「facingって、徹夜とかあるんですか?」
面接の終盤で、何度かこの質問をもらったことがあります。
聞き方はだいたい遠慮がちで、「BPOってきつそうなイメージがあって…」という前置きがついてくる。
正直に答えます。
普段の徹夜は、ない。
残業も、基本的には抑えています。
直接雇用8名のメンバーで、深夜まで電気がついている日はほとんどありません。CSもBPOもISも、シフトと役割を分けて運用しているので、誰か一人に負荷が集中する作りにしていない。
ここまでは、たぶん候補者の方が一番聞きたい話。
ただ、ここで終わると嘘になるので、もう一段だけ書きます。
■ 年に2〜3回、朝まで誰かがオフィスにいる夜がある
例えば、あるサービスのローンチ支援に入った時。
6営業日で30名体制を立ち上げる、という、普通に考えると無理がある計画でした。
受けた以上はやるしかないんですが、計画通りに進む日なんて一日もない。シフトを引き直し、研修資料を作り直し、トラブルが出たらその場で全員に共有する。
ローンチ前夜、オフィスに残っていたのは僕と高橋(COO)と、もう数人。
誰も「残れ」とは言っていません。
気づいたら残っていて、気づいたら朝になっていた、という感じです。
結果、ローンチ日のミッションは100%達成。
これはfacingの代表事例としてよく話す案件ですが、裏側はそんなに格好良いものじゃなくて、コンビニのおにぎりとエナジードリンクと、誰かのため息と、たまにある笑いで構成されていました。
■ 朝まで働いたから成功した、なんて全然思っていない
ここで一個だけ、はっきりさせておきたいことがあります。
徹夜そのものには、ほぼ意味がない。
判断力は落ちるし、翌日のパフォーマンスは確実に下がる。「頑張った夜」みたいなものに酔うのは、ある時期で卒業した方がいいと、僕自身の苦い経験からも思っています。
創業初期、一人で提案資料を朝までいじっていた夜が何度かありました。
窓の外が白んできて、「で、これ通るのか?」と冷静になると、内容がボロボロだったりする。実際、そういう提案は落ちる。
徹夜したという事実は、何も保証してくれませんでした。
だから、メンバーに「残れ」と言ったことは一度もないし、これからも言わないと思います。
■ それでも、誰かが残る夜がある
年に数回、誰かが残る夜がある。
これはなんでなんだろう、と最近よく考えます。
たぶん、クライアントの一番大事な瞬間に立ち会う仕事を選んだ人たちだから、なんだと思っています。
facingが受けているのは、CSもBPOもISも、クライアントにとって「ここでミスったら終わる」みたいな現場が多い。
サービスのローンチ、解約率の改善、新規事業の立ち上げ、重い問い合わせの一次対応。
500社を超える支援の中には、こちらの動き方ひとつで結果が変わる場面が、確実にある。
そういう夜に、「定時なので帰ります」と言える人は、たぶんそもそもfacingに応募してきません。
逆に、「ここで踏ん張りたい」と自分の意志で決められる人が、結果として残っている。
強制されたわけじゃなくて、自分で選んでいる。
この違いは、外から見ると同じ「朝まで働いた」に見えるかもしれませんが、中にいる人にとっては全然違うものです。
■ 候補者の方に伝えたいこと
伝えたいのは、二つだけです。
一つ、facingは普段、健全な働き方をしている会社です。これは断言します。
二つ、年に数回、本気で粘る夜があります。それを「いやだな」と思う人には、向かない会社です。
仕事の手応えって、たぶんそういう夜に貯金されていくものだと、僕は思っています。
毎日朝までやる必要は1ミリもない。
でも、人生のうちで何度か、自分の意志で踏ん張った夜があるかどうかは、5年後10年後のキャリアに地味に効いてくる。
そういう瞬間を、一緒に経験できる人と働きたい。
面接で「徹夜ありますか?」と聞いてくれた方への、長い返事です。