KUDEN WORLD
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髙島屋でファッションに長く携わった後、2003年、スターバックスの企業再生でマーケティング・商品の責任者として、私は同社にジョインした。ヨーロッパブランドでセンスを磨いたあとは、アメリカの合理的なビジネスを学んでみたかったからだ。
入社してみれば、そこには素晴らしい企業文化があった。ビジネスリテラシーや英語もそこで進化することができた。また、コーヒー文化を国内に根付かせ、人々のライフスタイルを一段階上げることにも、貢献できたのではないかと自負していた。
年間、何度か本社であるシアトルに出向くことがあった。
シアトルの本社で、どうすれば日本により多くのスターバックスを浸透させるかという戦略をアメリカ人と練るのである。
簡単に言うと、私は緑の血を流し、アメリカ企業のアメリカ人スタッフと一緒に、イタリアが起源のエスプレッソカルチャーを日本に根付かせ、アメリカ企業の利益のために働くのである。
ヨーロッパやアメリカに迎合してきた自分としては、打って付けの仕事であった。頻繁にアメリカにもヨーロッパにも出張ができる。見た目はイケてる外資系企業の敏腕ビジネスパーソンである。
しかし、違和感があった。
どんどん日本に出店し、日本の固有のコーヒーチェーンや喫茶店を閉店に追いやっていたのである。もちろん、閉店させる為に出店していたのではないが、結果的にそうなったのである。
そして、そこで仕上がった利益をアメリカに上納する、そういう仕事であることに気付いた。もちろん、グローバル企業だから当たり前のことで、TOYOTAもソニーもそうして、大きくなってきた。これ自体は何も悪いことではない。
ただ、日本に愛着を持ち出した自分としては、違和感を感じたのである。
それで、スターバックス入社から5年経過した時、日本のことをやりたいと先も決まっていない中で退任して、自身の会社を立ち上げたのである。
コンセプトは一つだけだった。
「日本から世界へ」
これが今でも自分の事業の根幹にある。