「NPO」と聞いても、
正直なところ「何をしているのかよく分からない」と感じる方も多いと思います。
私たちD×Pも、「若者支援のNPOです」とお伝えすると、
・具体的にどんな仕事をしているの?
・ボランティアとは違うの?
といった反応をいただくことがあります。
この記事では、D×Pがどんな団体で、どんなことをしているのかを、
できるだけ具体的にお伝えします。
目次
▼D×Pが取り組む社会課題:若者の孤立
◼︎「困っているのに、つながれていない」という状況
▼登録者数2万人オンライン相談「ユキサキチャット」
◼︎「言葉にしてもいい」と思える経験をつくる
◼︎「支援物資」ではなく「ユキサキ便」
▼繁華街にある「ユースセンター」
◼︎「支援する場所」ではなく「関係が途切れない場所」
◼︎ユースセンターが持つ3つの機能
◼︎人に頼ることが、つらい経験にならないように
▼調査提言
▼D×Pの仕事とは
▼D×Pが取り組む社会課題:若者の孤立
D×Pは、「若者の孤立」をテーマに活動しているNPOです。
ここでいう“孤立”とは、単に一人でいる状態ではなく、困難な状況に直面しても、頼れる人や選択肢が見えなくなっている状態を指しています。
たとえば、
・いじめや不登校
・家庭内の不和や虐待
・経済的な困難
・精神的な不調
といった状況に直面している若者がいます。
ただ、こうした困難があっても、すぐに支援につながるとは限りません。
・家や学校に居場所がない
・過去にSOSを出したときに否定された経験がある
・相談したことで状況が悪化したことがある
・福祉制度や奨学金の条件に当てはまらない/手続きに時間がかかる
こうした背景から、そもそもSOSを出すこと自体が難しくなっていきます。
その結果、「自分でなんとかするしかない」と抱え込み、
孤立していったり、選択肢を見失ってしまうことがあります。
◼︎「困っているのに、つながれていない」という状況
重要なのは、「困っている若者がいない」のではなく、困っていても、誰にもつながれていない状態があるということです。
多くの支援は、「相談に来ること」が前提になっています。
しかし実際には、
・どこに相談すればいいか分からない
・自分の状況をうまく説明できない
・そもそも大人に頼ることに抵抗がある
といった理由で、その前提に乗れない若者もいます。D×Pは、この“つながる前の状態”に対してアプローチしています。
▼登録者数2万人オンライン相談「ユキサキチャット」
その一つが、LINEを使ったオンラインのやりとりです。
「相談窓口」というよりも、若者が気軽に誰かとやりとりできる場に近いものです。
・相談だけでなく、雑談から始まることも多い
・カジュアルな文章でもやりとりできる
・数日〜数ヶ月かけて関係をつくる
いきなり課題を解決するのではなく、まず「誰かとつながる」こと自体を大切にしています。
◼︎「言葉にしてもいい」と思える経験をつくる
若者の中には、SOSを言葉にすること自体にハードルを感じる方もいます。
過去に否定された経験や、理解されなかった経験があると、「言っても無駄だ」と感じてしまうこともあります。
だからこそ、「言葉にしたのは間違いじゃなかった」「人に頼ってもいいんだ」と思えるような経験になることを重視しています。
◼︎「支援物資」ではなく「ユキサキ便」
生活が苦しい若者に対しては、「ユキサキ便」という形で食料などを届けていますが、これは単なる物資支援ではありません。
・一人ひとりに合わせて中身を変える
・季節のお菓子を入れる
・手紙を添える
といった工夫を通じて、“仕送りのように届く体験”をつくっています。
「生き延びるための支援」だけでなく、自分が大切にされていると感じられることも大事にしています。
▼繁華街にある「ユースセンター」
もう一つの取り組みが、大阪・ミナミの繁華街にあるユースセンターです。
道頓堀の観光名所であるグリコの看板のたもとを「グリ下」と呼び、居場所を求めて来る若者も少なくありません。一方で繁華街には、搾取や犯罪、金銭トラブルなどのリスクも存在しています。
彼らの日常の延長線上に自分を気にかけてくれる人との出会いがあり、繁華街の中で「否定せず関わる」大人と出会える。そんな場所をつくりたいと2022年から週1回グリ下付近にテントを出し始めました。
そこから2023年6月、繁華街の中にありながら、リスクから距離をおいて過ごせる場所として、ユースセンターをオープンさせました。
◼︎「支援する場所」ではなく「関係が途切れない場所」
ユースセンターでは、若者を最初から「支援の対象」として捉えません。
・無理に話しかけることはしない
・同じ空間にいることを起点にする
・若者が話したくなったときに関係が立ち上がる
といった関わり方を大切にしています。
若者を迎え入れるというよりも、若者がいる場所に居させてもらうというスタンスに近いかもしれません。関わりを急がず、関係が途切れないことを重視しています。
◼︎ユースセンターが持つ3つの機能
ユースセンターは、単なる居場所ではなく、3つの機能を持っています。
◼︎人に頼ることが、つらい経験にならないように
これまでの経験から、「人に頼ること」自体にハードルを感じている若者もいます。そのためユースセンターでは、誰かにつながるプロセスそのものが、つらい経験にならないように関わっています。
たとえば、
・他機関に行くときに一緒に同行する
・事前に何を話すか整理する
・終わったあとに振り返る
といった関わりを通じて、「頼っても大丈夫だった」と思える経験をつくっていきます。
▼調査提言
D×Pでは、現場で見えてきた課題を、社会の仕組みに届ける取り組みも行っています。
困難な状況にある若者の声は、制度や政策がつくられる場に届きにくいことがあります。家庭が機能していない、住所がない、窓口に行けないといった状況は、制度設計の中で想定されにくいからです。
日々の関わりの中で見えてくるニーズを、アンケートやヒアリングを通じて整理し、社会に伝えていきます。個別の出来事としては見過ごされがちな課題も、集めて言語化することで、制度や支援のあり方を変えていく可能性があります。
D×Pにとって調査提言は、現場の気づきを社会の言葉に翻訳する、もう一つの重要な仕事です。
※調査したレポートはこちらから読むことができます。
▼D×Pの仕事とは
ここまで読んでいただいた通り、D×Pの仕事は「目の前の支援」だけではありません。
・どうすれば若者とつながれるのかを設計する
・関係が途切れない状態をつくる
・社会にある制度や資源へ橋渡しする
といったように、つながる前から、つながった後までを設計する仕事です。
また、現場で見えてきた課題を、調査や発信を通じて社会の仕組みに届けていくことも重要な役割です個別の出来事に見える困りごとを、言語化し、構造として捉え直し、制度や支援のあり方に接続していきます。
すべてが整った環境ではないからこそ、必要な仕組みを自分たちで考え、形にしていく場面も多くあります。
D×Pが取り組んでいるのは、「支援そのもの」を増やすことだけではなく、
支援につながるまでのハードルを下げ、つながり続けられる状態をつくることです。
そのために、オンラインとオフラインの両方で接点をつくり、関係を育て、必要に応じて社会の資源へとつないでいきます。
もしここまで読んで、もう少し具体的に働き方や役割を知りたいと感じた方は、別の記事もあわせてご覧ください。