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【co-creators】「人事」から「人材戦略」へのトランスフォーメーション 人的資本経営を支える育休明け女性リーダーの奮闘
皆さんこんにちは、ドリーム・アーツ採用担当の山本です。
今回の記事は、私も所属するHRDグループを引っ張る頼れるリーダー・芳賀のインタビューです!
「人的資本経営」とは、教育などの投資によって、人の能力・知識を高め、価値を最大限に引き出すことで、企業の価値向上を目指す経営のあり方だ。
これまで人材は経営のなかで「ヒト・モノ・カネ」のひとつであり、「資源」として捉えられてきた。教育費はコストとして認識され、人事部門の業務も管理型が主流であった。
しかし近年、企業の持続可能性が注目されるなか、企業価値を高めるのは人材であり、人材の持つ能力や知識を「資本」として捉えた経営のあり方「人的資本経営」が広まっている。
ドリーム・アーツにおいても、従来の「人事グループ」から「HRDグループ(Human Resources Development)」へのトランスフォーメーションが始まった。
今回は産休・育休明けのHRDグループ ゼネラルマネージャー 芳賀奈津美にスポットライトを当て、変革への奮闘をレポートする。
人材の悩みを抱え産休・育休へ、そして復帰後のサプライズ
このような世の中の流れを意識しつつも、ドリーム・アーツの人事グループは以前から「人材」に対する課題感を認識していた。
以前の人事グループは、人事、採用、労務それぞれの業務をタスクとしてこなすオペレーション部隊であった。本来ならば未来を見据えて人事戦略をリードしていく立場にならなければと自覚しつつも、タスクに追われる毎日で先のことを考える余裕がなかった。
HRDグループ ゼネラルマネージャー 芳賀は1年の産休・育休を経て2021年5月に復職。実は「会社として人に対してどう向き合うべきか」という悩みを抱えつつ産休に入ったこともあり、「早く会社の役に立ちたい」という想いを持ちながら復帰した。
「産休・育休から復職の際は、やはり不安はありました。やる気はあれど、制約があるなかでどのくらい力を出せるか。本当に会社の役に立てるのか?と。」
そんな不安を抱えながら、いよいよ職場復帰を迎えた芳賀。
ところが、予定通り今までの人事グループに戻ると思いきや、代表山本からの提案で、まずは芳賀だけがHRDグループとして社長室に異動。オペレーション部隊からの脱却をはかるため、のちのHRDグループのベースを作ることになったのだ。
「復帰後突然の異動、正直戸惑いました。自分に本当にできるのだろうか?正直、不安はさらに大きくなりました。」
ここから芳賀の奮闘が始まる。
3ヵ月の濃密議論を終え、さあ始動?!
新しい「人材開発」の形を模索するため、代表山本、上司である社長室長、芳賀3人での議論が始まった。
代表が考える組織のあり方とは、これからの時代どういう会社であるべきか、カルチャーを形作るものとは何か、人材とはなんだろう、社員にどのような人材を目指して欲しいのか、改めて私たちのミッションとDA Valuesとは…。さまざまテーマをもとにディスカッションは3ヶ月続いた。
この濃密な議論を終え、芳賀は元人事グループのメンバー4名と共にいよいよ本格的に「HRDグループ」として社長室にジョインした。
今までの人事に関するオペレーションの領域から、経営課題に立ち向かう部署というポジションとなり、組織名もこの時点で正式に「人事グループ」から「HRDグループ」へ変更された。この組織名変更は、より一層「人材開発」に力を入れるという会社からのメッセージでもある。
今までの「人事グループ」メンバーは冒頭に書いた通り人事、採用、労務、それぞれの担当者がそれぞれの専門領域で力を発揮する部隊であった。しかし、今回「HRDグループ」となり、経営に近いポジションを与えられたということで、芳賀はチームビルディングのやり方も根本から変えなければと考えた。
今回の組織変更はメンバーにとっても大きな環境の変化となり、それぞれ戸惑いや不安を抱えていたという。
チームメンバーの不安を取り除きつつ、さらに視座を上げなければならないと感じた芳賀はまず「なんでも共有する場」を意識的に設け、自身の業務や状況もオープンに話してもらうよう心がけた。
今まで全員で一つのテーマについて深くディスカッションする機会は少なかったので、毎週の1on1に加えてブレストの時間を設け、皆で思ったことをなんでも話し合える時間を作った。
今まではそれぞれの専門家が分業している状態であったが、お互いのスキルをシェアしたり、仕事をトレードしてみたり、最新のトレンドを教え合ったりすることでお互いの信頼度を高め、新たなチームを形作ることに注力した。
メンバーにとっても領域が広がるチャンスであると認識してもらったことで、今までの自分の範囲だけを見ていたところから少しずつ視野が広がり俯瞰した目線を持ち始めているという。
また、今までは事務的で細かな仕事も全て自分たちでこなしてきたが、そこにも疑問を呈し、派遣社員の方にお手伝いいただきながら、正社員としてより創造的な仕事に注力できるよう環境も整えていった。
人材教育に投資、オリジナリティあふれる研修を試行錯誤
「人事グループ」からより経営に近い「HRDグループ」へトランスフォームするにあたり、守備範囲が広くなるのは当然のことだ。まず芳賀は経営陣と共に「人材開発マップ」を作成し、HRDグループとして手掛ける領域を決定した。
その中で、まず力を入れて見直したのは、「社員研修カリキュラム」である。社内研修はドリーム・アーツが求める人材がプロフェッショナルとして活躍するための大きな機会提供の場にもなる。
研修の話に入る前に、ドリーム・アーツが求める「プロフェッショナル」とは何かについて説明しておきたい。日々の業務=いわゆる「お仕事」においてだけでなく、業務とは離れたところで自律的に自己研鑽ができるということもプロフェッショナルの大事な要素であるとドリーム・アーツは考えている。
目の前の仕事さえ一生懸命やっていれば良いのか?それはプロと言えるだろうか?仕事以外の場面においても、世の中の動きにアンテナを貼り、俯瞰的な目線を持ちつつ自身の専門領域をアップデートし続けることは、予測不可能なこの時代には必須な力と言えよう。
ドリーム・アーツの人材開発は、仕事領域はもちろんのこと、プロフェッショナルとして「自己研鑽における成長の機会」も提供していこうというものだ。
ドリーム・アーツの研修は、スキルを身につけるだけでなく、その「根っこ」を育てることを重視するのが大きな特徴だ。以前より経営層から社員へは「カッツ理論※1」が展開されており、単なるテクニカルスキルを磨くだけでなく、ヒューマンスキル、さらにコンセプチュアルスキルまでをも身につける必要があるという共通認識があった。
そこでHRDグループでは、この「カッツ理論」を自分たちなりの解釈で定義し直し、そこに「DAルーツ」を追加。あらためて「ドリーム・アーツが求めるプロフェッショナルが身につけるべき4つの能力」と定義し、それぞれの構成要素を高めるための研修ラインナップを検討し始めている。
※1:カッツ理論:アメリカの経営学者であるロバート・L・カッツ氏によって提唱された、管理者の能力に関係する理論を基としたフレームワーク。管理者の職階に応じて必要な能力が整理されている。
【カッツ理論とドリーム・アーツが求めるプロフェッショナルが身につけるべき4つの能力】
「この“DAルーツ”を追加したことには理由があります。創業社長が身近に存在する世代というのは今後会社が成長するにつれて、核となるとても貴重な存在。そのメンバーには、ドリーム・アーツの文化への理解と腹落ち、共感など、ルーツ・カルチャーをしっかりと浸透させることが根っこを育てる上で重要だと考えたからです」
HRDグループとして、これら4つの能力を育むための「機会」を提供し、本人の自律心を芽生えさせ、プロフェッショナルとして育てていく。そのような方向性だ。
「研修のコンセプトは自分たちの想いから作っていきます。内製のプログラムも多いですが、オリジナルでカリキュラムを考えるのは想像以上に大変です。前例や正解があるわけではないし、その場その瞬間はうまくいったと思っても、個人にとってその効果が継続しないことも考えられる。最終的には自律的に自身をアップデートする力を育てていきたいですが、時間はかかりそうです。でも、なぜこの研修を提供しているのか、その想いがしっかり通じて、毎年継続して実施することでジワジワと浸透していけば、と思っています」
子育てママリーダーのプライベートと仕事のバランス
「とにかく今は考えることが多い」と芳賀はいう。子育てに忙しい今、「考える時間」をどう捻出しているのだろう。
「夫婦ともにリモートワークが推奨されている環境ということもあり、育児は完全に共同作業です。
私が朝ごはんの支度をし、夫が子供を保育園に連れて行く。私自身の仕事は8時から9時頃にスタートし17時には一旦業務を終わらせます。そして私が子供を迎えに行き、ご飯作って食べさせて寝かしつけて一息。その後どうしても仕事が残ってしまった場合は作業をすることもあります。もちろん土日は完全に休暇として家族との時間を確保しています。」
ドリーム・アーツの労働環境はフルフレックス、フルリモートが可能でかなり自由度が高い。自身の裁量で業務を進めることができ、芳賀自身もこの環境に感謝しているという。
「マイブームは2歳の子供を連れての公園巡り。子供は戦隊モノに興味を持ち出し、今は“ドンブラザーズ”が好きで、私も一緒に歌えるほどです(笑)」と笑顔がこぼれる。
ドリーム・アーツ人材開発の未来
今はまだ、多くの実施したい人材開発に関する課題に対してまだ取り掛かれていない状態だと芳賀はいう。
「それでも、自分たちがまずトランスフォームして、主導的に人の成長、会社そのものの成長を考えながら施策を打ち、最終的には会社の変革につなげていきたい」
正直今までは、本部長や経営陣の一存で決められたことを実行する受け身な状態であったと振り返る。しかし、これからは人材の異動、それぞれのキャリアプラン、人材配置、女性活躍、管理職、リーダーのあり方、次世代の育成なども含め先を見据えた戦略を考えつつ、経営陣へ積極的に意見が言える立場としてポジションを確立していきたいと意気込む。
世の中の「人的資本経営」のトレンドはとても良い流れだと芳賀はいう。
人材は価値創出の原動力であり最大の資本であり、人がイキイキと働ける環境を整えることは持続可能な社会を創造する上でとても大切だし、本来あるべき姿だと思うからだ。
このような流れのなか、ドリーム・アーツでの労働環境や、人事に関連する数値情報は世の中的に見てもかなり進んでおり、さらに良い方向に導いていきたいという想いがあるそうだ。
芳賀自身も子育てをしながらリーダーとして奮闘する姿は、次世代に対するロールモデルになり得る。
人間らしく、その人の能力を活かすも殺すも土壌が大事。その土壌を耕すことがHRDグループの大事なミッションのひとつであり、豊かな土壌ができれば、社員が自ずと自律的にそれぞれの根っこを育て、プロフェッショナルとして幹や枝が育ち、イキイキとした葉や美しい花が開くのだろう。
HRDグループリーダー芳賀の奮闘はまだ始まったばかりだ。
HRDグループが「人事」から「人材開発」へトランスフォームするに従い、ドリーム・アーツの人材の自律度や能力もさらにレベルアップし、企業としてもより高い価値を創出できるサステナブルな状態になっていることだろう。
「女性活躍に関する状況の情報公表」はこちら
https://www.dreamarts.co.jp/company/actionplan/
インタビュアー金井の感想
産休・育休明けで突然の異動と大役を任せられた芳賀ですが、元々人材に対する課題感を持っていたこともあり、覚悟を決めて取り組んでいる印象でした。
ドリーム・アーツは「人材」を大事にしている企業なので、「人事グループ」が「HRDグループ」となって人的資本経営へ旗振りするというのは、とても自然な流れだと感じています。
ただ改革する側の苦労はインタビューの端々に滲み出ていました。
2歳のお子さんを育てつつ改革に奮闘する姿は、リーダーとしての貫禄を感じました。
出典:ドリーム・アーツ2022年6月9日ダイバーシティリアルレポートより
ドリーム・アーツは、社員それぞれがイキイキと働くことができる土壌を作り、人、ひいては会社の成長を見据えて動いています。今後も試行錯誤を繰り返し、企業としてもより高い価値の創出を目指します!