:フーディソンは2社目なのですが、新卒で大阪に本社があるカタログ・ネット通販のプライム(当時は東証一部)上場企業に入社しました。そこではお客様が商品を注文してから自宅へお届けするまでの一連の業務の統括部門に携わり、コールセンターの最適化や物流再構築など“フルフィルメント”の全工程を学びました。その後は新規事業部門へ異動し、大手ゲーム企業と協業したゲーム機内でのEC事業の立ち上げを経験しました。そしてまた本社へ戻り、中期経営計画の策定やEC戦略の策定に携わりました。1社目の8年間でフルフィルメントの川上から川下までを学び、新規事業や会社の大きな方針や戦略を考える機会をもらえたことは、いまの自分の礎になっていると思いますね。
編集部:1社目で幅広いキャリアを築かれていた中で、なぜフーディソンへ転職を決めたのですか?
伊藤さん:転職は30歳の頃だったのですが、当時は年齢的にも何か新しい挑戦をしたいタイミングでした。1社目で培った経験を活かして何ができるのか、そして自分は何がしたいのか、自分が好きなものや情熱を感じられるものと照らし合わせながら真剣に考えました。
編集部:自分ができることと、自分が好きなもの。そして何がしたいのか。とても大事な照らし合わせですね。
伊藤さん:そうですね。私は旅行が好きで、学生時代もふくめて国内外問わず色々な地に遊びに行っていました。国内旅行では地方の名産品や伝統工芸などに触れ合うことも多く、日本ならではの良さが大好きだったんです。ただ、後継者問題などで衰退していく様子も体感し、いつかビジネスで活性化させていきたいと思っていました。
そんな中出会ったフーディソンはITを使って水産業界にイノベーションを起こそうとしていましたが、ITの活用だけではなく、実際に“もの”を扱っているところがとても魅力に感じたんです。前職の経験もあって、流通業の難しさは痛いほど知っていましたし、とくに水産は水で濡れることへのケアが必要で、バーコードも付いていない魚が相手。鮮度を保つ工夫も重要ですし、難しいことの連鎖であることは容易に想像がつきました。そこに本気で取り組み革命を起こそうとしている姿勢に、泥臭さと新しさを感じました。まさに1社目の経験を活かし、自分が情熱を燃やせると確信し、入社を決めました。
編集部:とてもピッタリな出会いだったんですね。ただ、プライム上場企業から当時3期目へ突入するベンチャー企業への入社、不安などはなかったですか?
伊藤さん:大きなオフィスから雑居ビルへ出社するのは、大きなギャップではありましたね(笑)。不安はなかったですが、入社後すぐは『sakana bacca』の統括として店舗のオペレーション設計から新店舗出店推進を担当することに。本来ならばEC化を推進する役割となる予定だったのですが、責任者が辞めたり2店舗から10店舗へ一気にお店を増やす目標ができたりと、ベンチャーならではの勢いは感じましたね。そのような状況も楽しみながら、小さな問題を1つずつ改善していく状態でした。そして1年ほどで『魚ポチ』へ移りました。
編集部:どんな状況も楽しめる伊藤さん、素敵です。
伊藤さん:ありがとうございます(笑)。ただ、辛い時期もありました。特に2016年の下期、私は当時『魚ポチ』の責任者でしたが、全社的に数字がうまく振るわない時期だったんです。実現したい世界観やメンバーたちの挑戦したいことよりも、とにかく事業の立て直しを優先しなくてはいけなかった。普段からメンバー自身の意志を大切にしてマネジメントしているので、目まぐるしい忙しさ以上に、みんなの想いとは裏腹に行動しなくてはいけないのが、本当にしんどかったです。
やがてなんとか持ち直しましたが、自分の様々なキャリアのなかでも、改めて背筋が伸びる経験でした。自分たちの価値はなんなのか、お客様へどんな喜びや楽しみや美味しさを届けられるのか、本気で突き詰めないと事業運営は成り立たずやりたいこともできないことを痛烈に学びました。
編集部:辛く、激動ともいえるタイミングもあったのですね。コロナ禍の影響はどうでしたか?
伊藤さん:当社のメインビジネスである『魚ポチ』はとても影響を受けました。魚があっても買い手となる事業者や飲食店がいない。コロナ禍の影響がどこまで続くかわからない中で、経営メンバーらと協議を繰り返し、新規事業を立ち上げることになりました。巣ごもり需要に目をつけ、消費者向けの生鮮ECを立ち上げることを早々に決断し、私が責任者となって2020年8月に『perrot』という新規サービスを正式にスタートさせたんです。『魚ポチ』と『sakana bacca』のインフラとノウハウを活用し、構想・企画から1~2週間というスピードで4月にβ版のサービスを立ち上げました。そこから正式ローンチまでも苦労はありましたが、巣ごもり需要のインパクトは大きく、テレビに取り上げられた効果もあり右肩上がりで成長していきました。
しかしそのまま順調に推移するかと思いきや、2021年4月ごろからコロナの状況も少しずつ緩和され成長が伸び悩むようになりました。原点に立ち戻り、もう一度お客様のニーズや感じている課題にとことん向き合い、思いつく限りのことを洗い出しました。より便利に“日常使い”できるよう、おすすめのお魚を定期定期にお届けするサブスクリプションモデルをトライしたり、その他にも試行錯誤手は尽くしましたが、改めて提供価値とビジネスモデルの根幹を見直す必要があると考え、『perrot』はクローズする決断をしました。
利用していただいたお客様からは、「近くでおいしい魚を買うことが難しかったのでとても嬉しい」といったお声をたくさんいただいていましたし、私自身強い思い入れがあったので、苦渋の決断でもありました。お客様のニーズに応え、ビジネスとしてしっかり収益を上げていくことの難しさを、改めて痛感しました。『perrot』での学びを活かし、現在は別の新規事業開発に取り組んでいます。
編集部:いろいろなご経験をされて、どのようなことが現在の新規事業開発に活かせるのでしょうか?
伊藤さん:活かせることはたくさんありますが、やはりお客様のニーズを考え尽くして事業設計をすることに尽きますね。当たり前のことにみえて、自分たちのやりたいことや時流を逃さないためにスピードを優先するあまり、見落としてしまう場面もあると実感しました。
食品のEC化率は未だ3%程度で、踏み込む余地が大いにあるマーケットです。いまはお客様のニーズの深堀や市場の分析、今後の世の中の変化から生まれる新たなニーズや課題の探索を腰を据えて重点的におこなっています。とくに、国内と海外の消費を比較すると、国内は人口が減り魚の消費量も縮小、一方で、海外は人口は増加し魚を食べる割合も増えて水産品の消費量が拡大していくという大きなトレンドがあります。そういったトレンドの中でどの市場に対してどう攻めていくか、日々想いを巡らせています。文献やメディアの記事でインスピレーションを受けることもありますが、食という領域においては自分自身もいち消費者なので、積極的に新しいサービスを活用したり世の中の潮流を体感したりすることを大切にしています。
編集部:いち消費者としてお客様のニーズを探る。改めて大事なことですね。そんな伊藤さんがワクワクするのはどんなときですか?
伊藤さん:新しいことを考えているときももちろんワクワクしますが、一気に事業が拡大する瞬間はアドレナリンが出ていて、忙しくても疲れを感じませんね。自分たちがやっていることとお客様のニーズが合致し、支持されている事実にやりがいを感じますし、「東京では買えない美味しい魚を食べて家族みんなで楽しい時間を過ごせた」「子どもが生きたオマール海老をみて大興奮していた」などシーンを思い浮かべられる身近な喜びを創造できていることがとても誇らしいです。
編集部:これから伊藤さんがチャレンジしたいことを教えてください。
伊藤さん:フーディソンは「生鮮流通に新しい循環を」というビジョンを掲げています。常に世の中にとってより良いこと、お客様にとってより良いことを考え、自分たちにしかできない新しい価値を生み出していきたいです。また、個人的にはこれまでの経験や学びを後輩や若いメンバーにしっかり伝えていきたいですね。これまでがむしゃらにやってきたことを顧みつつ、若い世代の柔軟さに刺激を受けながら、力を合わせてともに新しいことを創造したいです。
水産はとても難しく奥深いですが、第一次産業を盛り上げていくことは日本の消費を元気にし、社会的な意義も大きいと感じています。泥臭い場面もありますが、それをも楽しんで前向きに目の前を切り開いてくれる方、ぜひフーディソンへお越しください。
フーディソンでは積極的に採用を進めています。少しでもご興味持ってくださいましたらお話を聞きに頂ければ幸いです!
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