株式会社エニグモ
株式会社エニグモ です。| HRMOS
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人事総務グループの廣島です。 普段は採用や人事企画に奔走しておりますが、この9月からデータ活用推進室にてデータアナリストを兼務しております。
兼務開始からちょうど3ヶ月が経ちましたので、本記事ではアドベントカレンダーの場を借りて、この3ヶ月間を振り返ってみたいと思います。
なぜ人事である私が、データアナリストを兼務することになったのか。 未経験からどのように業務をキャッチアップし、実際何を行っているのか。この3ヶ月のリアルな体験談として、業務の中での「つまずき」や「気づき」、そして今後チャレンジしたいことをお話しします。
この記事はEnigmo Advent Calendar 2025の2日目の記事です。
きっかけは、データアナリスト社内公募でした。以下、公募内容を簡単に紹介します。
概要
データ分析に関して、スキル、経験を積んでみたいという方を対象に、社内からデータアナリストの兼務(兼務割合20~30%)者を募集します
募集人材要件
職種は不問で、必要経験:BUYMAに関する最低限のSQLが自力で書けること、歓迎経験:統計や Pythonの知識・経験など
求めるマインド
現時点での分析スキルの高さよりも、「分析について学び、サービス改善に活かそうというマインドを重視」します。
普段から採用や人事企画業務でデータを扱うことが多く、より分析スキルを上げたいと思っていたため非常に興味を持ちました。しかし、人事の私は、BUYMA上のデータを扱う職種ではなく必須経験である「SQL」の要件も満たしていなかったため応募を悩みましたが、最終的には現時点のスキルよりも「求めるマインド」を重視するという点に後押しされて、応募を決めました。
私の経歴を振り返ると、データや分析・統計の関わりは点として存在していました。
このようにデータや統計に触れる経験からデータアナリストに必要なピースは持っていたものの、IT企業のデータアナリストとして求められるSQLや高度な分析手法については未経験の領域でした。
それでもチャレンジしようと思った理由は大きく下記2つでした。
①人事として「組織」を支えるだけでなく、データを用いて「事業(BUYMA)」の改善に直接関与し、多角的な視点から会社の成長に貢献したいと考えたこと
②現在の業務でも人事や採用データの活用を進めており、自身がスキルを身につけることで、より精度を高めた分析やデータの可視化を行いたいと思ったこと
応募後、すぐに面談が設定されました。普段は採用担当として面談を実施する側ですが、いざ自分が受ける側になるとやはり緊張します。「どんな視点で評価されるのだろう?」という不安を抱えつつ、当日は以下のような質問をいただきました。
・応募背景
・今までの経歴からデータアナリストに活かせそうな経験スキルの深掘り(データ分析の経験や統計やSQLの知識など)
・データアナリストに必要な素養は何であると思うか?
・業務の進め方の希望
・データアナリストとして兼務した際、どのように成長し、どう貢献したいか
準備はしていましたが、いざ質問を受けると「自分のこれまでの経験を、どうデータアナリストの文脈に翻訳して伝えるか」という点に苦戦しました。 即答できない部分もありましたが、今の自分にできること、そして未経験部分をどう埋めていくかという意気込みを、前向きに精一杯伝えました。
正直なところ手応えはあまりなく、「今回はご縁がなかったかも……また次回頑張ろう」と心の準備をしていました。それだけに、合格の連絡をいただいたときは本当に嬉しかったです。
私が配属されたのは、「データ活用推進室(通称:デ活)」です。 名前の通り社内のデータ活用を推進するチームでデータアナリストが所属します。
データ分析を武器としてマーケティングや企画チームなど様々な部門と連携をしながら、BUYMAの売上に貢献することをミッションとするチームです。
具体的な業務としては、施策の効果検証・改善提案(KPI設計やネクストアクションを決めるための分析)や、全社で主要KPIを日次で確認できるようにBigQueryやBIツール(Redash・Looker)を用いたデータの可視化・環境整備を行います。 また、分析だけでなく、MAツールを活用したメール配信などのCRM施策の実行も担っています。
具体的に、私がどのようなステップで業務に入っていったかをご紹介します。 チームには、未経験者でも段階的に業務を習得できるロードマップが用意されていました。
通常、データアナリストの業務は以下のようなフローで進みます。
【業務フロー】 ヒアリング・要件理解 → 分析設計 → データ抽出(SQL作成)・データ加工 → 分析・考察 → 報告
私はまず、「データ抽出(SQL作成)・データ加工」からスタートしました。 まずはここで基礎的なスキルを磨き、全体の流れを理解しながら、徐々に前後の工程(設計や考察)へと対応範囲を広げていくスタイルです。
初めにつまずいたのは、データ抽出のためのSQL作成です。 事前に少し勉強はしていましたが、扱っていたのは基本構文で書ける30行程度のものでした。しかし、実務で扱うSQLは200行を超えることもあり、その複雑さに面喰いました。WITH句やサブクエリ、3つ以上のテーブル結合など、初めて触れる内容ばかりでした。
そこで、社内の学習コンテンツ「SQL道場」や書籍を使って勉強しつつ、統計についても昔の本を引っ張り出して学び直しました。
転機となったのは、「構文を暗記するのではなく、このブロックは何をしているのか(どこから、何を、どう条件付けして取ってくるのか)を理解すると良い」という先輩からのアドバイスです。 この視点で既存のSQLを読み解くトレーニングをしたことで、徐々に自分でも書けるようになっていきました。
また、社内にはナレッジやドキュメントが蓄積されているため、過去の分析内容を参考にしたり、AIにも相談しながら進めました。 SQL構文のバリエーションが増え、BUYMAのデータ構造や「データが出る仕組み」を理解することで、徐々に対応できる幅が広がり、スピードアップを実感しました。
担当したプロジェクトと1週間のスケジュール
基本的に、ヒアリングや分析方針の設計が完了し、作業に着手できる状態になった段階でプロジェクトにアサインされます。 担当期間は1案件につき1週間〜2週間程度。納期内でデータの抽出・集計・一次分析を行い、結果を報告して後工程を先輩アナリストに引き継ぐ流れです。
具体的には、下記のようなプロジェクトを担当しました。
不明点はSlackや朝会ですぐに相談できる環境があったため、安心して業務に取り組めました。また、月初など本務である人事業務が忙しくなるタイミングはそちらに集中するなど、業務量のコントロールも柔軟に相談しながら進めることができました。
【定例会・勉強会への参加】 デ活チームの週次定例会や、データ勉強会にも参加しました。
※火曜日以外は、本務(人事)の隙間時間などを活用して並行して進めています。
チームに参加する前は漠然とデータを取り扱う部署だと思っていましたが、実際に業務を行うとカバー領域の広さに驚きました。
効果検証・データ分析はきっちり内容が決まった状態で依頼が来る場合もあれば、柔らかい相談ベースで始まることもあります。
そのため、関連するマーケティング領域や施策の背景・内容をしっかり理解し、依頼者とすり合わせながら分析を設計し、施策の方向性までディスカッションする場面も多々あります。 SQLなどの技術はもちろんですが、それ以上に「事業・サービスへの理解」や「マーケティングの知識」が重要であると痛感しました。
また、データアナリストの兼務を通して、本務である人事業務にも良い影響がありました。事業部側でデータアナリスト含め、マーケティング職などの企画者がどのように働いているかを肌で知れたことで、会社や事業の解像度があがりました。
そのことで、採用におけるエージェントへの説明や、候補者面談の質が格段に上がりました。求めている人物像やターゲットを、よりリアルな言葉で語れるようになったと感じています。
次に、「データ・AI活用」の加速です。 兼務や勉強会を通じて得たスキルを活かし、人事業務でも以下のようなデータ活用が進みました。
「データ」という共通言語を持てたことで、人事としての引き出しも大きく増えたと実感しています。
この3ヶ月で、「依頼されたデータを抽出・可視化する」という一連の流れはある程度自律してできるようになりました。 今後は、依頼内容に沿ってデータを出すだけでなく、「こうした方が良い」という意見(分析の切り口や、施策の次の方向性など)を出せるようになり、本来のデータアナリストとしての介在価値を発揮していきたいと感じています。
また、現在はプロジェクトの一部を切り出して担当していますが、ゆくゆくはプロジェクト単位で任され、分析の設計から集計・分析、関係者への報告まで、一連の流れをリードできるようになりたいです。 すでに次のプロジェクトでは、企画者へのヒアリングや分析設計を先輩アナリストと一緒に行うことが決まっていますので、業務の幅を広げられるように頑張ります。
中長期的な目標としては、入社者のオンボーディングや研修も人事チームの担当領域ですので、データアナリストの経験を活かして全社的なデータ分析スキルの底上げにも貢献していきたいと思います。両方の経験を持つ自分だからこそ、できることではないかと感じています。
最後に、 今回の私のケース(人事×データアナリスト)だけでなく、実は私の所属する人事チームの他のメンバーも、人事業務と並行して「新規事業」の立ち上げを兼務しています。 このように、エニグモには意志を持って「手を挙げる」人のチャレンジを後押ししてくれる柔軟な組織風土があります。 部署や職種の垣根を超えて業務を行うことで、個人のキャリアの観点でも可能性を広げられる環境があると感じます。
もし、この記事を読んで「エニグモでなら、自分のキャリアの可能性を広げられそう」と感じていただけた方は、ぜひ一度お話ししましょう!