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CEO創業インタビュー(vol.1) なぜ、医療?なぜ、LINE?

LINEを活用した診療予約サービスを起点に、診療体験のすべてを統合したプロダクトの提供を目指す「Nest診療支援システム」。社員インタビューの初回はCEO洲脇に、なぜ医療だったのか?なぜ予約だったのか?について伺いました。

事業者と消費者のつながりが最重視される産業へ

-なぜ医療サービスだったのでしょうか?

自分が医学生だということも多分に影響しているかもしれませんが、様々な産業・事業体の現場を見る中で、事業者と消費者のつながりを最も必要としているのは、医療健康産業だと認識していました。

医療健康産業における、事業者(クリニック)と消費者の体験は大きく3つに分けられ、それぞれで参入障壁や事業規模が異なります。まずは、「クリニック内での業務体験」。例えば、電子カルテのようなサービスが挙げられますが、これらはクラウド以前のレガシーなサービスが主流となっていて、導入・連携コストも高く、Saasの占めるシェアも高くはありません。

続いて、「生活者の生活体験」。心拍数、歩数、体重管理など、生活者自身の健康管理を促すプロダクトは、この数年で多くの企業がリリースしています。ただ、日本には「国民皆保険制度」という、誰もが安価で高レベルな医療を受診できる制度があり、諸外国に比べ、医療機関と生活者の関係性が近いんですね。なので、こういったtoC向けのプロダクト市場が拡大するのはまだまだ先になりそうです。

そこで、着目したのが「クリニックと生活者の診療体験」です。

コロナを経ての、診療予約ニーズの高まり

-医療サービスの中でも「診療予約」に着手した理由は?

「クリニックと生活者の診療体験」には、順に「情報」「予約」「受付」「診療」「帰宅」「再来」の6つのシーンがありますが、まず開始点となる「情報」「予約」に関するプロダクトの企画・開発に着手しました。これには2020年に世界的流行をもたらした新型コロナウイルスも大きく影響しています。ワクチンの開発・接種が世界中から待望され、日本ではようやく2021年の5月からワクチンの接種が開始されました。

Botlogyでは、この接種開始に間に合わせるため、前年の2020年から接種予約システムのアジャイルな開発を開始し、「LINE for Government」とも提携を行い、京都市全体のワクチン個別接種や、山梨県の大規模接種会場などでの接種予約システムを提供しました。ワクチン接種の推進を通じて、自分自身、医療が社会の中で果たす役割というものを大きく感じ、その中で『みんなに優しいインターネット』が望まれていることを理解できました。

社会的にも、ワクチン接種の経験を通して、クリニックにおける予約システムのニーズが格段に上がり、Botlogyは安定したシステムの提供とともに、組織を成長させることができました。

地域医療において、LINEは欠かせないインフラになる

-LINEとの連携にこだわりはあったのですか?

Botlogyは2018年に創業しましたが、その7年前の、2011年に「LINE」は誕生し、間もなく日本国民のコミュニケーションにおいて欠かせないインフラとなりました。今では、ユーザー間だけでなく、事業者と消費者をつなぐインフラとしても欠かせないものになっていますね。よく類似サービスとして比較もされることの多い、中国の「WeChat」は決済機能も充実した、スーパーアプリ化されています。

ネイティブアプリのインストール・認証コストが高まる一方で、このような流れは技術的にも歴史的にも必然だとBotlogyの創業以前から考えていました。その中で、2018年、LINE社がオープンなプラットフォームを目指すビジョンと、それを実現する技術的仕様を公開したことを機に、Botlogyを創業しました。

日本における「かかりつけ医制度」の重要性が増す中で、地域医療において、医療機関と生活者の継続的な関係性構築の重要性が増しており、LINEがこのインフラになることは、必然であると考えています。

「体験の統合」を実現するプロダクトへ

-「Nest診療支援システム」の理想像とは?

toB、toCのサービスそれぞれで、顧客が抱える課題ごとに、導入する製品を変えるというのは、オンボーディング、スイッチングの両側面で非常にコストがかかり、製品が増えるごとに困難さも増し、製品の統合の必要性がより価値を増します。

我々はそれぞれの製品における「体験の統合」を作りたいと考えていて、先にお話ししたように、診療体験における、6つのシーンのうち、開始点となる「情報」「予約」に関する製品の提供から開始していますが、その他4つの「受付」「診療」「帰宅」「再来」を含めた体験を、統合的な製品として提供をしていく予定です。

近年のインターネットの技術革新により、開発コスト、アーキテクチャー面含め、実現は可能と考えています。後編では、具体的な事業目標とそれに向けた戦略、ボットロジーの理想的な組織像について聞いていきます。

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