サイバー・バズは広告企画や営業がメインの会社と思われがちですが、テクノロジーの力で
生産性向上や事業成長に貢献する部署がシステム開発本部です。
自社サービスのNINARYやRipre、IMO、Owgiといったマーケティングツールなどを開発する組織で、システム開発本部の責任者を務めるのが佐々木 空さん。
「変化」を楽しみ「進化」させていくというテーマのもと、テクノロジーを軸にサイバー・バズの新たな価値創造に向けて日々奮闘しています。
組織マネジメントで意識していることや今後の展望について佐々木さんにお聞きしました。
略歴
佐々木 空(ササキ タカ)
システム開発本部 VPoE/執行役員
2015年にサイバー・バズへ新卒入社。
社内サービス開発に従事し、2021年10月にVPoE(Vice President of Engineering)へ就任。
2022年10月には執行役員へ着任する。
テクノロジーで新たな付加価値を見出すのが役目
──まずは現在の担当業務と組織のミッションについて教えてください。
私はシステム開発本部の責任者として、開発組織の統括やピープルマネジメントを担当しています。
メンバーは10人ほどの組織ですが、自分自身もプログラミングが好きなので、自ら手を動かして開発を行うこともあります。
そのほか、会社で新規事業やプロダクトを新しく立ち上げる際に、開発面での推進役を担っています。
組織のミッションについては、「テクノロジーで新たな付加価値を提供する」ことを掲げています。
サイバー・バズはもともとブログの時代からSNSマーケティングをやってきた会社です。
いわば営業主体で利益を作ってきたので、さまざまな案件実績を積んできたノウハウや消費者の購買行動、態度変容などに関するデータを見える化し、テクノロジーの力で価値づけしていくことが、非常に大切だと捉えています。
──技術戦略や技術選定についてはどのように考えているのでしょうか。
技術を選択する軸として考えているのが「実用的であるか」ということです。
モダンで話題性に富んだ技術も多くあるなか、エンジニアがキャッチアップしやすく、拡張性や汎用性に長けているかどうかを見るようにしています。
また、エンジニアの採用に関する情報や、技術ドキュメント、事例の記事が多くあるかなども重要です。
面白くかつ実用的であること。このような技術選定をすることで、メンバーのモチベーションも高く担保できると考えています。
開発者自身がプロダクトを好きになる「愛」が大切
──直近のSNSマーケティングの事業成長や市況感の変化などについて、エンジニアの視点からはどのような所感を抱いていますか。
市況感の変化で言うと、これまでSNSは特定の人が趣味の範囲で楽しむという使い方が多かったと思うんです。
でもそれがコロナをきっかけに、SNSは今までよりももっと、人と人が触れ合うなかでの必須ツールとして使われるようになりました。
その中でも、InstagramやTikTokをはじめとしたライブ配信や動画が中心となっている今の時代に、どういう技術が必要なのかを常に意識しています。
例えば動画はテキスト(文字)よりも開発する上では扱いが難しく、より開発難易度の高い機能も必要になるため、多くの試行錯誤の回数が求められます。
そのため、アジャイル開発に現れるようなプラクティスをはじめとした、チームが素早く開発サイクルを回すことができるような体制と仕組み作りも心がけています。
──自社サービスやツールなどのプロダクトを作る際に留意していることは何ですか?
ものづくりには「プロダクト愛」が大事だと考えています。
プロダクトはエンジニアだけでなく、ユーザーや営業、プロデューサーなど、プロダクトをハブにさまざまな人が関わります。
だからこそ、エンジニアがちょっと手を抜くことで蓄積された技術的負債が引き金となり、サービスの進化を止めてしまうことに繋がりかねません。
そこで重要になってくるのは「開発者自身がサービスを好きになる」ことなんです。
自分が作り出したものに愛情・愛着を持ち、内からも外からも愛されるようなプロダクトづくりが大切だと言えます。誰しも、趣味や大切なものといった、自分が好きなものに対しては情熱を持って本気で取り組めますから。
関わる全ての人から愛されるプロダクトへとブラッシュアップしていくために、課題は今どこにあるのか。UI/UXをどう改善すればユーザーフレンドリーになるのか。など常に念頭に置きながらPDCAサイクルを回していくことを行っています。
エンジニア同士がコミュニケーションしやすい環境を整備する
──組織マネジメントやピープルマネジメントについて、どのように取り組んでいるか教えてください。
まず、人材のリソース配分については、機能開発が盛んなプロダクトの場合は若手にを積極的に参加してもらうようにしています。
若手のエンジニアがさまざまな意見を出し合い、ユーザーに求められる機能を作れるよう、チャレンジできる環境を用意することで、モチベーションの源泉になると考えています。
一方で、安定稼働が求められる規模の大きいプロダクトの場合、どんなトラブルやエラーが起きても迅速に対応できるベテランエンジニアの力も借り、システム運用にあたっています。
組織マネジメントにおいては、週1で開催する「輪読会」や技術にまつわる話題を持ち寄る「テックトーク」、月1で開催の「LT会」などエンジニア同士がコミュニケーションできる機会を創出しています。
ピープルマネジメントでは、先ほどの社内勉強会やLTなど、エンジニア同士が集まって対話できる機会を設けることや、1on1でコンディションをチェックしています。
働きやすい環境を整備し、メンバーがのびのびと開発できるような雰囲気を作るのが、私の役目だと思うんです。
何か困っていることがあれば、気軽に相談しやすいような組織風土を醸成し、お互いが分け隔てなくコミュニケーションしやすい状況を作り出すこと。
これがピープルマネジメントで大事なことだなと感じています。
「攻めの開発」ができる組織へ。変化を楽しみ進化させていく
──組織成長のために乗り越えなければならない課題はどのようなものでしょうか。
課題というよりも、組織のあるべき姿として、もっと「攻めの開発」ができるようにしていきたいと思っています。
常に前向きな気持ちを持ち、周囲のメンバーと積極的にディスカッションを重ねながら、アイデアが循環していく組織を作りたいですね。
幸いにも、現メンバーは0→1が好きな人が多いので、思いついたアイデアを形にしやすい技術的な仕込みは行っていて、あとはいかに具現化していきながら、いいプロダクトを作れるかがキーになると考えています。
そのためにも、サイバー・バズのエンジニアとして欠かせないガイドラインを定め、チャレンジ思考と前向きに取り組む行動規範が浸透していくような試みにも着手しています。
──最後に2023年の目標やテーマ、今後の展望について教えてください。
私は2021年にVPoEへ就任してから、「3年でサイバー・バズを技術で勝負できる企業にする」という目標を掲げています。
初年度は組織づくりや人材育成にコミットし、2022年は自社と他社のサービスを比較して、品質や技術的な要素で見劣りしないような「マイナスを0にしていく」ことに取り組んできました。
2023年からは固めてきた地盤をもとに、サイバー・バズならではの強みを生み出し、「品質が良いから顧客に選ばれる」というところまで持っていきたいですね。
市場の期待に応えるためにも、一つひとつ気を抜かないで、テクノロジーをリードする部署として会社に貢献できればと考えています。
SNSの業界は市場の変化も激しく、また新しい技術トレンドもどんどん出てきます。
変化が早いが故にたくさんのキャッチアップを行いつつも、それに対して前向きに取り組める気持ちが大事だと感じています。
ものの見方を変えれば、「変化のタイミングは進化の鍵」だとも言えるわけです。
今までの歴史を振り返っても、技術的なブレイクスルーが起きたのは、何か環境や背景に大きな変化があることがトリガーになっていることを考えると、近々まさにその流れが来るような感覚を持っています。
ですので、技術的な視点からビジネスの将来性を見抜く審美眼を養っていき、サイバー・バズを進化させていくエンジニア集団を作っていきたいです。
<テキスト/古田島大介>