都農中学校で総合学習カリキュラム「つの未来学」をゼロから企画、試行錯誤しながら実践を重ねてきて5年、少しずつ「まちづくり教育」のモデルが見えてきました。
人口1万人をきり、過疎化が進む町内唯一の中学校。
ぼくのこれまでのキャリア「まちづくり」と「ベンチャー経営(稼ぐ)」の経験を活かして、都農町と都農中学校の両方に貢献できることは何か?
からはじまった「つの未来学」
こんなことにこだわってきました
・中学生が地域の人から直接見聞きする
・自分たちなりにゼロから考える
・質より量、とにかくたくさんアイデアを出す
・現場に行き、現物を見る
・企画で終わらせず実現させる
・大人を巻き込む
・本当のお金に触れる
・やりっぱなしで終わらせない
まだまだ改善点は溢れるぐらいありますが、流れをザクっと。
1.まちづくりを学ぶ
都農町と言えば都農神社。
中学校の先輩でもある宮司自ら、いつも直接、中学生に熱く語って頂きます。
過去のことより未来のこと。
うまくいってることより、うまくいってないこと。
中学生に考えてほしいことを現場のプロとして。
他にも都農ワイン、南国プリン、ヴェロスクロノス都農など、都農町の事業者のみなさんは本当に協力的!!
いつも一声かければ二つ返事で、忙しい仕事の合間にかけつけてくれて、中学生とフラットに接していただきます。
理屈や机上のまちづくりではなく、
日々現場で働く大人たちの活動の総和がまちづくり、
ってことを伝えたいと思ってます。
2.アイデア100出し
都農町の強みや課題を肉声で聞いたあとは、食・スポーツ・観光・デジタルなど興味のある分野ごとにチームにわかれて、「アイデア100」出し。
20人前後を1チームにして、テーマに即して、とにかく1時間でアイデア100個を出していきます。
大切にしているのは「量」
量質転化(りょうしつてんか)。
一定の「量」をがむしゃらにこなすことで、あるレベルを超えた時に質的な変化が起こる法則。
3.現地調査・企画
自分たちが出したアイデアは、中学生の生活範囲でのこと。
リアルな企画として実現するには、現地に行って、現場で働く人たちに直接自分たちなりのアイデアをぶつけてみて、いけそうなこと、いけなさそうなことを確認します。
自治会長自ら、商店街で説明を!
各商店に行くとどこのお店も熱心に、どうやったらシャッター商店街に人が集まるようになるか、語って頂きます。
中学生にとっては、授業中に自転車で学校外に出れること自体、新鮮で楽しいこと。自由な時間だからこそ、自由な発想や意見を引き出したいと思ってます。
4.町長へプレゼン
現場を見て、地域の大人から自分たちのアイデアに対するアドバイスも踏まえて、企画を立てます。
ぼくらが普段の仕事で使ってる企画のフレームワークを使って考えます。
ただし、中学生用にアレンジとか、手加減はしないので、むずかしい内容だと自覚してます。
でも、そこで質問をすることに意味があるかなとも思って、試行錯誤しながら中学生たちとの企画を楽しんでます。
ターゲットってなに?
コンセプトの意味がわかんない!!
価値ってむずい。。
2年生の終わりに、6〜8チームごとに企画をつくりあげ、プレゼン講座も実施、スライドの作り方、当日のプレゼンの仕方をレクチャー。
時間をかけてリハーサルも入念に。
最後は、町長や教育長、地域の事業者さん、自治会の方々をお招きしてプレゼンします。
「つの未来学」をはじめた頃は、このプレゼンで最終だったのですが、卒業する3年生から
提案だけじゃもったいない
実際にやってみたかった!
とのフィードバックを受けて、3年前から、ここでプレゼンした企画を翌年に商店街のあきちで「みちくさ市」として実現することに!
5.お金・稼ぎ方を学ぶ
3年生になったら、2年生でプレゼンした企画を磨き上げ、
マーケティングの4Pに即して議論を進めます。
・具体的にどんな商品を販売するか?
・いくらで販売するか?
・売場はどうつくり、商品はどう調達するか?
・どうやって人を集めるか?
一番、大切なのはお金。
あらかじめ、投資と売上・経費・利益のしくみをレクチャーした上で、イツノマから、10万円出資します。
出資式は中学生たち空前の大絶叫!
現金は盛り上がりますね 笑。
各チームは擬似会社として、社長・副社長・各部長を決めておき、その会社が営業するために必要な仕入れや備品を、10万円の出資金をもとでに準備を進めます。
6.商店街で実現、稼ぐ
1年生のときに学び、2年生で企画した内容を3年生で実現させます。
学校として、総合的な学習の時間を6時間つなげていただき、先生も総出で朝から、商店街にテントを建て、屋台を組み、商品を搬入。
いつもながら、先生たちには感謝しかありません、本当に頭が下がります。
中学生たちも全員戦力。
用意していたポップやポスターなどの店舗装飾から、商品の調理や調達、さらには釣り銭を慎重に数えながら準備。
チラシやインスタ、さらには直接役場や老人クラブを訪問営業してきた集客案内を見て、150人ぐらいの大人が来場していただけてます。
7.売上30万、利益11万
2024年の初開催時は、5店舗で売上22万円を記録!
2025年は、店舗を8つに増やし、見事に30万円を達成。
経費も事前に一緒に計算していたので、19万円でおさまり、11万円の利益を確保できました。
8.利益の活用を議論
残りの授業時間で、売上金を間違いのないように数えながら、各会社の決算書をつくります。
自分たちで声を枯らして販売した結果、
いくら買ってもらえて、
事前に準備にした備品や経費を差し引きすると。。。
日ごろ、数学が苦手だという中学生も、お金の計算は結構楽しそうにやってたり。現金最強説です 笑
全体の利益が確定したあとは、
実際のこの利益を何に使うか?
いわゆる利益処分案を、各社の社長を中心に議論していきます。
9.防災品を町に寄付
2024年の初開催時は、議論した結果、中学生らしく「自分たちががんばったんだから自分たちがほしい!」との結論に。
1人1,000円分のQUOカードを贈呈しました
(本や文具を買うという建前で..w)
2025年の3年生は、一切、議論の誘導はしませんでしたが。
中学校が災害時に避難所になるから、おじいちゃんやおばあちゃんたちが寒くないようにブランケットを寄付したらいいんじゃない!?
日ごろは体育館の授業で寒いときなどにも使えるしね
との結論になりブランケットを町に寄付することに決定しました!
現地調査でもご協力頂いた自治会長が経営する衣料品スーパー「カヤシマ」さんが、破格値でブランケットを仕入れて下さり、100個ものブランケットを寄付することができました!
卒業式直前のリハーサル時に、町長や教育長、校長先生と一緒に、ぼくも中学生からブランケットを渡してもらいましたが、ちょっと誇らしげな表情だったのがとても印象的で嬉しい時間でした。
10.さらなる進化を!
以上のとおり、1年生から3年生までの「まちづくり教育」としてのモデルは輪郭が見えてきました。
ただし、まだまだはじまったばかり。
将来的に描いている理想のカリキュラムは、
町に◯◯を寄付したい、投資したいから!
が企画の動機になり、
そのために、いくら利益、売上が必要?
そのためには何をすればいいか?
必要なお金は自分たちでクラファンとかで集めよう!
というゴールから逆算して企画をする流れにしたいんです。
それがリアルな起業家の思考であり、企業経営だから。
来月、7月3日(金)は今年度の「みちくさ市」
今年から会場を都農神社境内に!ぜひお越しください。
【(参考)「つの未来学」のカリキュラム】