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【harmo誕生のストーリー】自らの体調不良を機に電子お薬手帳を考案!代表取締役 福士さんインタビュー

こんにちは!harmo株式会社 広報担当の北畠です。

本日は、「harmoおくすり手帳」「harmoワクチンケア」の創設者である福士 岳歩さんにインタビューをしました。

どのような経緯でharmoは誕生したのでしょうか。
プログラミングに興味を持ち始めた中学時代から、現在までをヒアリングしました。

harmo株式会社は、個々人の医療・健康情報を個人や家族が活用可能な「harmoおくすり手帳」「harmoワクチンケア」を基軸としたサービスを展開しています。


■代表取締役副会長 福士 岳歩
harmoの考案者。2000年にソニー株式会社に入社。2008年、自らの体調不良を機にharmoを構想し、2011年に実証実験、2013年に部署設立を経て、2016年、ソニーの社内ベンチャーとしてharmoおくすり手帳の事業化を果たす。2019年6月にharmo事業をシミックグループへ承継し、CMIC Tech Lab所長に就任。harmoワクチンケアを考案。2021年10月、harmo株式会社 営業開始により現職に至る。

パソコン買ってください!この先何もいらないから。

―いつからプログラミングに興味を持ち始めましたか?

中学時代、ゲームがきっかけでプログラミングに興味を持ち始めました。
中学2年生の時、親に「この先何もいらないからパソコンを買ってほしい」とお願いをし、誕生日に買ってもらいました。

そこから、パズルトピアというゲームをきっかけに、プログラミングに興味を持つように。

当時、同級生と3人でパズルトピアをしていましたが、どうしても解けない問題があったんです。その時に、プログラミングで解決できないかと考えました。

そこから独学でプログラミングを勉強し、どうやってもできなかった問題を解くことに成功したんです。この時初めて、人の手では解決困難な問題でも、プログラミングを使うと解決できるんだと心が震えました。

あの日の感動は今でも忘れられません。

これが自分の生きていく道だと思い、大学ではプログラミングを勉強できる学科へ進学しました。

大学時代、塾の座席管理システムを設計

―大学生活で印象に残ったことはありましたか?

大学進学後、大手学習塾でチューターのアルバイトをしていました。
毎週生徒の席替えがあり、アルバイトが全部手書きで座席表を書いていました。

手書きの分、人的ミスは起こりやすいですし、時間もかかります。この時間がセーブできればもっと学生にアドバイスをする時間を取ることができるのにもったいないと思い、座席管理システムを設計することに。

その後、座席管理システムが完成。

今までは、座席表を書くことに工数をかけていましたが、このシステムを導入すると一瞬でミスなく座席表を作成してくれます。塾に提供し、卒業してからも使われていましたね。

学科でプログラミングを学ぶだけでは、どう実社会に活かせるかわかりませんでした。

しかし、この塾の経験を通して、プログラムを書けば社会問題を解決できるのではないかと思うきっかけとなり、実践する機会になり、さらにお金をもらえる経験ができました。プログラミングでシステムを開発することは、世の中の役に立つと身をもって実感しました。

原因不明の体調不良に悩まされる日々

電子お薬手帳を開発することになったきっかけはなんですか?

原因不明の体調不良がきっかけで、のちに電子お薬手帳を開発することになりました。社会人になり2006年に入った頃から微熱が半年間下がらなくなったんです。

原因を調べるために、脳外科へ行きました。脳外科医はもちろん脳が専門なので、精密検査の結果、原因は脳にあると言います。次は、神経がおかしいと思い、整形外科へ行くと、整形外科医は腰から来ている熱だと言います。

このように色々な病院で思い思いのことを言われ、それぞれの薬を出されました。

出された薬を律儀に飲んでいると、薬の成分が重複していたことが多々ありました。当時、ジェネリック医薬品が出始めたばかりだったのです。

現在のジェネリック医薬品は、成分の名前を必ず付けることになっているため、先発の薬を把握しやすいですが(ロキソニンのジェネリック医薬品が、ロキソプロフェンNa錠60mg「サワイ」など。 )、一昔前は、自由に薬の名前を付けることができたので、飲んでいた3種類の薬が、全部同じ成分だったこともありました。

恐ろしいことに、成分が重複していて、3~4倍の量を飲んでいたんです。
気付いたら気失っていて、家で倒れていたこともありました。

不便すぎる紙のお薬手帳

―大変ですね。。。その時は、お薬手帳を使っていましたか?

それまでは使っていませんでしたが、病院へ足を運ぶようになり、はじめて紙のお薬手帳を使い始めました。

気分が悪いから病院へ行っているにも関わらず、薬局では毎回お薬手帳に貼るシールが薬と一緒にビニール袋に投げ込まれた状態で渡されます。

そのまま貼り忘れて次に行った薬局から受け取ったシールを貼ると、1回分飛ばしてしまいます。

剥がして貼り直すことすら面倒くさい。貼らなくなると、医師に「お薬手帳ある?」と聞かれて出したとき、シールがバラバラとこぼれ落ちてしまいます。

医師に呆れられて、「新しい薬を出すから、これまでの薬はやめてこっちに切り替えて!」などと言われます。

インターネット全盛の時代に、なぜこんなやり取りをしているのだろう?

自分の持っているプログラミングの知識で、お薬手帳を変えられるのではないかと思いました。

同級生との会話から閃いた電子お薬手帳

―その後、どういう経緯で電子お薬手帳を作ることになりましたか?

中高時代の友人と飲み会をしている時、何気ない会話から電子お薬手帳を作ることになりました。

友人5人中3人が医者だったのですが、紙のお薬手帳のシールに困っている話をすると、医者も「その気持ちすごくわかるよ」と言っていました。実は医者も悩んでいたのです。

その頃、毎月のように新しいジェネリック医薬品が誕生していたので、患者が診察の際、薬を持ってきても、ジェネリック医薬品の名前がバラバラで把握しきれず、こっそりgoogleで調べているという話でした。

当時、ソニーに勤めていたので、「画期的なもの作ってほしい」と友人に言われたとき、たまたまカバンに入れていたSuicaが目に入ったんです。

そこで、閃きました。

「ピッ」とSuicaのようにワンタッチで服薬情報を読み込むことができればよいのではないか。どれぐらいの飲み残しがあるか把握できたらよいのではないか。個人だけでなく、薬局や病院でも使えるようにしたらどうか。などと唐突にディスカッションが繰り広げられました。

しかし、みんな酔っぱらっていたので、この会話は誰も覚えてなかったんです(笑)でも私は当事者だから、鮮明に覚えていました。困っていたんですよね、当時。

私自身がすでに持っている技術でシステムを作れると確信しました。電子お薬手帳が世の中にとって必要だと感じて、翌日から早速プログラムの設計を始め、事業化しました。

その後、みんなが健康という目標に向かって調和(harmony)していけるよう、電子お薬手帳に「harmo」という名前を付けました。

これが、harmo誕生のストーリーです。

接種間違いから身を守るharmoワクチンケア

―ありがとうございます!harmoワクチンケアについてもお聞かせください

0~1歳児の乳幼児は、免疫を安全につけるために、数多くのワクチンを接種しています。

しかし、母子手帳もお薬手帳と同じで超アナログです。

今でも日付のスタンプを人の手で変更し、母子手帳に押しているほどアナログの世界なのです。そのため人的ミスが発生しやすく、年間に何千件ものワクチンの接種間違いがあります。

愛する我が子が、ワクチンを接種してはいけない時期に、間違えて接種したことを親が知ると、「可愛い子どもに何をしてくれたんだ!」と思ってしまいます。命に別状がなかったとしてもすごく嫌な気持ちになるんです。

そこで、harmoワクチンケアの仕組みを使うと、ワクチン接種間違いのチェックを自動でできるようになっています。

現在、川崎市の川崎区で、harmoワクチンケアの実証実験をしていますが、前年の川崎区と比較すると、ワクチン接種間違いの件数が大幅に減っています。嫌な思いをする人がその分減っていることがわかりますね。

ヘルスケアの領域ではゼロをプラスにするというよりは、マイナスをゼロに近づけるように取り組んでいます。嫌な気持ちになる人を一人でも減らして、安心して過ごすことができる人を増やすことが使命だと感じています。

harmoがこれから目指す姿は?

harmoおくすり手帳、harmoワクチンケアがより世の中に普及することを望んでいます。

体調を崩さないことがベストですが、体調を崩してしまったときに、「harmoおくすり手帳のおかげで、飲む薬のことを理解できてよかった」とか、「harmoワクチンケアのおかげで、ワクチンを接種済みであることが証明できるので、海外旅行にいけた」「次のワクチンを間違えずにできた」など、プラスな喜びに対しても貢献していきたいと考えています。

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