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雑誌 WEB+DB PRESS Vol.136:インタビュー 『開発チームと連携しグローバル化や安定稼働を実現』尹姓元・中野大介【後編】

この記事は「WEB+DB PRESS Vol.136」に掲載された記事を許諾を受けて転載しています。


Web3の新時代を拓くココネのエンジニアリング力を探る

世界に愛されるデジタルワールドでトップレベルの実績

第3回 大規模オンプレ環境をいかにクラウドへ移行したか

ココネではサービスごとにオンプレやクラウド(AWSとGoogle Cloudを併用)を使い分けている。どのような方針で運用しているのか、チームの役割分担はどうしているのか、今後どのように発展させていこうとしているのか。インフラ室の尹姓元氏と中野大介氏にお伺いした。

━━自己紹介をお願いします。

尹姓元(以下、尹) ココネ 開発本部 本部長 尹姓元(ユン ソンウォン)です。インフラ室長も兼任しています。

中野大介(以下、中野) インフラ室の副室長 中野大介です。

━━ココネのインフラでは何を重視していますか?

尹 まずはパフォーマンス、安定性、コストですね。加えてシンプルに運用できること。これらを多角的に見てバランスのいい構成を心がけています。チームメンバーにただ「いいパフォーマンスが出せるものを作りました!」と提供して終わりにするのではなく、長く使えるように、ほかのメンバーでも使えるように、構築後の運用管理も重要だと考えています。

中野 少し別の視点ですと、サーバサイドの開発メンバーとの連携です。役割分担は企業ごとに異なります。本番になるとサーバ運用は開発の手を離れてインフラチームが行うところもあれば、サーバサイドの開発メンバーが行うところもあります。ココネだと後者に近いので、インフラと密に連携をとる傾向があります。ですので、インフラ側を担う立場としては、開発により踏み込めるようなノウハウを持ちたいなと思っています。

新しい技術に挑戦しがいがあるインフラチーム

━━インフラチームのみなさんはどんなスキルや経験をお持ちですか?

尹 私がエンジニアになったばかりのときは開発をしながらOracle DatabaseのDBA(データベース管理者)をしていて、のちにMySQL、MariaDB、MongoDBなどいろんなデータベースを学びました。ココネに来た当初はデータベース管理者をしていました。

中野 私は前職がWeb系の会社でインフラの構築や保守をしていました。データセンターでのサーバのラッキング、ソフトウェアのインストール、セットアップ、チューニング、サービスリリース後は監視や障害対応など。ココネでは環境がクラウド中心となりますが、やっていることは前職と似ています。

━━どんなエンジニアならココネのインフラチームと相性がよさそうですか?

尹 クラウドネイティブ技術やSREに興味があったり、開発チームと一緒に進めていくのが好きな人だとやりがいがあると思います。ココネでは自社開発が多いので、いろいろと経験を積み、スキルを磨くことができます。

中野 今後はコンテナ、Kubernetes、IaCを通じて開発者と連携する機会が増えますし、SREを採り入れることもしていくので、そうした技術に興味があれば挑戦する機会があるかと思います。ココネには挑戦することに対してすごく前向きな空気やカルチャーがあります。現場からの提案に対して、選定する理由がちゃんとしていてインフラの安定性や継続性が実現できるのであれば、実績がなくても「やりましょう!」と前向きに採用してもらえることが多いです。

━━Web3技術の取り組みもありますね。

尹 ココネではWeb3技術に積極的に取り組んでいますので、インフラチームもブロックチェーンやNFTなどの技術に関わる機会が増えてくると思います。また、ココネが使うブロックチェーンはココネのグループ会社が開発・運営していますが、ココネのインフラメンバーとのつながりがありますので、興味があれば関与するチャンスがあるかもしれません。

中野 Web3のプロトコルなど新しく覚えることはありますが、基本的なインフラの知識をきちんと押さえて参考資料を読めばそんなに難しいことではないと思いますので、ぜひ興味がある人と成長していきたいです。

課題はグローバル化やセキュリティ強化

━━今後どのようなことに注力していきたいですか?

尹 ココネグループ全体としてグローバル化に力を入れていますので、インフラもグローバル化に向けて対応しています。単にグローバル化といっても、世界各地に同じような環境を構築して地域ごとにサービスを提供するのではなく、1つのシステムで全世界につながるような、本当の意味でのグローバルサービスを目指しています。

中野 具体的には、たとえばネットワークならAWS Global Acceleratorを活用したり、アプリケーションサーバもリージョンで分散したり、いろいろとノウハウがあります。

尹 最大の課題はデータベースのアーキテクチャをどうするかです。リージョンごとに複製を作成したり、マルチマスターにしたりといった、サーバの負荷をどう分散するか、データの一貫性をどう保持するかなどの最適解を模索することになります。

中野 私はセキュリティチームも兼任しているので、インフラのセキュリティやアプリケーション開発環境のセキュリティについてよく考えています。各チームが連携したり、CI/CDにうまくセキュリティを組み込んでDevSecOpsを実現したり、脆弱性診断や侵入テストにもさらに力を入れていきたいと考えています。

━━働く場所として、ココネのどんなところが気に入っていますか?

尹 食堂やジムなど、設備・制度が充実しているところです。あと、現在の社屋に移転したころにコロナ禍が始まり、インフラチームは移転関係の作業やテレワークの環境整備で出勤が多かったのですが、大きな駐車場があるのでマイカー通勤をしていました。緊急事態宣言当時、電車通勤を避けられて安心できました。今でも飲み会がなければマイカーで出社しています。

中野 私は徒歩通勤です(笑)。フレックスタイムが気に入っています。柔軟に働けるのはいいですね。


前編はこちら

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