こんにちは、unname代表取締役の宮脇啓輔です。
職場の部下や後輩からの提案を聞いている時、「間違ってはないけど、本当にそれがベストなのか?」と、モヤモヤすることはありませんか?
逆に、自分が上司やクライアントに提案した時に、「うーん、悪くはないんですけどね」と微妙な反応をされてしまった経験がある人もいるのではないでしょうか。
実はこれ、「提案内容の良し悪し」ではなく「伝え方」に問題があったのです。
今回は、ビジネスにおける提案で微妙な反応を避けるための秘策「積極法ではなく、消去法で伝えよ」というテーマについてお話しします。
目次
- 「この施策をやるべきです。なぜなら〜」構文の提案は、何がダメなのか?
- 他と比較しないと選べない
- 「積極法」を使うべき場面
- 「提案の会話術」は「複利で伸びる仕事術」そのもの
「この施策をやるべきです。なぜなら〜」構文の提案は、何がダメなのか?
例えば、自社のマーケティング施策について「いい案を持ってきてよ」と部下に依頼したとします。翌日、部下がこう言ってきました。
色々検討した結果、メルマガをやった方がいいと思います。理由は、メルマガには○○というメリットがあって、A社でもこういう成功事例があるからです。どうですか?
これを聞いて、あなたが意思決定者だとするとどう思いましたか?
メルマガがダメじゃないのはわかるし、メリットもわかるけど。
なんでメルマガが一番良いと判断したの?
という疑問が残るはずです。これが「積極法」の提案です。
「これが良いと思います。なぜなら、これにはこんないい所があるからです」
という伝え方ですね。
積極法で提案する人は、自分が選んだ案の「特徴」や「良さ」ばかりを熱弁してきます。しかし聞いている側からすると、それは全く説明になっていないのです。提案を受ける側は、その施策の良し悪しではなく、ほかの施策ではダメな理由を先に聞きたいからです。
積極法は、信頼関係が積み上がった相手にのみ通用します
つまり
①選択肢を洗い出して眺めたい(機会損失が起きていないか?)
↓
②その中から削ぎ落とした案の理由を知りたい(合理的な選択なのか?)
↓
③選ばれた案が今回最適である理由を知りたい(提案の蓋然性が高いか?)
という順番で、提案の良し悪しを判断したいのです。これは判断する側に立つとすごく理解できると思います。
他と比較しないと選べない
提案というのは、常に「相対的」なものです。
世の中にあるさまざまな条件や選択肢を横並びにして、良し悪しを比較した結果として「これが一番マシだ」と決めるのがビジネスの意思決定です。採用で考えればわかりやすいのですが、候補者が10人いて、一人目で「結構いいかも?」と思っても、全員面接してから選びたいですよね?意思決定とは相対的な比較のもとに行われるのです。
だからこそ、提案は「消去法」で伝えなければいけません。先ほどのマーケティング施策の例なら、こういう伝え方になります。
自社のマーケティングの中で「認知を増やす」「リードを増やす」「商談を増やす」という3つの変数があります。その中で課題としては、商談数が足りていないことが最も根深い課題になっています。
商談を増やすための施策の選択肢としては、ウェビナーと展示会とメルマガの3つがあります。ウェビナーと展示会は、予算とリソースの理由から今は適していません。したがって、メルマガをやるのがベストだと考えます。
メルマガは、まだマーティングのノウハウが少ない自社では、ローリスクで検証を繰り返すことができるのも利点だと思っています。
こう言われたら、ものすごくわかりやすいですよね。「なるほど、ちゃんと選択肢を洗い出した上で、他の選択肢を精査してそれに辿り着いたんだな」と、相手の思考プロセスがわかるからです。
積極法で提案された時は、「もっといい施策はなかったのかな?」という疑問が残り続けてしまう状態で話を聞かなければならないのです。
ではなぜ、ビジネスの現場で「消去法」が求められるのか。
それは、判断や意思決定を下す上司やクライアントが「答え」を持っていないからです。だからこそ、あなたに「どうすればいいかを考えるプロセス」を代行してもらっているのです。
提案を受ける側が一番知りたいのは、「なぜ他の選択肢ではダメなのか」という理由です。「他の選択肢をちゃんと洗い出して、論理的に消去してくれたんだな」というプロセスを見せてくれるからこそ、上司やクライアントは安心してその案にGOを出せるのです。
これができるだけで、上司への提案が劇的に改善されます
「積極法」を使うべき場面
ただし、例外もあります。
- 相手がすでに「答え」を持っている場合
- お互いの前提条件が完全にすり合っている場合
- ロジカルな意思決定が難しい場合
です。
その場合はむしろ「積極法」で会話した方が話が早いのです。
以前、私が「この会社からの問い合わせは営業目的だから、対応しなくていいよ」と部下に指示を出したことがありました。つまり、私の中には明確な「答え(NGの理由)」があったのです。それなのに部下が、「そのNGの理由を消去法で考えてきました。選択肢の1は〜」と長々と説明し始めました。
「提案は基本消去法で頼むね」と依頼したばかりだったので、愚直にそれを使おうとトライしてくれたわけですが、私は思わず「自分の中に明確な理由があるんだから、そこは『こういう理由でNGですよね?』って積極法で確認してこいよ!」とイラッとしてしまいました(笑)。
テスト問題のように相手が正解を持っている場面では、回りくどい消去法は不要です。しかし、ビジネスの現場には誰も明確な正解を持っていないケースがほとんどなので、そんな場面では基本「消去法」での会話が正解になりるのです。
ぜひ、消去法の提案を心がけてみてください!