こんにちは、unname代表取締役の宮脇啓輔です。
上司に「何かいい案ない?ちょっと考えてみて」と聞かれて、自分なりに必死に考えて企画を作った経験、ありますよね。
自分なりに考え、ひらめき、練り上げ、「これは絶対に成果が出る!」と自信満々で持っていったのに、上司は資料をペラっとめくっただけで、「うーん、全然ダメ」と即却下。「えっ、まだ詳細も説明してないのになぜ!」とモヤモヤしたことがある人も多いはず。
実はこれ、提案の中身以前に、もっと根本的な部分でズレているのです。しかしこの事象の正体について解説されている本や記事ってあまりないなと感じています。ということで今回は、なぜあなたの意見は却下されるのか、その構造的な理由と対策についてお話していきます。
目次
質が悪いわけではなく、観点がズレている
まずは「観点の数」を合わせにいけ
あえて「企画書をビリッと破らせる」
「わかってるやつ」認定をもらおう
↓音声版で、より詳しく解説しています
質が悪いわけではなく、観点がズレている
結論から言うと、意見が一瞬で却下される最大の理由は、「評価する観点」が違うからです。
例えば、あなたが現場のマーケティング担当(平社員)だとして「この施策をやればCVが増えそうです!」という「効果」の観点だけで提案を持っていったとします。 しかし、マネージャーが見ている世界はもう少し複雑です。
(例)マネージャーが持つ評価の観点
「効果が出るのはわかるけど、予算は足りるのか?」
「今のチーム体制で実行可能なのか?」
「成果が出るまでに時間がかかりすぎないか?」
マネージャーには、効果以外にも「予算感」「実行可能性」「時間軸」といった複数の評価観点があります。あなたが「効果」という1つの評価項目で100点の提案を作っても、上司が重視している他の3つの観点が0点なら、その提案は総合的に見て「ナシ」と判断されてしまうのです。
さらに上の部長クラス、経営者クラスになれば、「ブランド毀損のリスクはないか?」「中長期的な経営戦略と合致しているか?」「社員の教育方針とズレは何か?」といった、さらに高い視座での観点が加わります。 この「観点の数と優先順位」のズレこそが、提案が一瞬で却下される原因なのです。
観点のズレは一瞬で見抜くことができるので、速攻却下になる
そして、これがあらゆる階層で日常的に起きているということなのです。
まずは「観点の数」を合わせにいけ
では、どうすれば却下されずに済むのか?
答えはシンプルで、企画を練り込む前に、「今回はどういう観点で評価しますか?」と上司に聞いておくことです。
「効果、予算、納期の3点で考えればいいですか?他に気にするポイントはありますか?」 このように、まずは「評価項目の数」を合わせにいくのです。さらにその評価項目の優先順位もすり合わせておくとBESTです。
上司側も、最初から全ての条件を綺麗に言語化できているわけではありません。「あ、そういえば今回は若手の育成も兼ねたいから、誰でも回せるオペレーションにしてほしい」といった隠れた要望(観点)が、会話の中で出てくることだってあります。
このすり合わせをしっかりしてくれる社員は、上司から見て安心感が大きい
場合によっては、仕事の依頼を受けた時に評価項目が整理されていないこともあります。そんな時はいきなり完璧な提案資料を絶対に作ってはいけません。まずはラフな段階で当ててみて、「観点はこれで合ってますか?」とすり合わせる。そして、その観点を踏まえた上で、品質がクリアするように中身を詰めていく。この2段階を踏むだけで、手戻りは劇的に減ります。
いきなり内容を考えてしまうと、出戻りが大きくなってしまう
あえて「企画書をビリッと破らせる」
もし上司が多忙で事前にすり合わせができない、ちょっと気難しい人でうまく会話ができない、あるいは上司自身も観点がわかっていない場合はどうすればいいでしょうか?
そんな時におすすめなのは、「あえて一回、早い段階で却下される」ことです。 1週間かけて作り込んだ資料をボツにされると腹が立ちますが、10分で書いたメモ書きなら、ボツにされても痛くありませんよね。「ちょっと考えてみたんですけど、方向性こんな感じでどうですか?」と雑に当ててみて、「いや、これじゃ予算が合わないよ」と言われたら、「なるほど、予算感が大事なんですね」と観点を拾いに行くのです。却下にされる前提で当てると、上司も適切にFBする必要があります。
早めに叩いてもらい、企画の精度を高めよう
これを繰り返すことで、その上司が何を重視しているのか、いわゆる観点の癖というやつが見えてきます。 「この人はとにかくスピード重視だな」「この人はリスクヘッジを常に考えてるな」といった傾向が掴めれば、次からは「今回はスピードとリスク、両方の観点をクリアした案を持ってきました」と言えるようになるのです。
臆せず、ガンガン企画書を破いてもらいましょう!笑
「わかってるやつ」認定をもらおう
こうして観点を示した上で提案ができるようになると、上司からの評価はガラリと変わります。「こいつはズレたことを言ってこないな」「次もちゃんとしたアウトプットが出てきそうだな」という期待感を持たせることができるからです。つまり、わかってるやつ認定をされているのです。
上司にとっても、観点がズレた部下にフィードバックをするのは「のれんに腕押し」で疲れる作業です。全く話にならない提案を繰り返ししてくる部下に、うまくフィードバックを行うのは困難です。しかし、あなたが「予算と納期はクリアしています」と前提を揃えて提案すれば、上司は「じゃあこれに『リスク管理』という4つ目の観点だけ足してくれればOKだね」と、建設的なフィードバックがしやすくなります。
お互いにチューニングする要素が減り、仕事がスムーズに進むようになる。 これが「観点の数」を合わせることの最大のメリットです。そして、観点の数が合うと、上司から見て「わかってるやつ」になることができるのです。
わかってる人には、上司も「今回の提案を任せてみようかな」と安心して機会(チャンス)を渡してくれます。
なので、自分の見えている世界(観点)だけで突っ走るのはやめましょう。
相手が見ている世界を想像し、その観点を網羅した提案を持っていく。 それが、あなたの意見を通すための最短ルートなのです。
↓音声版で、より詳しく解説しています