雑誌 『装苑』 2023年9月号:インタビュー VOL.3 アバターデザイナーのON&OFF | ココネのデザイナー
この記事は「『装苑』 2023年9月号」に掲載された記事の一部を許諾を受けて転載しています。photographs : Jun Tsuchiya (B.P.B.)hair & makeup : ...
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「SETAGAYA PORT(セタガヤポート)」プロジェクトにて、8月26日(土)に「キャリアデザイン教室~デジタルファッションデザイナーのお仕事と働き方~」を開催しました。
ココネのデザイナーが先生となり、次世代を担う子どもたちの創造力をのばし、「デジタルファッションデザイナー」という新たな職業について講演とワークショップを行いました。
SETAGAYA PORT(セタガヤポート)はdot button company株式会社と世田谷区が運営する産官学連携の取り組みです。ココネも世田谷区に本社を置く企業として、この取り組みに参画し、子どもたちに自由に表現することや作ることの楽しさを体験してもらいながら、未来の新たな職業の選択肢も生み出していきたいと考えています。⇒SETAGAYA PORT
今回はイベントの模様をお届けします。
イベント冒頭では、デジタルファッションについてお話ししました。
デジタルファッションは、オンラインの世界で身に着けられる洋服やアクセサリーのことです。国内外で注目を浴び、有名企業が「デジタルスニーカー」を販売したり、専門に制作・販売する会社も増えています。専門学校にバーチャルファッションコースが新設されるなど、新たな職業の一つとしても注目が集まっています。
ココネでは10年以上前から服だけではなくヘアスタイルやメイク、さらにアバターが存在する空間のインテリアなども制作し、100万種を超えるアイテムをお客様に届けてきました。
コロナ禍を経て、子どもたちにとってもオンラインでの交流やアバターを用いたコミュニケーションは当たり前になっているのではないでしょうか。学校や学童、塾など様々な居場所がありますが、その一つにメタバースも加わる日はそう遠くはありません。
そのメタバース空間での楽しみ方の一つがファッションです。
性別や体型も関係なく、いろんなジャンルのファッションを楽しめますし、人間ではなく、動物や植物になることもできます。また自由にカスタマイズができ、個々人の想像力を最大限に発揮できます。
ここからはココネのデザイナーが3名登壇し、事前にいただいた質問を中心にお話しました。
Q.なぜこの仕事をしようと思ったのですか?
A.小さい頃から絵を描くのが好きでした。自分の絵を喜んでくれる人がいることに感銘を受け、その喜びを仕事にしたいと考えました。
Q.仕事のやりがいや良かったこと、大変だったことは何ですか?
A.チームで一つの世界観を作ることにやりがいを感じます。お客様が喜んでくださるとうれしいです。
大変なことは、『ポケコロ』は今年12周年を迎え、これまで数多くのアイテムがリリースされており、それらとかぶらないようにすることです。
Q.どうしたらデジタルファッションデザイナーになれるのですか?
A.子どもの頃からたくさん絵を描いていました。
美術系の専門学校や美大卒の社員は割合としては多いのですが必須条件ではありません。
デザイナーになると様々な世界観をつくることになります。いろいろなところに出かけて体験してください。デジタルファッションの強みは何にでもなれるところです。これまでの経験がみなさんが作るものにより説得力を与えます。
Q.どのようにトレンドやニーズをとらえていますか?
A.Pinterestなどを見て良いと思ったものを集めたり、SNSを意識して見ています。
また街を歩いている人の服装を見ながら、流行っている色や小物をリサーチしたり、友人に好きなものを聞くこともあります。
次に、アイテムがどのように生まれるかについて紹介しました。実際にリリースされたアイテムを例に、アイデアの発想からコンセプトやストーリー設定、ラフデザインから仕上げまでの制作の流れをご紹介しました。最後に、完成したファッションを着用したアバターの姿を動画でみていただき、どのように実際のアバターに馴染み、どう見えるのか映像を通じてお伝えしました。
プロジェクターを使ってパソコン上での作業をリアルタイムでご覧いただきながら、Photoshopでの描画プロセスをお見せしました。
影をつけて立体感を出したり、オーガンジーのような透け感を出すなど、全く違う印象を受けるリボンを次々に描いていくデザイナーに子どもたちもじっと注目をしていました。
そしていよいよワークショップの時間。
デザイナーが実際に使用しているペンタブレットを一人ずつ配布し、アバターのベースとなる「素体」にデザインをする約1時間のワークショップです。
現役のデザイナーが1人ずつテーブルにつき、子どもたちをサポート。
ペンタブレットやPhotoshopを使ったことがない子どもたちがほとんどで、最初は戸惑う様子も見られましたが、すぐにツールを使いこなし、デザイナーたちを驚かせていました。
好きなテーマでどんどん描いていく子どもたち。デザイナーへの質問も「革みたいな質感にするにはどうすればいいですか?」など難易度が高いものになりました。
最後は保護者のみなさんも同席してグループごとに作品を発表。
テーマやこだわったポイントなどを話してもらい、デザイナーからフィードバックします。保護者のみなさんも改めて子どもたちの創造力に驚いている様子でした。
メタバース空間において、ファッションがますます重要な役割を果たす未来が待っています。デジタルファッションデザイナーは、これからさらなる活躍が期待される存在です。このイベントを通じて、デジタルファッションの本質やその創造に携わる仕事についての理解を広げることができました。
また3時間にわたるプログラムで、子どもたちが飽きずに参加できるか心配をしていましたが、最後まで興味津々で楽しんでくれました!ワークショップで作成した自分の作品を笑顔で保護者のみなさんに披露している様子に一安心しました。
ココネは今後も子どもたちの創造力を育む活動を続けてまいります。
ココネさんにご協力頂き、これからの新しい職業の一つとしてデジタルファッションデザイナーというお仕事を子どもたちに伝える「キャリアデザイン教室」を実施いたしました。作品を制作されているデザイナーさんの実演もさることながら、デザイナーさんと直接触れあう体験もあって、子どもたちの習得の早さや取り組む姿勢が前のめりで、とても良い教室になったと感じています。
開催後には、保護者の方からも嬉しいメッセージを頂きました。今後も子どもたちの興味のある世界や仕事を体験できる機会の創出をご一緒できればと思います。
また、本イベントはワコム様にご協力いただきました。
https://www.wacom.com/