穏やかな瀬戸内海を望む里山に誕生した3棟の1棟貸し宿「mimoro」。誰も立ち入らなかった耕作放棄地は、この宿ができたことで新たな物語を紡ぐ場所へと生まれ変わりつつある。なぜここに宿泊施設をつくろうと考えたのか。ご興味ある方は読んでいただけると幸いです。
改めて簡単に“合同会社とまり木”の紹介も兼ねて自己紹介させていただきます。“とまり木”は高知県で創業し、高知県内で小さな宿泊施設と香川県のmimoro含む5店舗を運営しています。自身が20代前半にバックパッカーとして国内外を旅して、旅先でさまざまな面白い人と出会った経験から、そうした場を自身も提供したいと、2018年に地元・高知でゲストハウス「TOMARIGI HOSTEL」を開業したのがきっかけです。とまり木はまず四国を中心に小さな宿泊施設やmimoroのようなモデルを今後も事業展開していこうと考えていますが、ローカル全体を巻き込む動きは別のNEWLOCALという会社で仮説検証中です。
mimoroは、偶然今までの出会いの積み重ねと偶然の縁でスタートしたプロジェクトです。きっかけは高知にある弊社1店舗目のTOMARIGI HOSTELで知り合った人物から「津田で面白いゲストハウスを始めた人がいるから会いに行こう」と誘われたのがきっかけでした。
紹介してもらったゲストハウスに泊まり、翌朝近くにある津田の松原を散歩していたら、朝日が昇る景色にまず感銘を受けました。しかも、地元のおじいちゃんおばあちゃんや、ランニングしている人が朝日に照らされる海辺に自然と集い、挨拶を交わしていて、そのコミュニティの様子はゲストハウスにも重なる部分があり、心が惹かれると同時に、このエリアの可能性を感じました。
将来的に高知以外での展開を考えており、中でも太平洋という全く先の見えない広大な海とは対照的に穏やかな瀬戸内海に兼ねてから興味があったこと踏まえ、その日に付近をリサーチすることに。
そこで見つけたのが『土地売ります/ビーチ付き』と書かれた超古典的な看板。もちろんネットで探しても情報は出てきません。気になって記載された電話番号に連絡すると、地域の“よろづ屋さん”と名乗る86歳のおじいちゃんが現れて、丁寧にご案内してくださいました(ちなみに当たり前ですがビーチは国有地でした)。
その敷地から見渡す景色を見た瞬間、朝日が昇る様子やそれを望む建築の姿が自然とイメージでき、“ここならできる”と直感的に感じたのがこの場所を選んだきっかけです。そして何よりこの景色を伝えていきたい。
そんな想いからできたのが“Tell Landscape”というミッションです。
開業から約3年が経ち、「この景色を見てみたかった」という声を聞く機会が増えてきました。その度に自分たちが伝えたかったメッセージがきちんと届いているんだなと実感しますね。先日、ビーチでプロポースしてくれた方もおられ、地域の方々には、まさかこのビーチがプロポーズの場所になるなんてと驚かれもしました。
今後もこの集落に訪れる新しい目的づくりを企画しており、その第一弾として今年集落の使われていない倉庫の改修を自分たちで行い、laboroという新たな集まりを生み出す場所を作りました。更に、地域のハブとして緊急時に備えて電気や水を蓄える仕組みづくりや、文字や写真で集落を残していくZineの作成にも取り組んでいます。
現在は、このmimoroを事例に、他地域で展開することも徐々に具体検討し始めています。場所探しもまだまだな状況ですが、各地の集落でモデルケースを増やしていく予定です。
宿を通じて持続可能な地域づくりを行なうことで、地域の記憶を未来へと受け継ぎながら、新たな可能性を切り開く。
そんな旅路を共に歩いてくれる方を心よりお待ちしています。