正直に書きます。
facingを立ち上げてから数年、未経験の若手を採ることに、僕はずっと迷いがありました。
CSもBPOも、現場は甘くない。電話の向こうで怒られることもあるし、クライアントの数字を背負って動く以上、「やる気あります」だけでは1ヶ月持たない仕事です。
即戦力を採ったほうが早い。経験者を引き抜いたほうが確実。経営者として、何度もそっちに倒れかけました。
それでも今、未経験OKで募集を出しています。 しかも、1.5〜2年で事業責任者になってもらう前提で。
なぜそうしたのか、書いておきたいと思います。
6営業日で30人を集めた現場で、見ていたもの
facingが少し知られるきっかけになった案件があります。
ある動画配信サービスのローンチに合わせて、6営業日で30名体制を立ち上げ、ローンチ日の作品登録100%を達成した、というやつです。 事例として外に出すときは、だいたいこの数字で語られます。
でも、現場で僕が一番見ていたのは数字じゃなかった。
立ち上げ初日、集まったメンバーの半分以上はその業界が未経験でした。マニュアルも完全には固まっていない。スケジュールは詰まっている。普通に考えたら、無理です。
そこで動いたのは、経験年数の長いベテランではなくて、入社して1〜2年の若手たちでした。
わからないことを「わからない」と言える人。 詰まったときに、隣にすぐ聞ける人。 お客様の声を、変な解釈をせずにそのまま受け取れる人。
正直、僕の想定を超えていました。
「経験」より「現場で動ける素直さ」のほうが、立ち上げ局面では効く。あの6営業日で、僕が一番持ち帰ったのはこれです。
経験者が強いとは限らない、という話
これは経営者としては言いにくい話なんですが。
facingで活躍している人の経歴を並べると、見事にバラバラです。 COOもBPO責任者も、最初からCS/BPOのプロだったわけじゃない。現場で揉まれて、判断回数を積み上げて、今のポジションにいます。
逆に、立派な職務経歴書を持って入ってきた人が早く辞めるケースも見てきました。 理由はだいたい同じで、「過去のやり方に引っ張られて、目の前のクライアントに合わせられない」。
facingがやっている仕事は、相手によって正解が変わります。 昨日効いたトークが今日は刺さらない。あるクライアントで成功した型が、別のクライアントでは失敗する。
そういう仕事で本当に強いのは、経験の多さじゃなくて、毎回ゼロから相手を見られる人なんです。
未経験の人のほうが、これができることが多い。 経験がないぶん、変な癖がついていない。
採用で僕が見ているのは、たった1つ
スキルも経歴も、正直あまり見ていません。
僕が面接で見ているのは、「自分が間違っていたとき、それを認められる人かどうか」だけです。
事業を任せようとしている以上、判断が外れることは前提です。良かれと思った提案が裏目に出る。お客様の意図を読み違える。クライアントから指摘を受ける。
そのときに、「いや、でも」と言い訳から入る人は、責任者になっても伸びません。 逆に、間違いを間違いとして受け取れる人は、3ヶ月で別人になります。
facingには「Face it」という価値観があります。 解約阻止やクレーム対応から逃げない、という意味で外には伝えていますが、社内的にはもう一つ意味があって、自分の弱さからも逃げない、ということだと僕は思っています。
採用で見ているのは、これができそうかどうか。それだけです。
IS事業を、入ってきた人に丸ごと渡したい
今回の募集は、IS事業責任者候補です。
入社して1.5〜2年で、IS事業の責任者になってもらう前提で採ります。 チームを持つ、数字を持つ、戦略を描く、採用もする。事業を丸ごと。
未経験OKで、こんなことを書くと「煽ってる?」と思われそうですが、本気です。
理由はシンプルで、IS事業は今、誰かに丸ごと渡して伸ばしてもらうフェーズに来ています。 僕やCOOが片手間で見ているうちは、ここまでしか行けない。事業として次のステージに行くには、これに専念して、これで勝ちにいく人が要る。
経験者を採ることももちろん考えました。 でも、今のfacingに必要なのは「インサイドセールスのプロ」じゃなくて、「facingのISをゼロから作れる人」なんです。 そして前半に書いた通り、こういう局面で強いのは、経験者よりも素直に現場を見られる人だと、僕は思っています。
最初の半年〜1年は、現場でひたすら電話をかけ、商談をし、数字を作ってもらいます。 そこから少しずつチームを持ち、人を採り、事業を設計していく。1.5〜2年でその全部を持つ、という設計です。
楽な道ではないです。 ただ、20代で事業を1本任される経験を、未経験から積める場所は、そう多くないと思っています。
経歴に自信がなくてもいい。 「やったことないけど、事業をやってみたい」と思ってくれる人と、ISを丸ごと作りにいきたいです。
話を聞きに来るだけでも、歓迎します。
facing株式会社 代表取締役 川﨑 勇樹