長期的にキャリアを積み上げていくで、戦略的に転職を行うことが重要であり、それが当たり前になりつつある昨今。
しかし転職が重要だとは分かりつつも、「いつ、どんな状態で今の会社を離れるべきか?」と問われると、明確な基準を持っている人は意外と少ないのではないでしょうか。
もし辞めた方が好ましい環境だったとしても、短期離職を繰り返して履歴書上の印象を悪くすることは、絶対に避けるべきです。なぜならキャリアは上書き保存ができないから。無かったことにはできないのです。
マーケターという職種も他の職種と変わらず、会社が変わったからといって日々の業務内容や、追いかける指標が大きく変わるわけではありません。同じ職能を求められていると、商材や業種が変わるだけで、対応範囲や追いかける目標値などは同じになってしまいます。だからこそ、自分のキャリアをより良いものにしていくために「いつ会社を去る決断をすべきなのか」という基準を持っておくことが、キャリア戦略上非常に重要になります。
そこで今回は、マーケターがキャリアを伸ばし続けるための「辞め時」について、4つ厳選してご紹介します。
目次
- ①全マーケター共通:成果が出すぎている時
- マーケターのいろんな辞め時
- ②会社や事業が「これ以上伸びない」と悟った時
- ③上が詰まっていて「同じ1年」を繰り返す時
- ④そのスタイルや領域に飽きを感じた時
- マーケティングコンサルタントという選択肢も
- キャリアの参考になるコンテンツ
①全マーケター共通:成果が出すぎている時
まず最初に一番にお伝えしたいのは、「順調すぎる時」「成果が出すぎている時」こそが、会社を辞めるベストなタイミングであるということです。
今の環境で成果が出続けている状態というのは、裏を返せば「その領域に詳しすぎて、知らないことがない『コンフォートゾーン』にいる状態」です。
マーケターとして成果を出して社内や業界で評価され、カンファレンスに呼ばれたり連載を持ったりと「社会資本」が貯まっていくのは、非常に気持ちが良いものです。あなたの頑張りが、評価という形で跳ね返っている状態です。
しかし、ここにキャリアの落とし穴があります。
特定の事業や環境で成果が出ているからといって、そのマーケティング理論が他の会社にも当てはまるかというと、実はかなり怪しいのです。
例えば、P&GやUSJのような予算もブランドも潤沢にある環境で成果を出したとしても、そこで培った「強者の理論」は、名もなき中小企業や全く別のフェーズの会社では通用しないことがほとんどです。前提条件が変われば必要なスキルセットや経験値が大きく変わるのです。この状態はつまり、スキルの汎用性が高まっていないということです。
一つの環境で勝ち続けると、その「特定の条件が揃った強者の世界」でしか生きていけないマーケターになってしまうリスクがあるのです。その領域では勝ち続けているので、裸の王様にもなりやすいと言えます。
成果が出過ぎている環境では、キャリアは「茹でガエル」のようになりかねないのです
なので、あらゆる環境や条件下で成果を残せるマーケターとして大成したいのであれば、コンフォートゾーンに浸かり続けるのではなく、成果や評価の絶頂期に、あえて今の環境を去るべきなのです。
自分のナイフをもっと研ぐために、あえてレベルの違う新しい環境へ飛び込む。これがマーケターには特に重要な、長期的にキャリアを伸ばすための本質的な考え方です。
マーケターのいろんな辞め時
ここからは、それぞれの立場ごとの「マーケターの辞め時」を具体的に解説していきます。(※あくまで「こんな時は転職を検討しても良いかも?」という一つの基準のようなイメージになります)
②会社や事業が「これ以上伸びない」と悟った時
特に事業会社のマーケターに当てはまる話なのですが、マネジメントや事業責任を担う層の辞め時として、「このプロダクト、この会社は、ここから劇的に伸びることはないだろうな」と総合的に悟った時が挙げられます。
真面目な人ほど「自分の力が足りないから事業が伸びないんだ」と自責で捉えます。自責の念を持つことは素晴らしいですが、いち担当者やマーケティング責任者が過剰に背負い込む必要はありません。経営者でもないのにすべてを自責化して、人生のもっと良いチャンスを逃すのは非常に勿体ないことです。
事業や会社が伸びなければ、仕事のサイズ感や難易度が上がることもありません。行き過ぎた自責思考で、もっと勝負できたかもしれない機会損失をし続けるのは勿体無いのです。
マーケティングは「絶対に伸びないものを無理やり伸ばす魔法」ではなく、「勝てる見込みのある原石を、大勝ちさせる仕事」です。BtoCの巨大メーカーで一発逆転の新商品を出せる環境ならともかく、BtoBなどの領域で「自分が尽力したところで伸びしろがもうない」と感じたなら、それは見切りをつけるタイミングです。特に斜陽産業や、レッドオーシャンな業界では、「競合が強すぎてどうにもならない」という環境だってあります。
ある程度勝負するフィールドを選ぶ必要もあります
また、組織の体質的な限界も大きなサインです。
「この人・組織に提案しても、結局聞いてくれないんだろうな」と、社内政治や組織の壁に阻まれ、そもそも勝負の土俵にすら立たせてもらえない環境であれば、そこでいくら頑張っても限界があります。
あなたに実力があるなら、もっと勝負させてくれる良い環境へ移るべきです。
③上が詰まっていて「同じ1年」を繰り返す時
同じ事業会社でも責任者レイヤーとは違い、メンバーや現場クラスの場合は辞め時が異なります。それは、組織が大きくなっておらず、上が詰まっている時です。人は仕事に成長させられると言いましが、良いポジションがなければ、成長するための難しいミッションを背負うことも難しいということです。
一方で、会社が急成長していれば新しいポストが生まれ、偉くなるチャンスがあります。
役職が上がれば権限が増え、ミッションも大きくなり、より成長できます。しかし、上が詰まっていて引き上げてもらえそうにない環境では、それ以上の経験を積むことはできません。そうなると、「今年もよろしく。去年より予算が少し増えたから目標1.2倍でよろしくね」というように、ある程度攻略が見えている「同じ1年」を延々と繰り返すことになります。
会社が伸びなければ、Aというミッションをずっと背負うことになる
ちょっと頑張ればできてしまう環境に3年もいれば、十分すぎるほどその領域のことは学べているはずです。そこから先の刺激や成長は望めないため、次のステップへ進むべきです。
④そのスタイルや領域に飽きを感じた時
最後に、広告代理店やコンサルティング会社など、支援側にいるマーケターの辞め時です。 これはシンプルに、「その会社の支援スタイルや支援領域に飽きた時」です。
自分が担当している領域や、クライアントのサイズ感が「今の自分にはちょっと役不足だな」と感じたら、それは外の世界へ出るタイミングです。
私自身も、広告代理店時代に「広告運用だけやっているのは嫌だ、もっと外の世界に出たい」と思って辞めました。広告運用は世の中的にはWebマーケターに分類されますが、私自身の経験的にもやっている側の心境としては、マーケターというより、トレーダーに近いなという感じでした。というのも、ターゲットのインサイトを考えるのではなく、媒体のアルゴリズムをハックするようなゲームだったのです。
ここで一つ、支援会社から事業会社へ転職してキャリアをジャンプアップさせるおすすめのパターンをお伝えします。
それは、通常のメンバークラスで転職するのではなく、リファラルやスカウトなどを通じて「マーケティング責任者」などの高待遇・良いポジションで口説かれて入ることです。そのためには、今の支援会社で圧倒的な成果を出し、クライアントや周囲から「この人に任せたい」と思われるだけの実績と信頼を勝ち取っておく必要があります。
そうして手に入れた責任者のポジションに飛び込むと、支援側では優秀だったとしても、事業会社という全くルールの違う環境では「やばい、全然通用しねぇ!」と必ず壁にぶつかります。
しかし、プレッシャーのかかるその環境で「なんとかして成長しなきゃ」と必死にもがくことこそが、マーケターの枠を大きく広げてくれるのです。
「全然通用しない!」をどれだけ摂取できるかが、キャリアアップの鍵となるのです
また、支援会社にいる中で「クライアントの支援だけでなく、もっと会社そのものや、事業全体を動かす経験がしたい」と思うようになった時も、新たな環境へ移る立派な理由になります。
「マーケター」という枠だけに収まりたくないなと思った人はぜひ、事業会社の責任者ポジションに入ってみてください。
マーケティングコンサルタントという選択肢も
もし、あなたが今
事業会社で
「上が詰まっていて同じ1年を繰り返している」
「事業や会社の伸びしろに限界を感じている」
「スキルの汎用性が高まっている気がしない」
支援会社で
「特定のソリューションはある程度極め切った」
「もっと本質的なマーケティングの支援をしたい」
「少人数組織で会社を大きくする経験も積みたい」
というように感じているなら、私たちunnameのような会社に入るのも選択肢の一つとしてご検討ください。
unname社のマーケティング支援のスタイルとしては
- 課題の特定から出発し、全体最適の観点から事業成長にコミットする
- 手法にとらわれず、最適な解決策の提供を行う
- 成功事例を丸パクりせず、前提条件にあったアレンジを行う
というイメージです。
コンサルティングファームがマーケティングの施策実行まで代行するという稀有なポジションを確立しつつ、クライアントの課題解決、事業成長に向き合っています。
こんな環境で、マーケティングのキャリアアップをしてみたい、話だけでも聞いてみたいという方は、ぜひカジュアル面談でお話させてください。