2時間かけてとある古民家へ
2023年7月。市川市に事務局を構える私たちは、車や電車に乗り込み、2時間かけて「いすみ市」にある立派な古民家にやってきました。
信じられないほどあっという間に過ぎ去った2023年度最初の四半期・4月〜6月。
この間の活動の振り返り&今後の展望を話し合うため、いつものオンラインミーティングでも、自分たちが有する拠点でも、近辺のレンタルスペースでもなく、わざわざ移動し、喧噪や日常から遠く離れられ、見ただけで心躍るこの古民家までやってきました…!
今回は広報チームとしてこの合宿に参加した小林が
私たちはなぜ事務所から2時間離れた古民家で集まり話し合ったのか?についてお話します。
よかったことをちゃんと祝福しよう
異動や人の入れ替わり、新事業など変化が多い新年度を越え辿り着いた7月。
新しいことを始めると、喜ばしい変化や、やりがいある挑戦が多くあるのと同時にそこで初めて浮き彫りになる課題もあります。毎週行うマネージャーミーティングの空気中には、隠しきれない疲労感も…。
マネージャー陣だけではなく、各事業部、各拠点、それぞれの場で働くスタッフも、新しい環境や状況のもと疲れが出てくる時期でもあります。
例年、四半期ごとにマネージャーを中心とした経営会議を行っていますが、今回少し違ったのはその目的やテーマ設定。
==============================
・成果を確認し、完了したことを祝福する
・今後の事業展開についてわくわくする
==============================
特に一つ目は、いつにも増して意識をしました。
対人支援をする私たちだからこそ、こういう場が必要
「『完了』を感じるために火が欲しい!」との声から焚火も。
次から次に生じる業務、課題、対応。
一つ一つの出来事にある程度の終わりはあったとしても、終わったね、と言う暇もなくまた次のことが始まったりします。
支援の現場でも、「これで全て解決ですね」はありません。
人と直接的に関わる仕事はやはりとても複雑だし、色々な気持ちも交錯します。
やりがいを感じ、大事な仕事だと思うからこそ、できることがあればもっとやりたいとも思う。
だから普段、できたことやよかったことだってたくさんあるのに、改善点やできなかったことの方に目が向きます。時間に限りがあるミーティングでも、緊急度から考えればやはり問題の方が先に扱われます。
だから必要でした。
完了したことを一旦ちゃんと祝福する場、気後れせず良かったことを自信を持って報告しみんなで喜び合う時間が。
この写真は事業部の持つ強みや弱みについて分析するワーク中の様子です。
祝福の場には、できるだけ多くのメンバーが事業部を超えていた方がいいということで、参加メンバーもマネージャーに限らず、若手スタッフも積極的に入りました。
この一年考えてきた
「何に時間やお金をかけるか?」
「完了」や「祝福」は、この一年私たちのキーワードになっていました。
息つく暇もなく次のことに行く前に、起きたこと、取り組んだことに区切りをつけ、意識的に完了をしよう。止まることで、狭くなりがちな視野を広げよう。
年々組織が大きくなり、事業も幅広くなっていく中で、立ち止まる時間なくただただ突き進むのみでは
働く人同士の関係性が構築されていなかったり、ビジョンが共有されず、立ち行かなくなってしまいます。
時間だけでなく、意識的にその場を設ける目的に適う「場所」を確保することもまた重要だと考えてきました。
【朝ごはんを作り一緒に食べるのも泊りならでは】
【温泉プールサイドは昼間も夜も全身or足湯のお話スポットでした】
【ピザ窯で生地からピザを作って大成功】
こんなことやっていて良いのか?という葛藤
今回でいうと、チームがどこか疲労感を共有していたり、追われるような日々を過ごしていた中で、非日常的な空間の中で集い、いつも見る風景とは違う環境の中で、良かったことや、これからのことを考える時間を作る必要がありました。
場所を選ぶということは、確かに多少なりとも費用がかかることではあります。でも、ただただ安く済むことだけを考えた選択の裏に、失われていたメンバーのモチベーションや安心感、次の事業展開に繋がる可能性が含まれていたとしたら…?
でもNPO。こんな「楽しさ」があっていいの?
「NPOなのに会議をこんな形でやっていいの?お金の使い方、無駄じゃない?もっと慎ましくあるべきでは」
と感じる方もいるかもしれません。実のところ、私も同じような感覚で行動したことがありました。
合宿とは別の、外部ファシリテーターの方も交え、年間を通して行ってきた対話の場の最終回のために広いスペースを探していたとき。
深く考えることもなく、「場所を予約する」というタスクのもと、自動的に「予算はできるだけ抑える」という思考で、近くの安い公共施設の会議室を予約しました。
(安いこと自体はいいのですが建物が古くちょっと薄暗い雰囲気だった…)
その様子を見た代表から、
「みんながせっかくリアルに集まり完了や祝福を感じる場にするなら、広さやオシャレさも大事ではないか。何に自分たちのお金や時間をかけるかの選択は、要所要所で結構重要だからもう一回考えてみて!」
という趣旨のことを伝えてもらいました。
その集まりや会議の種類によっては、自前の施設でいいことも、予算を抑えるべき場面も、近くの会議室で十分事足りることも多々あると思います。
でもそうではなく、
「よし、これからもやってくぞ!」
とグワーっと力が湧いてくるような場を作りたいとき、
次に困ったときはこの人に相談しようと思えるメンバーとの関係性を築きたいとき、
場所や時間の使い方にこだわる場合とそうでない場合とでは、その後に生まれるものが同じではないと思うのです。
働いている人が疲弊状態からいつまでも回復せず、不安でしかたなかったり、互いを信頼できずギスギスしているような組織で、良い支援や安心できる居場所づくりなど、できるわけがない。
そういう考え方が実感を伴って腑に落ちた場面もまた、日常から離れじっくり人や事業と向き合う対話や合宿の中にあったように思います。
というわけで、今回は、タイトルの内容を伝えたい気持ち半分と写真があまりにも楽しそうだしいい感じなので見てもらいたいという気持ち半分でこの文章を書きました。
【最終日、全日程を終えたときの晴れ晴れ笑顔!】
ダイバーシティ工房は、「制度の狭間で孤立しやすい人たち」が、困ったときにいつでも相談できる地域づくりを目指し活動するNPO法人です。
発達障害があるお子さんを対象にした学習教室、こども主体・保護者に寄り添う保育園、コミュニティカフェ、食料支援、自立援助ホーム、SNS相談の運営など地域の0歳~20歳の子ども・若者とその家族を主な対象に活動を行っています。
ご関心がある方はぜひMeet upやカジュアル面談にお越しください!