こんにちは、unname代表取締役の宮脇啓輔です。
一般的に「丁寧さ」は美徳とされています。
しかし、ビジネス上のコミュニケーションは丁寧であれば良いというわけではありません。
脳のリソース管理とスピード感という観点において、過剰な丁寧さは時として「害悪」となります。私はこれを「丁寧さのインフレ」と呼んでいます。この「丁寧さのインフレ」は、特にテキストコミュニケーションにおいて顕著に見られます。
例えば、こちらが
「了解しました!」
と簡潔に返信したとします。それに対して、
「お忙しいところご返信いただき恐縮です。本件につきましては、〇〇という形で進めさせていただきました。もし不備や懸念点などがございましたら、ご指摘いただけますと幸いです。引き続きよろしくお願いいたします」
といった、仰々しい長文が返ってくることがあります。
丁寧な気持ちは嬉しいし非難するほどでもないのですが、ずっとこれが続いてしまうと息苦しさを感じてしまいます。
ということで今回は、ビジネスコミュニケーションにおける「丁寧さの良し悪しと崩し方」について解説していきます。
相手があぐらをかいたら、正座を崩すのが丁寧さ
先ほどの会話例では、こちらはあえて「了解」という簡潔なボールを投げ、ラリーを終わらせようとしています。にもかかわらず、相手はボールを抱えたまま丁寧なお辞儀を繰り返している状態です。
長い文章が送られてくると、読む側は「何か重要なことが書いてあるのか?」と脳のリソースを割いて解読しなければなりません。しかし読んだ結果、ただの受領であることを知るのです。
果たしてこれが、丁寧と呼べるのでしょうか?
これは、文章が丁寧なだけであって、コミュニケーションが丁寧であるとは言えない状態だと思っています。
コミュニケーションはあくまで情報の伝達手段です。相手が短文やスタンプで返してきたのであれば、こちらもそれに合わせてカロリーを下げるのが基本的に正解です。相手の文字量や温度感にチューニングすることこそが、相手の時間を奪わないための「本当の配慮」なのです。
対面の場においても同様です。 私は、会食や打ち合わせの場で空気を緩めるために、あえて自分から「正座」を崩す(フランクに振る舞う)ことがあります。特に自分が年上やゲストである時ほど意識しています。これは自ら「あぐら」をかき、相手にもリラックスしてほしいというサインを送っているのです。
それにもかかわらず、相手が一向に「正座」を崩さず、終始カチカチの敬語と姿勢を貫かれるとどう感じるでしょうか。「正座している人の前で、あぐらをかいている無礼な人」という構図が出来上がり、逆にこちらが居心地の悪さを感じてしまいます。
「丁寧であればOK」というのも思考停止なのです
相手が「崩していいよ」というサインを出しているのに、頑なに丁寧さを貫くのは、「私はあなたに合わせてチューニングする気がありません」という拒絶にも似た意思表示です。それは気遣いではなく、思考停止した自己保身なんじゃないかとさえ思っています。
ミラーリングこそが、真の配慮
ビジネス上のコミュニケーションは、素早く正確に情報伝達することが至高であるべきです。その視点に立つと、簡潔なコミュニケーションを心がける必要があります。
相手との関係値を見極め、「相手が崩したら、即座に自分も崩す」
このミラーリングこそが、丁寧さのインフレにストップをかける、真の配慮なのではないかと私は考えています。
相手が絵文字を使ってきたら、こちらも絵文字を返す。 相手が「了解!」と言ってきたら、こちらは「お願いします!」と返す。 相手の「丁寧度」に合わせて、こちらの「丁寧度」もリアルタイムで調整していくのです。
変化を見せず、ずっと丁寧なままでいるのは思考停止です。相手の出方を見て、徐々に鎧を脱いでいく。その「変化」を見せることこそが、相手に対して「あなたと向き合っていますよ」というメッセージになるのです。
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