地方の小さな町にとって、駅の存在って微妙じゃないですか?
車社会が前提で、利用しているのは高校生ぐらい。
宮崎県の人口19,000人の町にある高鍋駅
1日の乗車客数は734人!
おそらく大半が高校生。
高鍋町がJR九州から駅舎を買取り、改装しているときに、たまたま高鍋町とご縁ができました。
提案したのが、高鍋町に2つある高校、高鍋高校、高鍋農業高校の高校生たちと駅の企画・運営を担っていくこと。
まずは駅で毎月、高校生主催マルシェ『月市』をはじめることに。
4月20日(日)が第1回、初日でした。
当日は、雨にも負けず、早朝より高校生とDIYでつくった屋台8台を設置。
雰囲気を演出するのれんを屋根から吊り下げ。
『月市』で販売する野菜やお花は、生産者から事前に商品を預かり、当日の販売を高校生が担当。
各商品の値段と個数を入念にチェック。
釣り銭を慎重に計算。
1.高校生×地域住民
告知も十分じゃないうえに雨の初イベント
お客さん来るのかな?
そんな不安は開店前に吹き飛びました。
続々と周辺に住む町民の皆さんが来場。
高鍋駅が位置する蚊口(かぐち)地区は、高鍋町の中でも高齢化が加速。
子どもの姿はほぼ見ないエリア。
地区内にはスーパーをはじめ店も少ないため、高校生が販売する野菜やお花をとても楽しみにしてました。
日ごろ、縁のない花の名前と値段を一生懸命覚えた高校生たち。
今日は1日花屋さんです。
そんなに売れないだろう?
と思ってた花屋さんもびっくりの売れ行き。
日ごろ学生を中心に通過するだけだった駅が、ちょっとした買物と交流の場に。
2.高校生×地域事業者
高鍋町出身者だけではない高校生にとって、地域の事業者さんとほぼ接点はありません。
これから月1回、一緒に接客・販売していくことは、高校生にとっても貴重な体験になるはず。
目指すのは、お祭り的に一過性で終わりではなく、これから何年も、持続的に毎月一回開催される場づくりです。
宮崎で最初の自家焙煎珈琲エルザさん
持ってきたパウンドケーキなどフードは完売。
「これから1年、よろしくお願いします!」
と早くも通年出店の確約を。
蚊口浜でコワーキングスペースとベーカリーを新規開業したVIVA CAGUCCIさん。
朝?夜?0時から120個のパンを焼いてきていただきましたが1時間もたずに完売!
早くも次回が楽しみです!と
駅の目の前で経営するカレーカフェ靜さん
持ってきたカレー弁当は即完、なんどもお店に補充に走り、最後はお店のご飯もなくなってしまうほど!
カレーカフェで定期的に開催している音楽Liveと連動させる楽しい音楽企画の提案もいただき、夏に向けて楽しみが増えました。
3.高校生×子ども
高鍋町にはこの規模では珍しく、町立美術館があります。
高鍋町美術館|高鍋町www.town.takanabe.lg.jp
すごい強みだと思う反面、意外と町民にとっては敷居が高かったり日常的に接点がなく、もったいない側面も。
高鍋高校の美術の門田先生は美大卒。
高校生たちと一緒に、美術館の敷居をさげて、子どもの頃からアートに身近にふれて楽しめるように、という思いで一致。
美術部を率いて、小さな駅ギャラリーの企画展示とイベント運営を担ってくださってます。
初回は門田先生のアイデアで、駅からすぐの蚊口浜の砂を採ってきて、ベビーオイルと小麦粉をまぜて粘土をつくり、子どもたちと一緒に好きなものをつくるイベントを企画・実施
美術部の高校生たちが子どもたちと一緒に、泥遊びのように、思い思いの造形を楽しみました。
高鍋駅には、JR九州で唯一グランドピアノが設置されてるんです。
音楽とアート。
高校生がピアノを弾く横で、子どもたちが粘土遊び。
こんな風景をこれから、定期的につくっていきたいと思います。
イベント終盤、JR九州「ピクミントレイン」が高鍋駅に停車。
駅に新設されたトレインビューコーナーで、子どもたちと一緒に、”にわか鉄ちゃん”として待ち構え到着時に歓声を。
駅ならではの楽しみ方になりました。
ぼくらが高鍋の高校生と一緒にまちづくりを進める背景の一つに、県立高校の定員充足というシリアスな課題があります。
高校無償化でもっとも影響を受けると言われている地方の公立高校、まさに逆風。
高鍋町の子どもたちが、日常的に高鍋の高校生と接点をもち、憧れをもったり、高校楽しそう!と思ってもらうことを目指しています。
『月市』が、子どもたちと高校生の自然な交流を育むプラットフォームになっていくことがぼくらの目標です。
4.高校生×経営
高校生にぼくらなりに提供したいことは、日々実践している「経営」。
起業家教育は精神論や机上の議論になりがち。
実際にお金を稼ぐ場の企画から設営などの準備、当日の接客・販売からお金の計算。そして、そのプロセスを発信したり、メディアにわかりやすく伝えていくことまで。
一連の経営プロセスを、身体に染み込ませていきたいと思ってます。
もちろん、楽しい体験として。
9時から13時までぶっ通しで販売した後も、集中力を切らすことなく、帳簿と現金在高の照合を行いました。一番大事なこと。
ぶっちゃけ、数字が合わない部分も多かったのですが、
あのとき間違えたのか?
これは紛らわしかった!
とか、次回以降の改善につなげていきます。
8名の高校生パワーで、後片付けして、最後はカレーカフェ靜さんで打上げ
5.高校生まちづくりチームの展望
高校生まちづくりチーム「NABEGO」は、昨年7月に結成されました。
NABEGOは高校生たちが考えた名前。
町の人も外の人も「高鍋にGo!」
高鍋駅で何ができるか?何やりたいか?
半年近く話し合ってきました。
駅で高校生がやること、やる場所は
①毎週火曜日の話し合いの場
②毎月1回のイベント・マルシェ
③高校生がキュレーションするミニギャラリー
町にわがまま言って、設計施工が決まっていた高鍋駅に黒板シートを設置、高校生たちが考えてきたアイデア「駅キャラ決定戦」や「高校生おすすめマップ」「月市の告知」など黒板アートにチャレンジ。
『月市』の屋台は、ホームセンターで木材と金具を購入、みんなでDIY
メイキング段階から、町長も見にきてくださり心強い応援!
『月市』第1回の出店者は、高鍋駅の指定管理者である高鍋町観光協会に紹介いただき、5社からはじめることに。
蚊口地区を含めて高鍋を知り尽くす観光協会が駅に移設されたことで、日常的に相談できて、より地域の人とつながりやすくなって感謝です。
これから少しずつ出店希望者も募っていき、15〜20店舗ぐらいの規模にできたら、ますます楽しくなってきます。
養生中の芝生広場が完成する夏前には、夜市やバーベキュー、音楽LIVEなどの企画も。
高校生は、話し合っていただけの企画が実現するところを目の当たりにしたことで、これからますますアイデアが出てくるのでは?と期待。
今後、最も楽しみなことは、町内のもう一つの高校、高鍋農業高校の参画。
自分たちがつくった野菜や果物の販売をしてもらうのは消費者としても楽しみ。
いま接点が少ない2高校の交流が活発化することで、高校生によるまちづくりが、子どもの体験レベルを超えて、リアルにまちを動かす起爆剤にしていきたい。
高鍋駅がそんな高校生のムーブメントを起こすプラットフォームになっていくことが、まちづくり会社としてぼくらが目指す姿です。