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こんにちは。やまもとです。
先日、社内スタッフから「THE TEAM」という
良い本があると聞き、読んでみました。
この本は、チームビルディングに関する本で、
割とさらっと読める本なのですが、個人的にこれは
良いなと思う部分があったので、その点を自身の
思いとともに読み解いてみようと思います。
影響力には、5つの源泉がある
この本には、以下のような記述があります。
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影響力には、5つの源泉があります。
- 1つ目は専門性。 メンバーにすごいと思われる技術や知識を持っていること
- 2つ目は返報性。 メンバーにありがたいと思われる支援や関与をしていること
- 3つ目は魅了性。 メンバーに素敵と思われる外見や内面的魅力を有していること
- 4つ目は厳格性。 メンバーに怖いと思われる規律や威厳を持っていること
- 5つ目は一貫性。 メンバーにぶれないと思われる方針や態度を持っていること
チームメンバーの意思決定への態度は、意思決定者が
これら5つの影響力の源泉を持っているかどうかに
よって、大きく影響を受けます。
---
シンプルに5つにまとまっていて、素敵です。
この5つの影響力の源泉について、会社においての
チームである「上司と部下」「リーダーとメンバー」
の構図に分かりやすく当てはめて、読み解いていきます。
影響力の源泉1:専門性
メンバーにすごいと思われる技術や知識を持っていること
ひとつめは、専門性です。
メンバーに「すごい!さすが!」と思われる技術や
知識を持っていることです。
たしかに、デザイナーならば、どんなに良い上司でも
デザインが上手くないとダメですし、販売でもITでも
やはり専門スキルが高くないと尊敬しづらいですよね。
これはわかりやすい影響力です。
常に求道者のように、専門的な知識をインプットを
し続ける必要はあるので、そこを怠っていると、あっ
という間に専門性において、メンバーへの影響力は
無くなります。
ただ、専門性と言われても、割と表現しづらい職種
だったり、ベテランでも苦手なこともあると思います。
僕がここで思うのは、専門性についても、ある程度
個人の得意・不得意はあっていいし、それを自らが
理解しておくことが大事だということです。
例えば、僕の仕事の場合は、ブランドマネージャー
としての役割が強く、各部署の仕事の評価をしたり、
道しるべを作ったりするのが仕事なので、様々な分野
の専門性を持っていなくてはなりません。
ただもちろん、ひとりの人間なので、現実的には
すべての仕事に専門性を持つのは不可能です。
だからこそ、得意、不得意は自らが認識しておくべきです。
僕の得手
- どんな分野も、ざっくり6~7割程度までのキャッチアップは早い
- 深く考える前に動ける身軽さ
- 利他的(メンバー・顧客)に考える癖が身についている
- 人を喜ばせるのが好き
- 人と一緒に楽しむのが好き
- 人を褒めるのは割と得意
- 編集が得意
僕の不得手
- ひとつのことをやり続けるのは得意じゃない
- 熟考するのは得意じゃない
- 細やかな作業は得意じゃない
- こだわりが強くない
- デザインは得意じゃない
と、こんな感じです。
専門性として「すごい!」と思われるためには、
各分野においてある程度の知見があって、それなりに
言いたい方向が定まっているのは、大事なことです。
「まったく分からない。知らない。」では、影響を
与えることはできません。
ただ、ここで言いたい大事なのは、得意じゃないこと
をきちんと自分自身が認めることです。
チームで働くメンバーは、努力をしている人も多い
ので「すべて教えてほしい」という意味で上司を
頼っているのではなく、あくまでメンターとして、
寄り添いながらのチームでいたいのです。
だから、得意じゃない部分を「それも俺は知ってる」
とやると、そこを得意じゃない部下からすると、
「わかってないくせに...」と思ってしまいます。
こういうことが多くあると、つまりはマウント上司に
なってしまい、メンバーからの尊敬が弱まり、
メンバーへの影響力が弱まります。
だから、専門性として大事なのは、すべてを知って
いるということではなく、専門性として常に努力を
しているし、強い部分もあるけれど、弱いところは
助けてねというイメージでの専門性なのです。
ここを勘違いすると、専門性が悪い方向に出てしまう
場合もあるので、注意が必要です。
影響力の源泉2:返報性
メンバーにありがたいと思われる支援や関与をしていること
ふたつめは、返報性です。
メンバーに「ありがたいなぁ。助かるなぁ。」と
思われる支援や関与をしていることです。
人は、何かをしてもらったら「お返ししなければ」
という気持ちが働くようにできています。
だから、スーパーなどでは、試食をしているのです。
試食をもらうと、買わないと何か悪い気がするから
やっているわけです。
そういった意味で、上司は部下にまずは何かを与え
ているといいのです。
僕個人としては、仕事はもちろんのこと、意外と
大事なのは、慣れない環境に部下がいるうちは、
積極的に話しかけたり、話題の輪に入れてあげたり、
ご飯をおごったりというような、仕事以外の部分が
大切と考えています。
「仕事において何かを教える」というのは、上司の
責務としてなので、それは返報性の対象ではありません。
それよりも、普段の何気ない瞬間の方が部下にとって
スペシャルで、昭和的な発想ではありますが、ご飯を
奢ってあげて、話を聞いて、というのは、意外と
大事な要素と思います。
僕もかつては、バイトの先輩や、仕事の上司に本当に
たくさんご飯に連れて行ってもらったことを、今に
なって思い返して、感謝しています。
人を誘って、人にご飯を奢って、その人の話をする。
ちなみに、この時に自分の話は控えめにして、
聞き手に回るのが大事です。
人の話を先に聞いてあげると、後から自分の話も
ちゃんと聞いてくれるようになります。
これも返報性ですね。アイスブレイクとも言います。
何気ないことですが、部下も周りも、そういう行動
をしている上司にあたる人物を見て、利己的な人か、
利他的な人かを見ていると思います。
影響力の源泉3:魅了性
メンバーに素敵と思われる外見や内面的魅力を有していること
みっつめは、魅了性です。
メンバーに「ええやん」と思われる外見や内面的な
魅力を有していることです。
外見においては、ファッションでしょうね。
うちの会社の場合は、インテリアなのでやはりその
あたりのセンスなどは、感度が高い人が多いです。
その点で、服装もおしゃれ感があった方が、やはり
上司として魅力的に見えると思います。
どっちかというと、魅力が割増される感じかな。
外見だけで中身なしではダメですしね。
おしゃれに自信がない人も、清潔感があればいいですね。
内面的な魅力については、総合力的な上司の魅力で、
会社では上にいけばいくほど、仕事の能力よりも人格
が大切になってきます。
外見も内面も磨く努力をしていかなくてはいけません。
影響力の源泉4:厳格性
メンバーに怖いと思われる規律や威厳を持っていること
よっつめは、厳格性です。
「怒られた。こわっ!まぁでも ...その通り」と
思われる規律や威厳を持っていることです。
会社にはルールがあります。
そのルールにそぐわない行動があった場合に、
きっちりと叱ってあげることは必要です。
「小善は大悪に似たり」という言葉があります。
信念無く部下に迎合する上司は、一見優しく、
寛容で、愛情深いように見えますが、結果として
部下をダメにしていきます。
ちょっとしたダメな行動をしたときに、注意しない。
大きな信念に沿わずに、部下のやってはいけない行動
を流して、部下に迎合することを「小善」といいます。
「これやっても大丈夫なんだ」
「これくらいの感じならOKなのね」
「だって前回何も言われなかったし」
と、部下は会社でのOK基準を自分なりに決めていきます。
これによって、会社の規律はおかしくなります。
そして、部下の将来にとっても、成長は望めません。
つまり「小善」は、部下の成長にとって「大悪」なのです。
一方、「大善は非情に似たり」という言葉もあります。
信念をもって厳しく指導する上司は、煙たいかも
しれませんが、長い目で見れば部下を大きく成長
させることになります。
これが「大善」です。
真の愛情とは、どうあることが相手にとって本当に
良いのかを厳しく見極めることなのです。
周りから見ればむごいと思える行為も、それはその
人を大きく育てるために必要な愛のムチなのです。
非情と思えるその行為こそが、大善なのです。
厳格に人を叱るのは、叱る方も大変な労力を伴います。
「私は、人に叱るのが苦手で...」
という上司もいますが、その人の下についた部下は、
次の「大善」を重んじる上司の下についたときに、
やられます。
もしくは、年齢を重ねて、上司の立場になった時に、
部下に尊敬されない上司になります。これに気づく
のはかなり年齢を後なので、取り返しのつかない状態
になるでしょう。
コミュニティを形成し、人として成長するためにも、
実直に厳格性を紡いでいかなくてはならないのです。
厳格に接することにより、上司としての威厳を
部下は感じるようになり、尊敬が生まれるのです。
影響力の源泉5:一貫性
メンバーにぶれないと思われる方針や態度を持っていること
いつつめは、厳格性です。
メンバーに「あの人の言うことはぶれない」と
思われる方針や態度を持っていることです。
あるときにはこっち、あるときにはあっち。と、言う
ことが大きくぶれる人は、何が本当なのかわかりません。
もちろん人ですから、前はこう思ったけど、今は
こっちかな?と思うことはあります。
僕なんかは、常に迷いながら物事を決断しています
から、朝令暮改も多くあります。
ただそういうことではなくて、大事なのは、決めた
ことにまっすぐに打ち込み、そのことについて
嘘をつかないことです。
大きな方向性の中でぶれなければ、一貫性がぶれる
ことはなく、そういう印象を与えることもありません。
部下を育てるという強い意志があれば、小さなぶれ
があったとしても、その思いはきっちりと部下に
愛情として伝わるのです。
まとめ
さて、今回は「影響力の源泉」というテーマで、
会社での関係性に具体的に置き換えて、本から受けた
言葉を、自身の経験から読み解いてみました。
チームビルディングがうまくいかない上司は、この
影響力の源泉となる5つを見返して、実直に1つずつ
埋めていくことをお勧めします。
それぞれの習熟度は異なるにしても、一つも欠けずに
すべてを念頭において、意識高く、背筋を伸ばして
やっていくことが大事です。
部下の成長は、上司という伴走者にかかっています。
上司は、プレイヤーとして自分の仕事をやるだけ
では満点でも50点で、あとの50点は部下を育て、
導き、社のカルチャーを伝え、想いを同じにする
次世代を作っていくことが責務です。
それは会社のメリットだけではなく、そのスタッフが
会社を辞めたとしても、次の会社はもちろんのこと、
その人としての人生において、貴重な勉強になるはずです。
チームビルディングをうまく出来るようになれば、
私生活でも、とても魅力的な人物になることでしょう。
決して頂上感・到達感を持ってはいけませんよ。
頂上感を持った時に、人は学ぶことをやめ、人からの
指摘を拒否し、素直さを無くします。
そんな人には、誰も心からのアドバイスを
しなくなりますから。
また、今回は上司から部下への話をしましたが、
教わる側の部下においても、素直な気持ちをもって
学ばせてもらうことに、感謝することは、当然のこと
ですね。
僕は会社の一番の上司として、常に自分を振り返り
ながら、より良いチームを作れるように、誰よりも
精進しようと思います。