日本の個人経営の農家は、この10年で驚くほど減っています。
それなのに、法人という形を選んだ農業経営体だけは、逆に増え続けています。
レンチナスも、この流れの中にいる一社。
1979年に個人で始まった椎茸農家が、2023年に法人になりました。
何十年も個人でやってきた会社が、なぜあえてこのタイミングで法人にしたのか。
法人化を選ぶ理由は、会社によってさまざまだと思いますが、共通しているのは、
たぶん「一人でできることの限界」に気づく瞬間があるということです。
個人でやっている間は、良くも悪くも全部自分で決められます。
誰かに説明する必要もないし、責任を分け合う必要もない。
でもそれは裏を返せば、自分がいなくなったら終わってしまう仕組みだということでもあります。
法人になるということは、事業を自分の代だけのものじゃなくすることだと思っています。
雇用を生む。
人を育てる。
自分がいなくても回る仕組みを作る。
財務諸表を作ったり、金融機関からの信用を得たり、面倒なことも増えます。
でもその分だけ、外から人を迎え入れられる会社になります。
レンチナスも、法人になった今40人ほどの規模になりました。
個人経営のままだったら、たぶんここまで人を雇うことはできなかったと思います。
規模が大きくなれば、その分だけ責任も増えます。
誰か一人の頑張りでどうにかなる規模ではなくなるので、仕組みを整える負担は正直、個人経営の頃より重くなっています。
実際、全国のデータを見ても、個人でやっている農家がどんどん減っていく一方で、法人という形を選んだ経営体の数だけは伸び続けています。
日本の農業経営体数は2015年の137.7万から2025年には82.8万へと10年で約4割減少した一方、法人経営体は2.7万から3.3万へと22.2%増加しました。
小さな個人経営が離れていく一方で、大きくなろうとする法人だけが残っていく。
そんな二極化が、今の農業全体で起きています。
雇用という面でも、違いははっきりしていて、法人経営体で常時雇われている人の数は年々増え続けていて、以前と比べて2倍以上に増加。
個人でやっていたら雇えなかったはずの人数を、法人になったことで雇えるようになった会社が、全国にたくさんあるということだと推測します。
法人化したからといって、すぐに何かが変わるわけではありません。
レンチナスも、法人になってからまだ日が浅い会社ですし、仕組みが完全に整っているとは言えないし、手探りの部分もたくさんあります。
おそらく完璧な状態なんて1度たりとも訪れないんでしょうが。
でも、個人経営のままだったら、今のような新しい挑戦はできていませんでした。
廃菌床を使った次世代農業のような、これまでこの会社になかった事業に踏み出せているのは、法人という土台があるからだと思っています。
人を雇うということは、その人の人生に責任を持つということでもあります。
だからこそ、簡単な決断ではありませんでした。
全国で個人経営が減っていく中、法人という形を選んだ会社だけが、新しい人を迎え入れ続けています。
もしそういう会社を探しているなら、選択肢の一つとして、ぜひ私たちのことも見てもらえたら嬉しいです。