「VTuberが好きです」という志望動機で応募してくれる人は多いです。ありがたいことだと思っています。
ただ、実際にこの仕事を始めた人が最初の1か月で驚くのは、好きかどうかがほとんど関係ない領域の作業量です。スケジュールを組み、企業との窓口になり、グッズの入荷を管理し、数字を見て、本人と話す。その繰り返しです。
この記事では、REJECTのVTuberマネージャーが日々なにをしているのかを、できるだけ具体的に書きます。応募するかどうかを決める前に、仕事の中身を知っておいてほしいからです。
AGENDA
・REJECTのVTuber部門は、いまどうなっているのか
・マネージャーの仕事を5つに分解する
・この1か月で実際に起きたこと
・向いている人、向いていない人
・応募を考えている方へ
REJECTのVTuber部門は、いまどうなっているのか
REJECTには現在15人のVTuber・ストリーマーが所属しています。YouTubeチャンネル登録者数の合計は、およそ183万人です。
ただ、この合計値よりも重要なのは内訳の「幅」です。一番大きいメンバーは40万人超、一方で、デビューして間もない1万人台のメンバーもいます。同じ事務所の中に、「すでに届いている人」と「これから届かせる人」が同居している。これが、マネージャーの仕事を面白くも難しくもしています。
登録者数が伸びているメンバーには、企業案件やイベントの話が先に来ます。どれを受けて、どれを断るのかを決めるのがマネージャーの仕事です。一方で、これからのメンバーには、そもそも話が来ません。企画をこちらから作って、見てもらう場所を作るところから始まります。
マネージャーの仕事を5つに分解する
「VTuberマネージャー」という職名は、実態をあまり表していません。実際には、性質の違う5つの仕事が同じ人の手元に集まっています。順番に説明します。
1|スケジュールを組む
配信、収録、案件、イベント、レッスン。メンバーの1か月は、放っておくとすぐに埋まります。埋まること自体は悪いことではないのですが、休む日がなくなると、確実に配信の質が落ちます。
だからマネージャーの最初の仕事は、予定を入れることではなく、どの予定を入れないかを決めることです。これは本人にはやりにくい判断です。目の前の話は、たいてい魅力的に見えるからです。
2|企業案件の窓口になる
REJECTには、チームとして大手企業とのパートナーシップがあります。その流れで、VTuber・ストリーマーにも案件の相談が入ってきます。8月12日には、東京ゲームショウ2026に出展される企業向けに、所属VTuber・ストリーマーのイベント出演キャスティングの受付を開始しました。
ここでマネージャーが見ているのは、金額だけではありません。その仕事をやったときに、ファンがどう思うか。本人がこれからやりたいことにつながるか。この2つに合わない仕事は、条件がよくても断ります。
3|グッズとイベントを進行する
ここが一番「推し活の延長」から遠い領域です。デザインの確認、工場への発注、入荷日の管理、販売ページの文面、会場の動線、当日のシフト。地味な作業の連続です。
ただ、ファンが実際に手に取るもの、実際に足を運ぶ場所を作れるのはこの仕事だけです。画面の向こうにしかなかった関係を、実体にする役割です。
4|数字を見る
登録者数、同時視聴者数、配信時間、グッズの消化率。数字を見る目的は、本人を評価することではありません。「伸びていないのは本人のせいなのか、やり方のせいなのか」を切り分けるためです。
この切り分けができると、「もっとがんばろう」という話をしなくて済みます。やることを変えればいいだけだからです。
5|本人と話す
最後に、一番時間を使うのがこれです。配信者は、評価が毎日数字で返ってくる仕事です。しかもその数字は、本人の努力とは別の理由で上下します。
マネージャーの役割は、励ますことではありません。事実を並べて、次にやることを一緒に決めることです。ここができる人は、意外と多くありません。
この1か月で実際に起きたこと
抽象的な話だけでは伝わらないので、直近の1か月に公開されたものを並べます。すべて、マネージャーが進行に関わっています。
8月22日〜30日|REJECT VTuber POP UP SHOP in 渋谷モディ2F
渋谷モディ2Fに、所属VTuberのグッズが並びます。会場の押さえから、どのメンバーのどのグッズを何個作るか、当日の列のさばき方まで、現場の決め事は細かいです。
こういう企画は、発表の時点ではもうほぼ終わっています。準備が始まっているのは、いつも数か月前です。
8月10日|折咲もしゅの誕生日グッズを発売
メンバーの誕生日は、年に一度しかない大きな企画です。グッズの中身を決めるところから、告知の順番、受注期間、発送時期まで、マネージャーが組みます。
本人は「こういうものが欲しい」とは言いますが、それが実際に作れるのか、間に合うのかを確かめるのはこちらの仕事です。
8月20日・21日|パートナーシップとコラボ楽曲
8月20日には、ポケモン実況者の3人組「今日ポケch.」とパートナーシップ契約を締結しました。翌21日には、アイドルグループ「iLiFE!」とのEsports World Cup 2026コラボ楽曲「LiMiT STRiKER!」が公開されました。
eスポーツのチーム、VTuber、実況者、音楽。この辺りの境目は、もうほとんどなくなっています。VTuberマネージャーとして入っても、関わる範囲はそこでは止まりません。
向いている人、向いていない人
向いているのは、人の成果を自分の成果として喜べる人です。この仕事は、自分の名前が表に出ることがほぼありません。担当したメンバーが伸びたとき、褒められるのは本人です。それを本心からうれしいと思えるかどうかが、一番の分かれ目です。
逆に、向いていないのは、自分がファンでいたい人です。好きだからこそ厳しいことを言えなくなる、好きだからこそ判断が揺れる。これは本人にとってもよくありません。
もう一つ、「指示をもらって動きたい人」も向いていません。この領域には正解がなく、上司も答えを持っていません。自分で決めて、やってみて、違ったら戻す。その繰り返しを楽しめる人に向いています。
ちなみに、ゲームや配信に詳しいに越したことはありませんが、必須ではありません。実際、別業界から入ってきたメンバーもいます。知識はあとからつきます。
応募を考えている方へ
REJECTは2018年にできた会社です。eスポーツのチームから始まり、いまはVTuber・ストリーマー、グッズ、デバイス、映像、教育など、複数の事業を自社で回しています。マネージャーの仕事は、その全部に触れるポジションです。
担当するメンバーのキャリアを一緒に作る仕事であり、同時に、事業を作る仕事でもあります。どちらか一方だけをやりたい人には、たぶん向いていません。
選考の前に、まず話を聞くだけでも構いません。現場で実際に何が起きているのか、どこが難しいのかを、隠さずに話します。その上で合わなさそうであれば、応募しないという判断で構いません。
「話を聞きに行きたい」から、お気軽にどうぞ。
写真でみるREJECT
ここまでに載せたものも含めて、直近のREJECTの動きを写真で並べます。この一枚一枚の裏側に、誰かの進行業務があります。
株式会社REJECT 代表取締役 甲山翔也