この記事は「SWITCH 2023年1月20日発売号」に掲載された記事を許諾を受けて転載しています。 PHOTOGRAPHY: GOTO TAKEHIRO
TEXT: KAWAKAMI HISAKO
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黒木聖羅
UI / UX デザイナー
九州大学芸術工学部画像設計学科を卒業後、ゲーム関連会社の勤務を経て2019年にココネに入社。『猫のニャッホ』を担当後、『ポケコロ』のUI/UX部門の副リーダーを務め、大型施策を中心に担当している
デザイナーやプログラマー、企画業務。職種間の橋渡し役に
――UI/UXデザイナーという職種の業務内容について簡単に教えてください。
「基本的にUIはアプリをわかりやすく使っていただくための導線を考える仕事になります。操作に使用するボタンの配置やデザインに加え、ボタンを押した時にどういった挙動をするのかを設計していくようなイメージです。UXはユーザーエクスペリエンスと言って、サービスにおける一連の流れがお客様にとってよりよい体験になっているのかを考え、デザインに反映させていく仕事になります」
――この職種を選ばれたきっかけはありますか?
「幼少期から絵を描くことが好きで、ものづくりに関わる仕事がしたいと考えていました。大学に進学後、ゲーム関係の研究室に所属したことがきっかけでUIやUXといった分野に興味を持つようになりました。在学中は『Global Game Jam』という四十八時間でゲームを作るイベントに参加したり、研究室の『シリアス ゲーム プロジェクト』に参加したりする中で、色々な職種の方と協力してひとつのサービスをつくることに魅力を感じ、UI/UXデザイナーを目指しました」
――現在『ポケコロ』の担当をされているそうですが、開発中の『スペースフリマ』では機能面でどのような監修をされていますか?
「お客様がポケコロのアプリ内で作成したコーディネートをNFT化し、マーケットプレイスに送る一連の流れを設計しています。例えば、スペースフリマのトップ画面や使い方をお伝えするチュートリアルもUI/UXデザイナーが監修しています。スペースフリマの世界観を伝えるメインのグラフィックは、デザイナーである佐藤さん(前頁参照)と一緒に何度も意見交換をしながら進めています」
――チーム内で密にコミュ二ケーションを取っているんですね。
「企画の立ち上げ段階からUI/UX観点の意見を積極的に出しています。企画内容を加味しつつ、プログラマーと仕組みや処理について相談しながらデザインしています。UI/UXデザイナーは様々な職種の間で仕事をする機会が多いので、職種間の橋渡しとして重要な立ち位置にいると思っています」
――NFTに馴染みのないお客様に向けて、なにか配慮をされている点はありますか。
「NFTはまだまだ難しい概念なので、できるだけ専門用語を使わない画面づくりを心がけています。ポケコロは幅広い年齢層の方に楽しんでいただいているアプリなので、例えば自分の母親がスペースフリマの機能を使ったときに正しく情報が伝わるかなど、想像しながら設計しています」
SWITCH 2023年1月20日発売号, スイッチ・パブリッシング